安全登山

女性単独登山で遭難を防ぐために意識していること

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安全登山

※2024年7月10日更新しました。

こんにちは、くっかばらです。梅雨明けの本格登山シーズンが待ち遠しいですね。梅雨の間、山行きの計画を立てたり色々準備したりこれはこれで楽しい時間です。そこで今回は、女性単独登山のリスクを少しでも減らすために私が意識していること、をテーマに記事を書いてみようと思います。

登山+女性+単独のリスク管理、少しでもできることはあるかな。

登山って、タイミングや何かで事故が起こるときは起こってしまうとてもリスキーな趣味ですよね。私は車の運転すら嫌いなものすごい「びびり」でして、本来はこんなリスクがある趣味は性格に合わないはず。反面、山歩きの爽快さ、自然の壮大さ、動物や植物の美しさ、などを知ってしまうともっと知りたい、という気持ちの方が断然強いです。

くっかばら
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この稜線に感動して登山にはまりました↓(自分の撮った写真です)

ただでさえリスキーな登山なのに単独登山、いわゆるソロが好きなのですよね・・・。一番大きな理由は音や匂いに敏感すぎて情報がわーっと入ってくると辛いから。なので始終話をするのが苦手で、いわゆる「HSP」です(自称と言われそうだけど😂)。もしくは若い人風に言えば「陰キャ」?皆さん話しながら歩いていて単純にすごいスキルだと思う。私もする時があるけど頑張らないとできないです(笑)。すれ違いで一言二言話すとか、山小屋で情報交換する、なんていうのは全然大丈夫なんですけどね。

というわけで登山ももう引き返せないし、単独行が好きな私。救助されて迷惑をかけたらすごく申し訳ないし、何よりも自分のために、安全登山を意識するようになりました。

警察庁の平成29年の統計によると、山岳遭難の原因で一番多いのが道迷い。実に40%近くを占めます。次いで、滑落(約15%)、転倒(約15%)、病気(約6%)、疲労(約5%)。これを念頭に置いて、完全ではないながらも自分なりにできることから対策しています。

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大前提〜登山保険と登山計画書(+ココヘリ)

私が登山専用の保険に入ったのは、恥ずかしながら登山を始めて数年経った頃でした。正直、自分に対する補償というのは既に加入している生命保険や傷害保険で十分では?と思っていました(汗)。

くっかばら
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だとしても、補償対象外のアクティビティなどチェックが必要ですね。

まず加入したのがj ROの「山岳遭難対策制度」。厳密に言えば保険ではなく共済制度です。会員の捜索救助費用を年次で精算して、会員同士で分担する制度。なので年会費の他に「事後分担金」が必要になります。事後分担金はマイナス(割引)になることもあるようです。登山者同士の共済というコンセプトに賛同できたし、捜索救助費用を補填してくれる保険には入っていなかったので加入しました。550万円までの実費をカバーしてくれます。更新時には補填金の対象となった遭難事故の概要も送付されてくるので参考になります。

くっかばら
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2021年分は、年会費が2200円事後分担金が300円でした。

※現在、私はjROの会費を払っていません。ココヘリ会員はjROのサービスが付帯することになったからです。ココヘリ欄で詳細を書きますが、jROの制度は以前とは変わり、現在では「役務提供型」となってjROが捜索を手配したときに填補されることになっています。また、登山計画書を出していない場合は捜索対象となりません。ご注意を!

j ROでは、自分に対する補償と他人への損害賠償責任はカバーされていません。山では自分が加害者になる可能性が大きいです。例えば知らずに自分が落とした石が後続の登山者に当たり、打ちどころが悪くて重傷を負う、など。私はハイキングを含む野外活動がカバーされている自転車保険に加入しているので大丈夫と思っていたのですが、後述するように最近はクライミングを習うようになり、「山岳登はん」が対象となる損害賠償責任保険に入る必要が出てきました。そこでセブンエーが代理販売している山岳保険に加入しました。

くっかばら
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野外活動(アウトドア)をカバーする保険の多くは、ロープ、アイゼン、ピッケルなどを使用する登山(山岳登はん)は対象外です。

