黒部源流横断レポート②〜雲ノ平→新穂高温泉
雲ノ平から黒部源流へ
3日目。雲ノ平山荘を5:30に出発しました。
計画では、稜線に出て鷲羽岳、できれば水晶岳も登ろうと思っていましたが、予報は午後から雨。
稜線で雨はできれば避けたいので、プランBの、黒部川源流を渡るルートを取ることにしました。

結局、ガスガスながら雨はふらず。行ってもよかったかなーと後で少し後悔しました。
行く手の黒部源流の山々を見ても、どんよりと雲がかかっています。

キャンプ場方面へ向かって木道を歩いていきます。山荘を何度も振り返ってしまう。


名残惜しいです。いつまた来れるか分からないくらい遠かった・・・。
キャンプ場への分岐に出ました。キャンプ場から直接、祖父岳へ抜けていくヤマレコの足跡があって、ショートカットしようか迷いました。

でも遠目には、道が出来ている感じがなく。キャンプ場から登ってきた人に抜けられるか聞いてみたら、いったことはないし道もない、という答えでした。
なので安全側をとって登山道をたどることにしました。
祖父岳分岐に向けて、ゆるやかに登っていきます。振り返ると、美しい雲ノ平。さようならーー。

次の目的地は、黒部川源流。山腹の道を歩いていきます。


祖父岳の緑がきれい。

登山道はよく整備されていて歩きやすいけど、時々悪路ぽっくなったり、岩に乗り上げたりしました。


祖父岳分岐。前の男性(キャンプ場を抜けられるか聞いた人)は、祖父岳へ向かっていきました。稜線に出るんですね。

私は黒部川源流へ向かいます。だんだん、だだっ広い感じになって、これ以上霧が濃いと迷いそう。
日本庭園や第一雪田と呼ばれるエリアだと思います。


ここからは、黒部川源流へ向けて激下りです。


下ってきた道を見上げると、こんな感じ。


この激坂ゾーンは30分程度ですが、登りはかなりきつそうです。
黒部川の音がごうごう聞こえてきました。向こう岸に続く登山道も見える。

降りきると、黒部川の渡渉ポイントに出ました。水量があって流れも早くて、もしロープがなかったらちょっと私は渡れないかも。


ロープのおかげで無事渡りきり、岩岳乗越からの合流点に出ました。

小さな渡渉を繰り返します。

このあたりに、黒部川源流の碑があるはずなのですが、見落としてしまいショック。
でも湧き水は見つけて、ナルゲンにたくさん汲みました。



すごくおいしい水です!
三俣蓮華岳・双六岳へ
三俣山荘へ向け登っていきます。

30分くらい登ったら、三俣山荘のテント場に出ました。


山荘に近いし、砂地で張りやすそうです。
三俣山荘で有名なサイフォンコーヒーを飲みたかったのですが、まだ7:30。さすがに無理かと思い、山荘には寄りませんでした。
テント場からは、鷲羽岳をバックに山荘がかわいらしい。


いつか泊まってみたいですが、ジビエは苦手。
テント場のすみに座り、「黒部源流スペシャル」を作りました。

一息いれたら、三俣蓮華岳へ向けて登りを開始します。三俣蓮華岳への最後の登りは、なかなか骨が折れました。



双六岳へ登らず巻道を利用する場合、三俣蓮華岳は登らないので注意です。
ぜいぜいしながら、8:40、三俣蓮華岳に到着しました。何も見えない。

山頂を双六岳方面へ少し行くと、富山・長野・岐阜の県境です。

双六岳の稜線コースへ。横引きで気持ちの良い道が続き、楽しくなります。

おっと!雷鳥さん登場!

