こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、屋久島の縄文杉トレッキングです。

縄文杉、登山初心者でも行ける?どれくらいきつい?
4月上旬、屋久島遠征2日目。縄文杉を目指します。
縄文杉は言わずと知れた、屋久島に自生する最大級の屋久杉(樹齢1000年以上の杉)。その樹齢は以前は7000年などと言われていましたが、最近では古くても4000年程度であるというのが定説です。それでも気の遠くなるような年月。その前に佇んでみたいと思っていました。
超有名観光地での登山によくあるのは、そこが初めての本格登山である人が多いこと。実際、私が宿で会った女性も初めての登山でとても不安がっていました。往復20km、所要時間9〜10時間、確かに楽ではないでしょう。
でも実際歩いた後で確信しました。かなりお年な方、足が悪い(すぐ痛くなる)人、靴がしっかりしていない人でなければ、初心者さんでもきっと大丈夫。

靴には注意です。長く履いていない靴はゴム底が剥がれることが・・・。
どれくらいきついかは主観ですが、私はヘトヘトまではならず、楽しいだけのトレッキングでした。ただ自慢でもなんでもないですが、私はスタミナはあるほう。全く登山したことがない人が歩いたら、相当疲れることは間違いないです。
縄文杉トレッキングではガイドさんをつけている人がほとんど。ルート自体の危険箇所や道迷いリスクはないものの、ネイチャートークを聞きながら歩くのは楽しそう。写真撮影の特等席や美味しい湧水をこっそり教えてくれたり。何よりガイドさんがペースを作ってくれるので、登山初心者は特にメリットは大きいと思います。
縄文杉へ行くルートは、①荒川登山口から往復、②復路は白谷雲水峡、③宮之浦岳の縦走と絡める、の主に3つです。一番利用者が多いのが①。これは縄文杉ガイドツアーが①になっているから。私は効率化のため②にしたかったのですが、白谷雲水峡からの最終バスは16:10で早め(早朝バスはないので往路には使えない)なのと、太鼓岩からの山桜をゆっくり眺めたかったので、別の日に行くことにしました。なので①の荒川登山口往復ルートを選択。ちなみに①でも②でも、往復の距離に差はないですがコースタイムは②の方がプラス1時間と見ておくべきです(②の方がアップダウンがあるため)。
4日間の屋久島旅行の記事はこちらをどうぞ↓

縄文杉トレッキングルート詳細① 荒川登山口から大株歩道へ
荒川登山口から楠川分かれ〜暗い中トロッコ軌道を行く、鳥の声が癒し
朝3:45に起床。宿でお弁当を受け取って、最寄りのバス停(中央バス停)から4:36発の屋久杉自然館行きに乗ります。そこから始発の5:00発荒川登山バスに乗り換えて荒川登山口へ。


屋久島には屋久島交通とまつばんだ交通の2つのバスが運行しています。時刻表は別。
始発の荒川登山バスに連絡しているのは、まつばんだ交通バス。
私はリサーチ不足で屋久島交通バスしかチェックしておらず、現地入りするまでまつばんだ交通バスの存在を知りませんでした。危うく始発を逃すところだった・・・








荒川登山口にはきれいな水洗トイレがあり、更衣室までありました。コースの説明書きなどがあるので準備運動しつつ目を通します。


自販機の類はないですよ〜。
時刻は5:45、まだ真っ暗ですが、いざ!同じバスに乗ってきた人の一団から、最初に飛び出したのはなんと私(笑)。


実は密かに、日帰り組の一番乗りで縄文杉へ着けたらな、と思っていたのです。競争ではなくて、単にほんの僅かの間、静かに縄文杉と対面したかったから。
スタートしてすぐ、撮影している間にガイドさん付きのグループに抜かれましたが、しばらくして抜き返させてもらいました。なんとなくガイドさんに不穏なものを感じ、爆速で遠ざかりました(笑)。
この後は行きの撮影は有名どころにとどめて、先を急ぎました。初めて人に会ったのは随分先、昨夜テント泊で下山してきた登山者さん。








トロッコ軌道は平坦で単調、と言われることがあります。特に帰りが辛いと。私は逆に、行きも帰りもとても楽しめました。終始、鳥のさえずりが響いて、清流の音。癒されます。