その他、私が入ったことがあるのはモンベルの山岳保険。モンベル保険の良いところは短期でも可能で(1泊2日から)、遭難救助費用と損害賠償が一緒になっているところ。YAMAPでも山岳保険を扱っているようだし、セブンイレブンで手続きできる軽登山用の保険もあります。これは1日から入れて500円、マルチコピー機で手続き完了と、かなり便利そう。

同じくらい大切なのが登山計画書。私は基本的に「Compass」で出しています。低山やマイナーな山だと登山口で書くこともあります。オンラインで出す方が後で検索しやすいような気がしますがどうなんでしょう。

そして最後に、私はココヘリに入っています。ソロの一番不安なところは滑落などした場合に目撃者がいなく、遭難場所が特定しにくいこと。ココヘリの発信機を携帯していれば、ヘリコプターが早期に見つけれくれる可能性が高いです。ココヘリを充電した上で常に山へ持参するのは最初少し面倒でしたが慣れました。それとココヘリにはアウトドアの損害賠償保険がついているので、保険に入ろうと思っている人はお得かも。さらにココヘリ義務化の山に行くときは手続きしなくて良いから楽。私が登った中では、冬の武尊山では義務化されていました。

くっかばら
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ココヘリの保険は発信機を持って登山した場合をカバーするようです。クライミングのような山岳登はんが対象になるかは調べても不明。

※ココヘリの運営会社がjROを100%小会社化し、2022年7月1日からココヘリ加入者には無償でjROの救助費用補填制度が付帯しています。その後、ココヘリ契約更新のタイミングで、救助費用補填制度は山岳保険ではなく、「役務提供型」であるとの連絡がありました。つまりココヘリ経由で捜索を手配しないと補填されないということのようです。jRO会員も同様の扱いとなります(jROの会員規約はココヘリ会員規約と同一です)。jRO時代には会員が手配した捜索も対象となっていた理解なので、jRO/ココヘリ統合のタイミングでココヘリへ移行した方、ご注意下さい!

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山岳遭難ワースト1〜道迷い

山岳遭難の原因で一番多い、道迷い。最近は地図をダウンロードできる登山アプリを使っている登山者がほとんどだと思います。私はヤマレコを使っているのですが、それはApple Watchで地図を表示する機能があるからです。かなりサイズは小さいのですが、現在地が常に見られるのは本当に便利。もう手放せなくなっています。

ヤマレコ × Apple Watch|Apple Watchが高機能アウトドアギアになる。
ヤマレコとApple Watchの連携で、気軽に登山中の状況をチェックしよう。

とはいえ、GPSやデジタル地図に頼りきるのは心もとないです。まず電池切れに対応するため、日帰りでも必ずモバイルバッテリーを携帯しています。愛用しているのはApple WatchとiPhone両方の充電がケーブルなしで出来るもの。ただちょっと重いのが難です。これでApple Watch2回、iPhone2回分くらい行けます。何泊もの山行きだとこれに加えて普通のモバイルバッテリーとケーブルも持って行きます。

低山やマイナーな山は道迷いリスクが大なので、必ず紙の地図を持っていくようにしています。市販の地図を買うこともありますが、最近は「Trail Note」というMacbookの地形図印刷アプリ(無料)を使って自分で打ち出しています。そしてその時に絶対忘れてはならないのがコンパスですね。実はコンパスで進行方向や現在位置を確かめる方法をマスターしたのは割と最近で、それまではGPSに頼り切りのだめだめだった私。シルバのコンパスを愛用しています。地形図と一緒に使って進行方向を割り出すには、スマホのコンパスではもちろん×です。

地形図の読み方、最初はドリルを買って独学しました。これだけだと理解がふわふわしていたのですが、読図講座に参加したらピントが合いました。やはり実践が大切ですね。

大きな道迷いはまだしたことがありませんが恐れています・・・。もし迷ったら斜面を降りて行ってはダメで、面倒でもきた道を戻るか、最悪登る方が良いと聞きました。道迷いしてビバークを強いられた時のために「山のお泊まりセット」(ツェルト、水・食糧、ヘッドランプ)なども持っているべきですね。

