こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、黒部源流の縦走です。
雲ノ平に行きたいけど、ルートはどうしよう?
登山を始めた頃から憧れていた雲ノ平、今回やっと行くことがかないました。
悩ましかったのがルート取り。選択肢は、①折立から往復または周回、②新穂高から往復、③折立・新穂高間の横断、です。
東京から折立へのアクセスはもともとあまり良くないですが、9月に入ると平日の路線バスがなくなってしまい、一層アクセスが難しくなります。
なので、行きも帰りも折立はなしと判断。新穂高から往復もちょっとつまらない。せっかくなので折立から新穂高へ縦走することにしました。
何泊しようか、も悩みました。
今回の縦走の目的は、まず雲ノ平山荘での滞在を最大限楽しむこと。それから黒部源流を渡ること。隠れた楽しみとして、山小屋グルメを楽しむこと。
そのために、3泊4日でゆったりめの行程としました。健脚なら2泊3日で十分なルートだと思います。
さらに超人なら1泊2日でも。実際そういう方達、いました!
北アルプスの中では比較的静かな山歩きができるエリア。ゆっくりと楽しんできました!
黒部源流横断のルート
計画は、折立を早朝出発、太郎平を経由して薬師岳へ。1泊目は薬師岳山荘に宿泊。
2日目は薬師岳山荘を早朝出発、昼には雲ノ平山荘に到着。
3日目は雲ノ平を早朝出発、天気が良ければ水晶岳・鷲羽岳に登頂した後、双六小屋へ。
4日目は双六小屋から新穂高温泉へ下山。
ほとんど計画どおりに歩けましたが、3日目は雨予報のため水晶岳・鷲羽岳を諦め、黒部川へ下りてショートカットしました。
1日の歩行は10km以内、行動時間5時間以内(1日目だけ7時間)と、かなりゆったりなプランにしたため、最後まで疲れを覚えず楽しく歩き切ることができました!
黒部源流横断レポート①〜折立から雲ノ平まで
あるぺん号で折立へ
遅めの夏休みをもぎとった、9月の平日。東京から折立へ行くには、毎日旅行のあるぺん号しか手段がありません。
あるぺん号は、キャンセル規定が厳し目なので、できれば避けたいのですが。
仕事を終えた後、出発場所の新宿・都庁バス停に向かいます。改札を出て15分は見ておくほうがいいかも。
集合場所は暑く、じっとり汗をかきながら竹橋から来るバスを待ちます。
この日は、折立行きのバスが30分くらい遅れ辛かったです。
なんと立山行きのバスは、故障でキャンセルになっていました。肩を落として去っていった方々、気の毒すぎる・・・。
トイレ休憩は2回ありました。停まったSAにはコンビニはなかったです。
結構うとうとでき、気が付いたら立山あるぺん村に到着するところでした。
ここでバスを乗り換え。30分くらい待ち時間がありますが、セブンがあるので色々調達できて便利です。
トイレはセブンの中にしかありません。
けっこう眠れたのは、ダブルシートにしたからかも。お高いので躊躇しましたが、その日に仕事があったし、もういい歳だし(笑)、えいっと。
大正解でした!
眠れなかった人、多かったみたいです。2人がけの席は狭め。
折立から太郎平
折立に着いたのは6:30くらい。準備運動してスタートです。
登山口には、トイレと自販機あり。
折立付近は熊の生息地。最近も子熊にザックを取られたり、登山道でかち合ったりといったニュースがありました。
ちょっと緊張してましたが、これだけ人がいれば大丈夫そう。
最初は樹林帯の道が続きます。
この日は金曜日ですが、登山者は多いです。けっこう飛ばしている人がいるので、道を譲りつつ。
太郎ラーメンが食べたいので、私は時間調整でゆっくり歩きです。
傾斜はきついですが、よく整備された歩きやすい道。すぐに有名なアラレちゃんが出てきました。
なんでアラレちゃんなんだろう?若い人はDrスランプって知ってるのかな?
