こんにちは、くっかばらです。このブログでは、実際に宿泊した山小屋やテント場などをレポートしています。今回は、雲ノ平山荘です。
雲ノ平山荘に泊まってみたい!計画はどうしよう?
最後の秘境と言われる雲ノ平、黒部源流の山々に囲まれた溶岩台地にぽつんと建つ雲ノ平山荘。その美しい外観を写真で見て以来、ずっと憧れていました。
人気ゆえに予約は大変です。週末や連休に行くなら、予約開始日に予約を入れるくらいの気合いが必要となります。
雲ノ平はどの登山口からも遠く、CT上では折立から1日で辿り着けそうですが、疲労度がすごそう。
せっかく憧れの山荘で過ごすのだから滞在自体を楽しみたく、無理しない行程で2日かけて向かうことにしました。
山荘の中も外観に負けないおしゃれさで、カフェメニューも充実。統一感あるインテリアや本棚の書庫、センスの良い音楽、アーティストの作品展示など、まるで文化施設にいるかのようでした。
長年の願いがかないました!
雲ノ平山荘のアクセス
一般的なのは富山県側の折立から入るルートだと思います。折立から雲ノ平まではCTで9時間強、上り累積標高1700m。健脚なら早朝出発で夕方には辿り着けます。
岐阜県側の新穂高温泉からはCT12時間、上り累積標高2300m。途中1泊はしたいところです。
雲ノ平山荘で一緒になった女性は、なんと七倉から伊藤新道経由で1日で来たとか。すごい人もいるものだ!
超人ルートです笑
私は折立から入ったのですが、1日で行くかどうか迷いました。
夜行バス利用なので普段より力が出ないことが予想できたし、せっかく憧れの山荘に行くのに、夕食直前によれよれでたどり着くのも悲しい。
ということで、折立からまず薬師岳に寄り、薬師岳山荘で1泊。翌朝、雲ノ平へ向かうゆったりめの行程としました。
良かったと後で強く思いました。雲ノ平への最後の登りは辛かった!
雲ノ平山荘の予約・受付
予約はオンラインでできます。予約開始日が4月あたりに設定されていて、混み合う日はすぐに埋まってしまいます。
個人予約の場合、4日前からキャンセル料(3000円)が発生します。キャンセル方法も、4日前からは電話のみとなります。
予約はワンクリックで簡単だけど、行くのは簡単じゃない笑
やっと着いた!玄関の引き戸をあけると、木材が印象的な空間が広がっていました。
1Fの天井の梁は有名。なんでも高瀬ダムから拾い上げたという、巨大なコメツガとヒメコマツの流木(写真撮り忘れました泣!!)
受付横には心地よさそうなラウンジ。靴を脱いで上がり、座って宿帳を記入します。
早朝出立の人たちが、ラウンジでガスを使っていました。どうやらOKみたいで珍しいですね。
受付ではTシャツやアーティストさん達のグッズ、お菓子や飲み物が買えます。
1泊2食、15000円。現金払いです。
館内での飲食やグッズには、クレジットカードが使えます。
受付で色々説明を受けて、早速チェックイン。12:00前に着いたので混雑もなくスムーズでした。
雲ノ平山荘の部屋
部屋は2Fで、階段を上がると10人くらいずつ区画された部屋が数個、真ん中に大きめの広間があります。
私が割り当てられた寝床は2Fの奥右手。女子部屋でした。
ザックは部屋に入れてOKだし、頭上の棚に小物をおけるので、荷物の取り出しにストレスがありません。
隣との仕切りがあるのは嬉しいです。寝返りなんかして触れるとびよんびよんしますが、倒れてはきません。
おふとん+毛布、清潔でした。インナーシーツは必須ではありません。
私はインナーシーツ派。なんか気分が違います。
同じ部屋の女子さんたちと、山話で盛り上がれるのも大部屋の良いところ。皆さん、つわものでした。
雲ノ平山荘の食事
夕食
夕食は2回制で、私は17時からでした。チェックイン時にもらった夕食券を渡します。席はあの辺、とざっくり指定されます。
雲ノ平山荘といえば、夕食の粕汁ですね。昔から変わらぬメニューだそう。
この日は、粕汁とごはん、漬物(生姜の煮付け)はセルフサービスでおかわり自由でした。
水不足などの状況によっては、おかわりができないときもあるようです。
粕汁、おいしいーー!鮭とじゃがいも、にんじん、ごぼうのシンプルなお椀ですが、優しい味で染みます。
丸いプレートにのっているおかずも良いアクセント。特に、かぼちゃのクミン風味?が気に入りました。
粕汁を1杯おかわりして、幸せにお腹いっぱいになりました。
朝食
朝食は5時から。システムは夕食同様です。
キムチ風のお漬物、おいしい!卵の下にあるのは、お麩でした。すべて私好みのおかず達。
肉肉しいおかずが苦手です笑。
ランチ・カフェ
雲ノ平山荘のランチ・カフェメニュー、とってもおしゃれです。ここは東京ですか?という感じ。
時間は12時前、まだ何でも選べる!迷いましたが、ジャワカレー(1500円)にしました。自家製シークワーサージュース(600円)も一緒に。
牛肉がほろほろに煮込まれていておいしい!ジュースは炭酸入り・なしが選べます。
ほとんどの人は、台湾風チキンライスを食べてました。
デザートには自家製アイスクリーム(500円)。きいちごとミルクを選びました。もうひとつはラムレーズン。とってもおいしかったので、ダブルにすればよかった!