山岳遭難ワースト2〜滑落・転倒

道迷いの次は滑落、そして転倒による遭難。滑落は即、重大事故につながってしまうので怖いです。北アルプスの岩稜でなくても普通の山、例えば奥多摩あたりでもソロで細い尾根道から斜面を滑落、携帯も通じない・・・という状況に陥ることはあり得ます。

これを少しでも防ぐにはまずは体を鍛えるしかないのかなと思います。特に岩稜にいくならバランス良く岩を上り下りすることが大切。でも岩場が崩れたり強風が吹いたりなんてこともあります。鹿島槍ヶ岳で滑落事故に出くわした時は強風の日で、犠牲者の方は体を持っていかれてしまったようでした。

実は私は高いところがあまり得意ではなく、タワマンなどには絶対に住めないタイプです。岩稜でもふっと下をみると体がすくんで、歩きのバランスが悪くなることが多々あります。克服するため、基礎のクライミングを習い始めたところ。ジムにも通ってバランスよく登っていく体を手に入れたいと思っております(笑)。

転倒して顔面強打とか嫌ですよね・・・燕山荘のご主人が「絶対に転倒しないこと」が安全登山では大切というお話をしてくださって、目標にしています。前はよく下りで滑っていたのですが、スクワットや爪先立ちをしてとにかく足の筋肉を鍛えるようにしていたらかなり減りました。歩き方も背筋を伸ばして足をフラットに置いていくという基本を忘れないようにしています。

基礎的なクライミングに挑戦中、怖いいい

山岳遭難ワースト3〜病気・疲労

吐き気に苦しんだ富士山登山

登山中の病気については深刻なものは別ですが、高山病とか頭痛・腹痛など、軽いものだったら自分の体質を知ってあらかじめ薬などを準備しておくといいですね。私はパナドール、胃の痙攣止め、それに下痢止め(笑)をお守りがわりに携帯しています。富士山では吐き気が苦しかったですが、深呼吸で乗り越えました。迷わず酸素缶を使う方が良かったかも。

足がつりやすい人はツムラの「芍薬甘草湯」が良いみたいですね。つった時に飲むとおさまるとか。

疲労で歩けなくなるというのは、気候などのコンディションに影響される場合もあるでしょうが、基本的に登山計画自体に無理があったか体力を過信した、のいずれかかと思います。登山計画は本当に大切だと思っていて、私は結構時間をかけます。机上では余裕なくらいの計画をしておくと1時間くらい早く終わるので、そうしたらごほうびの温泉!長い縦走だと細かすぎる予定表を自作して同行者に引かれています(笑)。

計画を重視するようになったのは、登山を始めた頃の残念すぎる数々の体験があったからです。例えば、丹沢にいったとき調子が良くて大倉尾根をコースタイムの半分で巻いて登ったら、下山時に肉離れを起こして歩けなくなり夜までかかってなんとか自力下山した、とか。白馬岳で朝遅めスタートなのに10時間くらい歩く計画をして、夕方に雷に遭遇する、とか。もう本当に恥ずかしいです。

女性の登山

ソロは楽しい♪

女性ならではのリスクもありますね。都会でも同じだし、山には悪い人は(そうそう)いないし・・・。そうは思っているのですが、私は平日にソロで山に行くときはほとんど人気の山にしか行きません。これは色々な考え方があっていいのかな。登山系YouTuberを見ていると若いお嬢さんたちが寂しげな山を楽しそうに歩いているし。多分私はかなり安全側に寄ってます。でも平日に、花や紅葉が見頃の人気の山域に行くと女性達がキャッキャッされていて、すごく平和で和やかな雰囲気がいいんですよね。

女性ならではの悩み、トイレ問題。これみんなどうしているんだろう。女性同士で物陰にいったりするんでしょうか。私はソロが多いので、自然と「コントロールする」方向へ行ってしまいました。一度にたくさん飲まず口を潤す程度の補水をちょこまかする、とう戦法です。こうすると私はトイレに行かず朝から夕まで歩けます。朝は控え目にして、特にコーヒーは滅多に飲みません。昼過ぎにゴールが近くなって初めて普通に飲み始めます。そして下山後トイレへ。でも、これってあまり体には良くないのかもなあと思っています。

これからもソロで安全に登山したいので、できることはどんどん実行していくつもりです。

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No Mountain, No Life.

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