お腹がすいてきたので、途中の丸太に座り、持ってきたドーナツを補給しました。
そうしたら、このすぐ先には三角点のベンチがありました!しまった、こっちのが快適そうだ。
道はいったん、岩がむきだしになりました。
ここを抜けたら、木道が始まって景色が開けてきました。
振り返ると、有峰湖が。草紅葉も少し始まってますね。
登り自体は結構きつく、ちょこちょこベンチがあるのが有難いです。
折立からの道で、私がもっともきついと思ったのが、この階段です!ずーっと上まで続いています。
丹沢の大倉尾根に似た、階段地獄です笑。
でも、景色がどんどん良くなってきて癒されます。右手には草紅葉がきれい。
左手には薬師岳が見えてきました!今日はあそこがゴール、遠いなあー。
遠くには剱岳もはっきり。
今回の山旅で、一番天気が良かったのがこの初日。青空が望めたのもこれで終わりでした。
階段を登り切ると、五光岩ベンチがあります。この先は木道が続きます。
なだらかになってきて、このあたりが太郎兵衛平なのかな。振り返ると、歩いてきた道がきれいです。
薬師岳がどんどん大きくなってきて、太郎平に到着!
ランチ営業が始まるのは11:00なので、時間調整をして歩いてきました。
念願の太郎ラーメンです!
行者ニンニク入り、1400円。しっかりニンニク風味がありおいしい!
いつもはスープは残してしまうのですが、今日は飲み干さないと。
Crazy climberの文字、有名ですね!でもなぜ?笑
ほとんどの人がラーメンを頼み、そして生ビールを飲んでる!皆さん、今日はここで終わりなのかな?
太郎平小屋のありがたいのは、外のホースから水がじゃんじゃん流れていて取水OKなこと。近くの山から引いているらしいです。
募金もちゃんと入れてきました!
トイレは、雲ノ平方面へ少し歩いた裏手に外トイレがありました。
薬師岳へ寄り道
今日の目的地である薬師岳へ出発。時刻は11:45。
この日のうちに雲ノ平へ行くことも考えたのですが、夜行で来て疲れているはずだし、無理しない行程にしました。
きれいな青空にテンションがあがります!
太郎平から、薬師峠キャンプ場へ向けてまず下っていきます。
右手には、黒部源流のオールスターの山々が。
キャンプ場が見えてきました。砂地で張りやすそうだ。
薬師峠キャンプ場には太郎平小屋の出張所があって、飲み物なんかを買えるので便利そうでした。
キャンプ場を過ぎると、上りが始まります。最初は樹林帯の道。
すぐに沢沿いの岩だらけの急登が始まります。30分くらいはこんな感じで、なかなか辛い。
でも振り返ると、太郎兵衛平と太郎山がきれい!
右手には、槍ヶ岳と北鎌尾根、鷲羽岳・水晶岳。雲ノ平も見えている。明日はいよいよ雲ノ平かー!
翌日から天気が崩れたので、槍ヶ岳を望めたのはこの時だけでした。
沢沿いの道を抜けると視界が開け、少し歩きやすくなりました。
カールが見えてきた。青空にカールの白が映えます!
薬師岳山荘まであと少し!のはずだけど、なかなか見えてきません。急登は続く・・・
もう少しです。
薬師岳山荘に到着!太郎平から1時間半でした。先にチェックインして荷物を下ろします。
山荘から薬師岳山頂までは1時間くらい。明日は早朝出立したいので、今日のうちに山頂を踏むことにしました。
ちなみに、山荘から見えているピークは山頂ではなく避難小屋がある小ピークです。そこまで行くと山頂が見えてきます。
道は最初は岩ごろごろで、次にざれざれに変わります。
この小ピークを過ぎると横引きの道に。山頂の祠が見えてきました。
山頂へのビクトリーロード!
14:40、山頂に到着です。
山頂からは北アルプスの山々がぐるり、のはずですが、午後になりガスが湧いてきてあまりよく見えず。
それでも北側に立山と剱岳を望めました。
午後の光を受けて、カールがきれいです。
山頂にいらした方と一緒に下山し、山荘で乾杯しました。CCレモンをおごって頂いてしまった汗
薬師岳山荘の宿泊レポートはこちら↓
薬師沢へ
翌日、いよいよ雲ノ平へ。天気予報があやしく、早めの行動を心がけました。
5:45、出発です。早朝だけどすでに下山の人や登ってくる人がたくさん。熊が怖かったのでほっとしました。
登山道って、下りのほうが圧倒的に迷いやすいです。沢に入り込みそうになるところにロープが張ってあったりして助かりました。
天気が心配なので急ぎ目に下り、太郎平小屋に7時前に到着。コーヒーを沸かして飲みました。
黒部源流のオールスターは、昨日とは違い見えません・・・。
でも雲ノ平へ行ける嬉しさで気にならないぞ!