お母さんと若い男の子。すぐハイマツへ入ってしまいました。


中道への分岐を過ぎて。少しだけアップダウンはありながらも、横引きの気持ちよい道が続きます。


双六岳への最後の登りは、岩がごろごろの道です。

9:40、双六岳に到着です。


山頂は広く、休憩できます。天気が良ければ槍ヶ岳が見えるはず。
双六小屋へ
何も見えないので、すぐに双六小屋へ下山開始しました。
最近SNSでよく見る、天空の滑走路が先のほうに見えます。


双六岳の山頂直下は、こんな台地のような地形。先に槍ヶ岳が見えたら、完璧な滑走路でした。残念。

恐竜の着ぐるみで走って、撮影会している人たちもいました。絵になりますもんね。
振り返って、双六岳。

滑走路の後は、岩岩した道。登ってくるのは大変そうです。


中道や巻道コースの分岐に出ます。

分岐付近から双六小屋までは、濃いハイマツ帯が続いています。
そうしたら、いました雷鳥さん!
今度は若いオスが1羽だけ。独り立ちをしたところなのかも。

人慣れしているのか、少し離れたところに座って観察しても気にせず、わしわし歩いたり食べたり。かわいいです。




30分以上、観察してました笑
最後のお宿、双六小屋が見えてきた。時間はまだ11:00、天気も持っているからやっぱり水晶・鷲羽に登ればよかったなー、と考えつつ、ハイマツを降りていきました。

新穂高温泉へ下山
最終日は新穂高温泉へ下山するだけです。なので、朝ご飯は適当に残っているお菓子を食べました。
CTでは5時間で余裕なのですが、ヘッデンスタートして夜明けを楽しみながら下山することにしました。

下山の小池新道は、テント場の向こうへ伸びています(下は昼間撮影したもの)。

まだ真っ暗でぶれまくってしまう。なんとか槍ヶ岳と西鎌尾根、滝雲を撮影できました。

細かくアップダウンを繰り返しながら進みます。道は歩きやすいです。

槍、大キレット、穂高連峰がずらっと見えて壮観。ジャンダルム様もとらえた!

人もいないし、どんどん歩いていける。

1時間もかからず、弓折乗越に到着。分岐がわかりにくく、笠ヶ岳方面へ入りかけてしまいました。
正しくは、槍ヶ岳へ向かって南へ。激下りになっているので見えなかった・・・。


鏡平山荘まで激下り。あれが食べたいな・・・と願っていたら、なんと、朝6時半からカフェが営業してる!
念願のかき氷です(宇治金時800円)!鏡平山荘、素敵すぎます。

山荘から木道を進んだところに、鏡池があります。ここでは槍ヶ岳のリフレクションを撮影したい。
でもちょうど朝日とかぶってしまい。夕方か早朝がベストですね。

どんどん先へ。小池新道の整備ぶりは素晴らしく、とても歩きやすい。


シシウドヶ原。

イタドリヶ原。だいたい半分くらい下りてきたかも。

このあたりから沢が出てきて、橋を渡っていったりします。

絶妙に岩が配置してあったりして、こんな楽な下山はめずらしい。

チボ岩。


あっというまに、小池新道登山口に着きました。ここまで3時間。
でも、ここからの林道が長くて辛かった笑。

わさび平小屋。よく見るきゅうりやトマトがぷかぷかの図。



そうめんを食べようと思っていたけど、順調すぎて早いバスに乗れそうで、パスしました。
林道つらい・・・。お助け風穴からは冷たい風が来ました。

9:00、終わり!

新穂高温泉まではもう少し下ります。
登山指導センターの隣にある中崎山荘でお風呂に入って、帰路につきました。
本当に楽な下山でした!

登っている人達は苦しそうだったけど・・・。
黒部源流の旅、天気が少し残念だったけど、雨に降られてないし、最初から最後まで元気に毎日歩けて、念願の雲ノ平も行けて、大成功でした!
アクセスとデータ
アクセス | ◯ | 折立登山口:9月は平日の路線バスが終了 あるぺん号で新宿→折立 新穂高温泉:平湯まで路線バス(910円) 平湯から新宿行きの高速バスもあり(約5000円) 平湯→松本までバス、あずさ号利用 |
難易度 | ◯ | 危険箇所なし |
トイレ | ◯ | 折立、太郎平、薬師岳小屋、薬師沢小屋、雲ノ平山荘 三俣山荘、双六小屋、新穂高温泉でそれぞれ利用可能 |
装備 | ストック(使わず) ガス | |
データ | 【4日間】 総距離:46.8km 行動時間:21h30m 累積標高:(上)3381m(下)3754m | |
立寄り湯 | 中崎山荘(900円) |
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