こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、宇都宮の古賀志山。2回目の登山です。

古賀志山のヨコバイ・タテバイのレベル感は?
ヨコバイ・タテバイ。横にちょこちょこ、縦にちょこちょこ登るさまをカニに例えた呼び名で、剱岳が有名ですね。
古賀志山にもヨコバイ・タテバイがあります。今回、ヨコバイ・タテバイを通る中岩直登ルートを選択。一般ルートではないので道標もないしヤマレコでも地図はありません(足跡はあり)。
事前に情報収集したところ、結構な斜度で滑落事故もあった模様。ヘルメット+簡易ハーネスが作れる装備で臨みました。

お助けロープも持っていくべきでした。
結果的に何とか登れたのですが、タテバイはかなり怖かったです。岩の感じはそれほどではないものの、下の切り落ちた斜面が視覚的に恐怖感を生みます。
岩場好き・運動神経がよい同行者(体育は常に5)は順調に登りつつも、少し怖かったそうです。二子山上級コースより怖かった点では意見が一致しました。レベル感のご参考になれば。
岩場経験がない方はやめておくほうがいいルートです。このレポートを見て行けそうと思った方も、くれぐれもご安全に。
古賀志山の中岩直登ルート

途中、ログの入れ忘れで飛んでいます。動揺してました笑。
古賀志山は583mの低山ながら、ルートが100通り以上あります。分岐や踏み跡があちこちあり、予定ルートから外れることもしばしば。
前回は、中尾根から登り、古賀志山から赤岩山を往復、東南陵コースから東陵コースに合流して下山しました。
今回は、南登山道駐車場からヨコバイ・タテバイを登って中岩の南面を直登、主稜線をたどり御嶽山・古賀志山へ、下山は中尾根の計画です。
御嶽山までは一般ルートではなく、特にヨコバイ・タテバイ・中岩の直登はヤマケイ・ヤマレコはおろか、「古賀志山を守ろう会」の地図にすらルートの記載がありません。
もちろん道標もなく、地図とGPSを頼りに歩きました。フィックスロープが設置してあり、取り付きは簡単に見つかったのでありがたかったです。
下山の中尾根では、最後にルートを外してしまい、一番岩を下ることになりました。これは予定しておらず、最後まで肝が冷えました。
前回の古賀志山登山レポートはこちら↓

古賀志山の登山レポート
南登山道駐車場から登山開始
中岩直登の登山口は、南登山道駐車場が最寄りです。東武日光線の新鹿沼駅からタクシーを利用しました(3600円)。


あまり聞かない行き先のようで運転手さんはけげんな顔。そこから登山できるのかと逆に聞かれました笑。
広い駐車場には、すでにかなりの車が停まっていました。クライミングゲレンデに近いからクライマーさんの車だと思います。
準備運動していたらクライマーさんに話しかけられ、「わざわざ東京から??東京には良い岩たくさんあるじゃないですか〜御前岩とか」と、クライマーだと誤解され岩情報トークが始まりそうに(笑)。
山歩きだと分かると、「かなり危ないルートですよ??」と盛大に心配頂きました。知ってはいたものの暗雲が心に広がっていきます。時間は9時過ぎ、気を引き締めてスタートしました。


最初は林道歩きです。木々に貼ってある啓発ポスターがかわいい。地元の小学生かな。


登山道に入ってすぐ、小さな祠がありました。


ここは「滝コース」と呼ばれるルートの一部で、「御岳」方面へ登山道を上っていきます。


すぐクライミングのゲレンデに出ます。たくさんのクライマーさんたち。ゲレンデの下の踏み跡を西へ入っていきます。「古賀志山を守ろう会」の地図ではルートになっていて、整備された歩きやすい道です。


北へ登る分岐に出たら、いよいよ正規ルートを外れます。


ヨコバイ・タテバイ
分岐からすぐにヨコバイの取り付きがあります。フィックスロープが張ってあるので分かりやすいです。


ヨコバイはそれほど難なく登っていけます。ロープ区間はすぐに終わり、何もない岩をどんどんあがっていきます。高度を感じ始めました。下はすっぱり切れ落ちているので、ここは丸腰で下りたくはないです。


とうとう、タテバイの基部に到着しました。写真の上へと続いています。


写真で見ると難なく登れそうですが、実際に見た感じはもっと垂直で、下は崖のため恐怖を感じました。足の置き場も悪く、ホールドはありません。
同行者は慎重かつ順調に登っていきました。踏み出してみると、かなり不安定で怖い。撤退を考えました。でも撤退するには危険すぎる岩場を下りなければなりません。登るほうがまし・・・。
いったん基部へ降り、少し時間をかけ心を落ち着かせ、ネガティブなイメージを振り払います。右手はトラロープを握り、小さな突起に右足をのせ、左足は岩に突っ張って一気に踏み出し、そのまま登っていきました。


二子山上級コースより怖かったです。あちらは距離は長いし高度感もすさまじいですが、ホールドがたくさんあって足の置き場もあるので、しっかり3点支持ができました。タテバイのように3点支持ができないところだと一瞬2点で強引に行くしかなく、でも下が崖のためメンタルで負けそうになります。
タテバイの上に出ました。ここまで来れば大丈夫。




黙って待ってくれた同行者に感謝。色々言われるとパニックになります笑。
タテバイを上がると背中当山に到着しました。ここですれ違った男性は、タテバイを下りるとのこと。簡易ロープをお持ちでした。このルートですれ違ったのはこの方だけ。


背中当山の向こうには、これから直登する中岩がきれいでした。登っていく岩も見えています。




中岩の直登は、遠くから見ると怖そうですが、近づくと大丈夫でした。
中岩を直登
しばらく横引きの灌木の道を歩くと、ロープの設置された岩に出ました。これが中岩の直登で、長い登りです。タテバイとは異なり手がかり足がかりはたくさん。安定して登れました。