楠川分かれから大株歩道入口〜トロッコ軌道が続くが巨大な杉が現れ始める
6:40、楠川分れを通過。ここを折れて北へ向かえば白谷雲水峡です。
楠川分れの後すぐに、最後のトイレがあります。ベンチもあるので休憩に良さそう。
このあたりから明らかに杉が多くなりました。この後、名木・巨木も出てきますので要チェック。


まず出てくる名木、三代杉。倒木の上に杉が育って、現在三代目なので三代杉。




このあたりはトロッコ軌道がくねくねと方向を変えるので少し混乱します。でも安房川へ注ぐ沢沿いなので、清流を楽しみながら歩きます。


次に出てくる名木は仁王杉。吽形(うんぎょう)は倒れてしまったので、今は阿形(あぎょう)だけ。私、違う杉を仁王杉だと思って撮影してしまっていたので、仁王杉の写真はないです・・・(涙)。ガイドさんがいればこういうつまらないミスは防げますね。
仁王杉を過ぎれば、トロッコ軌道は終わり。大株歩道からいよいよ本格的に登りです。


縄文杉トレッキングルート詳細② 大株歩道から縄文杉へ
大株歩道からウィルソン株〜本格的な登りが始まる
大株歩道は最初は階段ですが、すぐに岩や木の根が露出する登山道になります。まずはウィルソン株を目指して登っていきます。


この間には翁杉という巨木があるのですが、12年前に突然倒れてしまったそう。今は株が残っています。幹回りでは縄文杉に次ぐ太さだったのに、残念ですね・・・。


7:45にウィルソン株に到着!スタートからはちょうど2時間、大株歩道入口からは15分くらいでした。一人占めです。


株の中に入ると、祠が安置してありました。湧水が湧いていて、地面は少し湿っぽい。中は広くて、数人は余裕で入れそうです。
ここではやはりあの構図で撮影ですよね?でもなかなか見つかりません。360度回って確認したら、やっとありました!




ハートに見える場所は・・・ネタバレはやめますね。探す楽しみもあると思うので。


ウィルソン株から縄文杉〜超大物の杉たちを見ながら歩く
ここで登山者らしいご夫妻とすれ違い。縄文杉が朝日に照らされてとてもきれいだったと教えてくれました。これなんですよね、山中1泊した場合の最大のごほうび。縄文杉のモルゲンロート。見てみたいなあ〜。今日はもう時間が遅いけど、次は必ず!
ウィルソン株から縄文杉までは、木の階段が多くなります。素晴らしく整備された道。
名木も現れます。まずは大王杉。今は近寄れずデッキになっていて、全容の撮影は難しいです。急な斜面に生えていて、下は空洞になって幹は割れています。




縄文杉が発見されるまでは、この杉が一番太かったから「大王杉」というようです。樹齢がそろそろ限界ということですが、確かにとても立派。威風堂々という感じ。
このあたりから世界自然遺産地域に入るのですが、すぐに今度は夫婦杉が現れます。2本の杉が融合していて仲良く手を繋いでいるようです。






夫婦杉の周りには木のデッキがぐるっと作ってあって、あまり人もいないので、ここで休憩するのも良さそう。
最後に大きな倒木の下をくぐると・・・




8:45、とうとう縄文杉にたどりつきました!スタートからちょうど3時間。デッキにいるのは昨晩テント泊したという男性だけ。飛ばした甲斐がありました〜。
縄文杉展望デッキにて縄文杉と対面
デッキは北側と南側があって、順路としては北側→南側なのですが、縄文杉の正面は南側です(よく写真で見る姿)。順路にはあまり拘らなくていいと思います。
とはいえ私はまず北側から行ってみました。北側からは縄文杉は少し黒っぽく見えます。上部には葉が繁り、強い生命力を感じさせます。