ランチ・カフェにはクレジットカードが使えます。つい使いすぎてしまう笑
雲ノ平山荘の施設・サービス
水回り
トイレ・洗面とも清潔でストレスはなかったです。
ただ、トイレは男女兼用なので、ドアを開けると男性がばーーんっと立っていたりして、一瞬固まってしまいます笑。
個室は5個くらいあって、1個だけ女性専用になっていました。
トイレは和式、簡易水洗、ペーパーは箱です。水は再利用水ということで茶色い水。足でペダルを押して流します。
洗面は蛇口が2個。鏡があって、早朝は女性のメイクで混んでた!笑
手洗いせっけんは置いてなかったです。歯磨きは特に禁止されていません。
雲ノ平山荘では現在水不足のため、蛇口をかなり絞ってあります。
乾燥室・更衣室
乾燥室は、受付横の階段を下った地下にありました。更衣室は乾燥室の奥です。
雨が降っていない日は乾燥室は温めないということですが、ハンガーを借りて(2本まで)干すことはできます。
私は汗で濡れたウェアは、部屋のフックにかけてました。
水・お湯
洗面所の水は飲用ではなく、有料で天水を販売しています(200円)。土間の靴箱のうえにタンクがあって、セルフサービスで補給します。
お湯は私はガスを持っているのでチェックし忘れたけど、頼めば販売してくれるのかも。
雲ノ平山荘での電波状況・充電
山荘は圏外でした。でも少し歩いてスイス庭園まで行ったら4Gが強く入りました(ドコモ)。
充電は有料でできます(100円)。
雲ノ平山荘での過ごし方
雲ノ平山荘でゆっくり過ごしたく、昼過ぎには山荘に着く行程を組みました。
実際は11:00に山荘着で、まず、ランチ(写真は上を見てくださいね)して少し昼寝。
起きたら周辺の散策に出かけました。
雲ノ平の道は木道になっていて、植生に入らないようにします。
すれ違い時は、岩に一瞬乗って待ちました。
西側には祖母岳(ばあだけ、と読みます)とアルプス庭園があります。山荘から片道20分程度です。
祖母岳の山頂は標識もなにもなく、ベンチがあるだけ。
でもこのあたりからは、水晶岳をバックに山荘のベストショットが撮影できると言われます。
この日はガスが濃く水晶岳は見れませんでした。
命名の理由がわかりませんが確かにきれいな場所。黒部五郎岳と祖父岳をバックに、アルプス庭園です。
山荘の東側、片道30分くらいのところににはスイス庭園があります。
向かう途中、キャンプ場への分岐。
山荘とキャンプ場は遠いです(30分くらい)。受付は山荘で。ここまでテン泊装備を背負って来れる人、すごいなあ〜。このときは水不足もあって一層大変そうでした。
スイス庭園へは左へ。右へ行くと祖父岳ですが散策程度では済まない感じです。
スイス庭園からは水晶岳が拝めるはず、なのですがこの日はガスガスで残念。
でも周囲は美しく、ベンチがあるのでぼんやり過ごすのにもってこいです。
スイス庭園では電波が入ります(私のはドコモ)。
時間は16:00過ぎ、夕ご飯に合わせて山荘に戻りました。まだ早かったので、外に座って、ホシガラスなんかを眺めて過ごしました。
全てが心地よいつくりで感動します。
夕ご飯後、日の入り時刻に山荘を撮影してみました。明かりがあったかくて、秘境の基地みたい。
夜はラウンジで読書を。書籍のラインナップもセンスが良くて、建築などの本もありました。漫画はないです笑。
やまとけいこさんの「黒部源流山小屋暮らし」を読みふけりました。
おしゃれなお酒も色々売っていたので、飲める人はバーのように過ごせますね。
山荘内では終始、素敵な音楽が流れていて、それも心地よさの重要なファクター。
この夜は、オーナーの伊藤さんと(多分)登山道修復プロジェクトのメンバーがラウンジで団らんしていました。色々大変そうだ・・・とつい聞き耳(笑)。
オーナーのトークがあると聞いていましたが、お忙しいためか、この夜は開催されませんでした。
山荘まわりに、うさぎもいました。山荘のてぬぐいがうさぎなのはそのため?
雲ノ平山荘の特徴〜秘境に溶けこむ美しい外観、内部はおしゃれ、山の中の文化施設といった佇まいで、滞在自体を楽しめる
登山と始めた頃から、ずーーーっと来たかった雲ノ平、ずーーっと泊まりたかった雲ノ平山荘。願いがひとつかないました。
最後の秘境というちょっとおおげさな呼ばれ方が違和感なく、本当に秘境でした。遠かった!
雲ノ平山荘に宿泊するために組んだといってもよい今回の山旅、特急で歩く旅にしなくて大正解でした。
山荘では、心穏やかに美しいものに囲まれて、ぜいたくな時間を十二分に楽しみました。まるでセンスのよい美術館なんかにいるみたいでした。
秘境の文化施設、といった趣きの雲ノ平山荘。次はいつ行けるのか自信がないくらい遠いですが、本当に行けてよかったです。
ついお金を使い過ぎ注意(笑)。「雲」Tシャツ(5500円)も買ってしまいました!
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