雲ノ平へは、まず木道、その後は薬師沢へ向けてどんどん下っていきます。
振り返って、さようなら太郎平・・・次はいつ来られるかなー。
薬師沢へ向けて激下りな道が続きます。でも手入れが行き届いてとても歩きやすい。
いったん降り切ると渡渉ポイントがたくさん出てきます。でも橋がかけてあって問題なし。ありがたすぎる。
渡渉の後、木道が出てきました。今シーズン、ここで滑って骨折した人がいるとのこと。今日は乾いていて問題なしです。
ベンチもありました。でも薬師沢までノンストップで行きます。
渡渉を繰り返します。ここが第三渡渉点なのかな?
橋の途中から沢を撮影。薬師沢周辺は沢登りする人もたくさん。一番有名なのは赤木沢ですね。
また山道になります。1箇所だけ崩落気味のところは注意でした。
きれいな森です。有名な雲ノ平直登ルートって、目の前のあれを登っていくのかな・・・。
薬師沢が近づいてきたのか、ごうごう音がする。下をのぞくと透明なブルーの沢が見えた!
沢登りしたい気持ちがすごくわかるきれいさ!
突然、赤い屋根が見えて薬師沢小屋に到着です。時刻は8:30、予定よりだいぶ早く着けたので、ベンチに座ってゆっくりエネルギー補給しました。
薬師沢小屋の玄関前には、水がじゃんじゃん流れていて無料で取水OK。雲ノ平は基本水不足なので、補給していきましょう!
薬師沢から雲ノ平へ
小屋前では年配グループが休憩していて、出発しそうな雰囲気。ぶっちぎることにしました。
こういう時のためのトレーニングです!笑
まず、小屋前の吊り橋を渡ります。バランス取りつつ慎重に。
吊り橋が終わったら梯子。河原へ降りていきます。前の人、テン泊かーすごい!
雲ノ平への山レポでよく見るこの写真。絵になります!
ここから、雲ノ平への洗礼とも言える急登が始まります。
まず梯子、これは楽勝。
岩だらけの傾斜のきつい道が始まりました。ああーこれなのか!
急登なのは問題ないのですが、苔がすべるので、慎重に足場を探して登ります。
そんな感じの登りがCTで2時間20分続きます。確かにこれは辛い・・・
下山してくる人もいるので、すれ違いも多発。ここはスピードは全く出せないエリアです。上に雲ノ平が待っているから我慢できる苦労だと思いました。
修行のごとく、ひたすら登り続けること1時間、木道が出てきました!!
なんという木道のありがたさ・・・涙
でも、すぐにセカンドラウンド開始(笑)。
辛いけど、緑がきれいで癒やされます。
道がなだらかになり、終わりを感じさせるころ、アラスカ庭園に出ました!着いたーーー。時刻は10:30。
薬師沢小屋からアラスカ庭園まで100分で登ってきました。CTは2時間20分だから、がんばったほうかな。
1日で折立から雲ノ平へ行くのって、CTだけだと全然行けそうだと思っていました。でもこの直登が最後に来るのはきつすぎる。やめておいてよかったです。
雲ノ平まではあと一息、と思いきや結構距離がありました。
今までの辛い道がうそみたい。景色を楽しみながらどんどん木道を歩いて行きます。
奥日本庭園を通過。
アルプス庭園・祖母岳への分岐に出ました。まだ11時前、時間も早いので寄っていきます。
少し登って振り返ると、雲ノ平山荘が見えた!
祖母岳の山頂には標識などはなく、ベンチがあるだけ。
でも少し小高い所から見下ろす雲ノ平と周辺の山々は、美しいのひとことに尽きます。
この日、雲ノ平山荘のオーナーはじめ数人の方が、登山道を修復してくださってました。
分岐に戻って、雲ノ平山荘方面へ。見えてきたーー!
11:30、憧れの雲ノ平山荘に到着!午後からの時間をゆっくり山荘で過ごそうと思います。
黒部源流ソロ縦走3泊4日②【雲ノ平→双六岳→新穂高温泉】へ続く
雲ノ平山荘の宿泊記はこちら
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