上に出ると、巻道を行きます。


10:30、中岩に到着。安堵で呆然と座り込みました笑(同行者撮影)。




御嶽山から古賀志山山頂
中岩から主稜線を東へ向かい、御嶽山へ。この間も一般ルートではなく、あまり人はいません。たまにすれ違う人は皆ヘルメットを着用しています。
ルート中の岩場、難易度は高くないですが注意して行きます。


御嶽山に到着。たくさんの人がいます。古賀志山から往復の人が多く、赤岩方面へ行くのはほんの一握り。


11:00前、ここでランチ休憩を取ることにしました。御嶽山は休憩に良いスポット。北側には男体山や日光白根山などの山並みが美しいです。
今日は湯葉トッピングそば。栃木を意識したメニューです!


さわやかな気候のなか、カラフルなつつじを眺め、うぐいすの大合唱を聴きながらのランチタイム。穏やかな時間が、いつもよりずっと貴重に感じました。
ランチを終え後半へ。御嶽山から古賀志山へ向かう途中、ルートをそれてコマラ岩の偵察をしました。今日はもう十分ですが、次回行ってみたいです。


御嶽山と古賀志山の間にも岩場がありますが、苦手な人には巻道もあります。


古賀志山の山頂には相変わらずたくさんの人。ベンチやテーブルが豊富なので賑やかに過ごせます。




中尾根ルートで下山
今回は、中尾根から下山します。古賀志山はたくさんの分岐やルートがあって、特に下山中は簡単に計画ルートをそれてしまいます。前回も予定していないコースに入り込み、最後は崖を降りることになりました。


ルートの名前も多様で複雑。踏み跡にも惑わされます。
古賀志山を下りたら大きく左へ折れ富士見峠へ。木の根が張り出ている道をどんどん下りていきます。ポピュラーな北コースからのルートなので、人がたくさん登ってきていました。


富士見峠を過ぎると、登りになります。しばらくすると大きな岩に出ます。見晴しがよくて休憩にぴったり。歩いてきた古賀志山主稜線が見えていました。


見晴しの良い岩を巻くようにして、中尾根に入っていきます。ヤマツツジの鮮やかなオレンジがとてもきれい。アカヤシオには遅くて、みられませんでした。


斑根石山(はんねいしやま・通称「559」)への分岐に出ました。今回はパスして中尾根を進みます。




559の付近は岩場鎖場がたくさんで面白いです。前回の記事でレポートしています。
樹林帯の道ですが、ところどころ岩場もあり、分岐もたくさんなので注意。「古賀志山を守ろう会」による詳しい道標がありがたいです。




かなり細かい分岐にも道標が。北コースの場合、草藪を入っていくように見える・・・こんな所がたくさんです。


大きな十字路のような場所に出ました。この後の中尾根は岩場鎖場が出てくるので、苦手ならここで右へ迂回もできます。






中尾根も終盤戦へ。眼下に赤川ダムが見えてきました。森林公園駐車場のあるところです。


せりだした大きな岩に出ました。軍艦岩です。岩の向こうは何もないので、写真撮影は注意です。




軍艦岩の後、長い岩場の下りを2・3本こなします。




最後の核心部、一番岩
本来の中尾根コースは、最後は山道から林道に出るはず。それが、気づいたら崖に出ていました。軍艦岩の後あたりでルートを外れてしまったようです。
下が見えないので躊躇しましたが、覗いたら横にフィックスロープが張ってあるのが見えました。下の写真で左側から、真下に足を出して降ります。ちょっと怖いです。


トラバースを終わると次はこれ。この部分はロープがなく慎重にいきます。最後にこんな核心部があるなんて・・・。


下り切って見上げると、とても大きな岩だとわかりました。「一番岩」と呼ばれる岩だと後で知りました。


一番岩は、登りのほうが絶対おすすめです・・・。
一番岩の後は、道がやや不明瞭です。方向を定めて下り、どうにか北コースの林道へ合流できました。下の写真で、正規ルートの中尾根は道標のあるところ。私が出てきたのは、その右側の草やぶです。


最後まで岩場のフルコースでした。同行者は大喜びで、こんな良い山は地元の人は隠したいんじゃないかな〜と言っていました笑。
森林公園駐車場まで車道を30分ほど歩きます。バス停まではさらに40分。14:48発の宇都宮駅行きを待つ間、セブンイレブンで栃木名物のレモン牛乳を買って飲みました。






レモン牛乳は斬新な味でした笑。
東京からはアクセスが少し大変だけど、岩場好きには最高に楽しめる古賀志山。今度はお助けロープを持って、違うルートもチャレンジしてみようと思います。
アクセスとデータ
アクセス | △ | 宇都宮駅西口から森林公園入口行きバス(関東自動車バス) 森林公園入口バス停から森林公園まで車道歩き50分 帰りの宇都宮駅へは午後4便 東武新鹿沼駅(鳥居跡町バス停)からもバス便があるが時間帯に難あり レンタカーかタクシー推奨 |
難易度 | × | 一般ルートではない岩場の通過あり 岩場に慣れていないと難しい |
トイレ | △ | 森林公園内に水洗トイレあり ルート中はなし |
装備 | ヘルメット 120cm+60cmスリング(使わず) 安全環つきカラビナ(使わず) | |
データ | 総距離:8km 行動時間:4h 累積標高:(上)500m(下)500m ※ログが飛んだため概算です | |
その他 | 「古賀志山を守ろう会」の地図参照 南登山口近くの「ニューサンピア栃木」では日帰り温泉に入れる |
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