南側のデッキへ行ってみました。正面から縄文杉に対峙します。








仕方ないのですが、デッキがあるし遠いので、縄文杉の全容を撮影するのは無理でした。縄文杉に一番近づけるのは、高塚小屋方面に出るデッキの出口付近(順路の最後の方)だと思いますが、そこからも全容は難しい。
写真はうまく撮れなかったけど、縄文杉の前でほとんど一人、1時間半も過ごしたことが、今回の密かな自慢です。
膨大な時間を背負って縄文杉がそこにいる。何人の人間が縄文杉の前を通ったんだろう。原始人みたいな人もいたのだろうか。
白く神々しい姿、まるで手を広げたような枝振りは仏様のよう。
2・3人ソロの人たちと写真を取り合ったりお話をしましたが、基本的に静かに座っていました。入り込んでいるように見えてたかも(笑)。ただただ感動していたんですよ。
縄文杉の前で約1時間半、この上なく贅沢な時間。まさにプライスレス。
段々とグループの人たちが到着してきたので、出発することにしました。時間は10:15。
縄文杉トレッキングルート詳細③ 下山
帰りのバスは15:00。5時間くらいあるので、帰りはゆっくり遊びながら歩くことにします。
立派な杉と光芒を撮影したり。




大王杉の横の、今は使われていなさそうなデッキでお昼。座り込んでいいのかわからなかったですが人もいなかったし・・・。大株歩道で明瞭に休憩所があるのはウィルソン株くらいでしょうか。


縄文杉のデッキは飲食禁止です。




宮之浦岳の記事でも書きましたが、屋久島のお弁当事情は感動的にシステマチック。宿でお願いすれば朝の4時にはフロントに置いてあります。しかもすごく美味しいです。


上のは「揚げ物弁当」ですが、私は次の日に食べた「焼き魚弁当」の方が好み。
大王杉を過ぎたあたりで大グループの通過を待っていたら、一番美味しいという湧水を教えてもらいました。屋久島では湧水は飲んでOKだし、なんならペットボトルよりずっと美味しい。


大株歩道入口まで戻ってきました。ここからはトロッコ軌道を戻って行きます。
仁王杉の近くに、翁岳が見えるポイントがあります(看板あり)。山桜と新緑と合わさって、お気に入りの一枚が撮れました。






突然、目の前にヤクザルの一団が出現。本州のサルより毛が白くて、おとなしそうに見えました。でもすごく警戒してる。その理由は子猿がいたからのようです。この子猿がかわいくて、嫌がらずに写真を撮らせてくれました。


トロッコ軌道からはまわりの山並みが見えますが、山桜と新緑がとてもきれい!昨日見た太鼓岩からの山桜に引けを取らないくらい。


そして昨日の「苔むす森」に引けを取らないくらいの苔の森。こんなところがあちこちにあるのですね、屋久島。


最後の橋を渡って、ゴールです。14:08、まだ1時間あるけどこれ以上引っ張れません(笑)。荒川登山口で休んでバスを待つことにしました。ザックを置いてバスの場所取りしていいということなので、デポして周りを歩いたり写真を撮ったり。結構あっという間の1時間でした。


「屋久島にはたくさんの緑色がある」って聞いたことがあるけど、本当にそうでした。この季節ならではでしょうが、これから1ヶ月くらいはこんな感じなんだそうです。




縄文杉、流石に素晴らしかった・・・10時間かけて見にいく価値は絶対にあります。でももし縄文杉がないとしても、このトレッキングコース自体がとても楽しく癒されるコース。清流、鳥のさえずり、立派な屋久杉たち、遠くの山の眺め、山桜と新緑、苔の森、猿たち。こんな森の中に10時間近くもいられるなんて、信じられないくらい幸せでした。
アクセスとデータ
アクセス | ◯ | 荒川登山口までバス利用 行き:中央バス停4:36(まつばんだ交通)→屋久杉自然館5:00→荒川登山口5:35 帰り:荒川登山口15:00→屋久杉自然館15:48→合庁前バス停15:58 |
難易度 | △ | とにかく距離が長い(20km) 危険箇所はなし |
トイレ | △ | 荒川登山口にはきれいな水洗トイレ(更衣室もあり) 楠川分かれにはバイオトイレ 以降は携帯トイレブースを利用 |
データ | 総距離:20.5km 合計時間:8時間22分(休憩含め) 累積標高:(上)959m (下)938m | |
その他 | 縄文杉付近では4Gが入る |
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