こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、尾瀬の至仏山です。
GWの至仏山、残雪の様子は?装備は?
尾瀬の至仏山は標高2,228.1m、尾瀬ヶ原から眺める姿はとても優美です。比較的登りやすい百名山だと思います。
滑りやすい山の鼻から山頂は登りのみの一方通行となっていて、周回するなら反時計回りしかできません。
また、GW後から6月末までは植生保護のため登山が規制されます。今年の規制情報はこちら
今回、GW中に登山してきました。この時期は一方通行が解除されて山頂から山の鼻へ下山もできます。
残雪がしっかりあるため、足元はアイゼンが安全です。ほとんどの人は軽アイゼンに見えました。慣れている人ならつぼ足でも行けるかも。
私は12本爪だったので楽に歩けました。
ピッケルは、まず不要かと思います。私は一応持っていきましたが、全く使いませんでした。
滑落した場合に備え、ヘルメットを被っている人がちらほらいました。
この時期の楽しみは、なんといってもヒップソリです!
トレースを破壊するためヒップソリは控えるべきとされていて、私も普段使ったことはありません。
しかし、至仏山では広い雪斜面を下山していけるため、ヒップソリ天国と化しているのです笑。
私が行ったときも、山頂から山の鼻へ向かう斜面では、登山者はほとんどがヒップソリに興じていました。
私も年甲斐もなく存分に楽しんできました!
至仏山の登山ルート
至仏山へは、鳩待峠から入るのが一般的です。反時計周りにすれば周回できます。
4月中旬からGWくらいまでの規制解除中は、時計回りの周回も可能。
ただ今回、ほとんどの登山者は、鳩待峠と山頂の往復をしているように見えました。
おそらく、山頂往復のほうが登り下りが少なくてすむし、ずっと雪なのでアイゼンをつけたまま歩けることが理由かなと思います。
山頂から山の鼻へは、雪と土混じり、雪解け水で歩きにくかったです。
至仏山の登山レポート
鳩待峠からオヤマ沢田代へ
路線バスを戸倉で降り、第一駐車場へと橋を渡ります。
ここから、乗合バス・タクシーが出ます。乗合タクシーは定員が揃ったらすぐに出発というシステマチックさ。
乗合タクシーは狭く座席を指定されます。運転手さんはとても親切でした。
山道を走ること30分、鳩待峠に到着しました。2年ぶりの訪問です。
鳩待峠のトイレはとてもきれい。食事処やお土産屋さんもあります。
時刻は10:15、至仏山登山口からスタート。
樹林帯の中をあがっていきます。足元はシャーベット状の雪。傾斜はゆるいのでつぼ足で行けます。
ところどころ樹木が露出している所があって、わしわし入らざるをえません。
歩き始めて1時間弱、少し急な斜面に出ると、皆さんアイゼンを着けています。
私もここでランチ休憩を取り、アイゼンを装着しました。
1867mのピークへ向けて、急斜面を登っていきます。
ここは夏道ではピークの南側を巻くのですが、雪道では北側を巻くようにトレースが伸びています。
夏道を外れたというGPSの警告音やBCスキー跡でやや混乱し、ピークを登ってしまいました。体力の消耗を後悔しながら、冬道に合流します。
残雪期至仏山はBCスキー跡がたくさん。惑わされず確実にルートファインディングする必要があります。
右手に、目指す至仏山が見えてきた!
振り返ると、燧ヶ岳と尾瀬ヶ原も見えて、テンションが一気にアップします。
このあたりから、悪沢岳へ向かってしまわないよう、東寄りにルートを取って歩きます。
赤いテープをつけてくれているので助かります。
オヤマ沢田代に出ました。だだっ広い雪原なので悪天候時には迷いそう。ポールが有り難いです。
時刻は12:15。途中のランチ休憩をさっぴいても、ペース遅めです。足が重く、気温は高く、調子が上がらなかったです。
夏道なら、登山口からここまでCTは1時間20分です。
小至仏山をトラバース、山頂へ
ここから山頂へは至仏山登山のハイライト。小至仏山の優美な姿を見ながら、長いトラバースを歩いていきます。
右側の斜面へ滑らないよう慎重に。滑ったら停めるのは難しいと思います。うまく藪にひっかかればいいですが、岩にあたったら危ない。
そのためか、ヘルメットをかぶっている人が割といました。
斜度はこんな感じ。アイゼンで普通に歩けばまず大丈夫だと思いますが、備えは大切ですね。
左手の小至仏山へ行きたい場合、斜面を直登します。
ひとりふたり上がっているのが見えましたが、時間もおしているので私はパス。前方の至仏山へ向けどんどん行きます。
美しい稜線にテンションアップ!
山頂は手前のピークのさらに奥です。
トラバースはおおむね良い状態ですが、融雪が進んでいて、岩が露出していたり藪が出ていたりする所があります。
岩が露出している所は、踏み抜き注意です。
トラバースでも緩やかに登っているので、体力は削られます。雪も重くて足がつらい。
振り返ると、歩いてきたトラバースがきれい。
最後の急斜面を登ります。
山頂部分には雪がなかったので、ここでアイゼンを外しました。
岩を乗り上げると、座って休憩できるスペースがあります。でも山頂はここではなく、向こうに見えているピークです。
岩だらけの道を山頂へ向かいます。蛇紋岩(青くぴかぴかになっている岩)に足を乗せると、簡単に滑って怖いです。
13:15、至仏山に到着!登山口から3時間、CTを大幅に超えてしまいました。疲れた〜!
山頂からの眺めは最高のひとこと。南に上州武尊山、遠く南西に谷川連邦、北に平ケ岳、東の燧ヶ岳と尾瀬ヶ原。
予想より数倍疲れました。かなり暑い日だったのもあるかも。
山の鼻へ向かって下山
この登山の隠れたハイライトは、下山のヒップソリです!
BCスキーもできる広い雪原なので、皆さん堂々とヒップソリをしてる笑。私も持ってきました!
ダイソーの100円のやつです。乗り方が悪かったのか、最後は砕けてしまいました笑。
山頂から、夏道を使って下りていきます。雪と岩土混じりなのでアイゼンなしで行きます。
雪解け水が小川のように流れている所もあって、通過に苦労しているグループも。
このあたりから夏道をそれて、雪原を下りていきます。
そのまま夏道で行く人もいましたが水が流れて歩きにくそう。
雪はやわらかいので、かかとから着地してガニ股で歩けば、アイゼン不要でした。
いよいよヒップソリの時間です!
斜度があるので止まるのか不安でしたが、雪が重いため足を立てればちゃんと止まりました。
最初はおっかなびっくり、段々と慣れてきて、下山はほとんどヒップソリで行けました。
最後、樹林帯は普通に歩いて山の鼻に到着。時刻は15:00、そんなに時間は節約できませんでしたが、童心に帰って楽しめました。
ヒップソリ、ちょっと馬鹿にしていましたが笑、楽しいものですね!
余録〜尾瀬ヶ原ハイキング
至仏山登山の後、この日の宿である見晴地区へ行くため、尾瀬ヶ原を突っ切りました。
山の鼻に泊まってもよかったんですが、見晴地区のほうがなぜか好きです。
前回の訪問は水芭蕉シーズンの6月でした。今回のほうが水が豊富。雪解けですね。
宿に16:30には到着したく急いで歩いていきます。全然混んでないのが嬉しい!
シーズン中は人がたくさんで飛ばせません。なお、尾瀬の木道は右側通行です。
振り返って、今日登った至仏山。望遠で撮影すると、ヒップソリの後が無数にありました。
池塘には残雪が残り、なかにはドラゴンアイ風なものも。
竜宮小屋を過ぎ、下ノ大堀川へ寄りました。ここは「ザ・尾瀬」と言える景観が楽しめる場所。
うーん、やっぱりまだまだですね。前回はとても素敵でした。
前回、沼山峠から尾瀬沼、尾瀬ヶ原の撮影旅行をしたときのレポートです↓
今夜の宿がある見晴に到着!ここはもう福島県です。まだ山小屋も全部営業していなくて閑散としていました。
私は燧小屋にとまりました。檜枝岐小屋も営業してました。
翌朝は、まず三条ノ滝方面へ向かってみました。残雪が割と残っていて、水芭蕉もちらほら。
元湯温泉は営業していません。側の公衆トイレも閉鎖されていました。
ここで向こうから来たハイカーの方に聞いたら、御池から問題なく歩けると。抜けようかと思いましたが、御池からのバスは本数が少なく、東武も満席だったのでやめました。
この先は雪深かったので、ここから尾瀬ヶ原へ引き返しました。
東電小屋方面へ曲がります。水芭蕉がきれいに咲いていて嬉しくなりました。
間もなく東電小屋に到着。まだ閉鎖中です。
前回もそうでしたが、燕の巣がたくさん!ぴょこっと顔を出すのが愛らしいです。
東電小屋から回るルートで注意なのは、ヨッピ橋の木が外されていること。
利用は自己責任。下の流れは深くて早く、緊張が走ります。
ヨッピ橋はワイヤーがあるので、まだましだと後でわかりました・・・
ヨッピ橋を渡ったところにある池塘には、燧ヶ岳のきれいなリフレクション。ここは逆さ燧にも負けていないと思います。
尾瀬ヶ原より歩く人は少なく、なんとも美しい風景です。夏にはニッコウキスゲの群落がみられる所です。
次の橋でも木が外された状態でした。ここはワイヤーもなくかなり怖いです。
バランスを取りながら渡りました。
向こうから来たカップル、男性が怖がってハイハイしても渡れず途方に暮れていました。どうなったんだろう・・・。
牛首というポイントでメインの木道と合流。この日は家族連れなど軽装のハイカーさんがたくさん。
ここからは、リフレクションを楽しみながら歩きました。
まず、逆さ燧。
逆さ燧は、木道に案内が打ち付けてあるので探してみて下さい。
至仏山も。
尾瀬ヶ原の旅も終わり、山の鼻から鳩待峠へ向けて登っていきます。とても整備された道ですが、残雪や雪解け水で滑りやすいので注意です。
鳩待峠から軽装で下ってくる方たちがたくさんいました。なかにはおしゃれ靴の人も・・・。尾瀬散策だけなら登山装備は不要ですが、できれば足元はしっかりした靴がいいです。
鳩待峠まで登ること1時間。最後はもちろん、花豆ソフトクリームです!(650円)
2年前は500円でした。乗合バスなども値上がりしていて、インフレの波がここにも。
残雪の至仏山は、思っていたよりもハードで登りごたえ十分。ヒップソリは楽しすぎました笑。
尾瀬ヶ原はハイシーズン前の静寂さで、一層の神々しさでした。
アクセスとデータ
アクセス | ◯ | 尾瀬の群馬県側の玄関口、鳩待峠までは東京から4時間ほど JR上毛高原駅または沼田駅から路線バス利用で尾瀬戸倉まで 尾瀬戸倉からは乗合バス・タクシー 乗合タクシーは8人ほど集まればいつでも出発 バスタ新宿から尾瀬戸倉まで高速バスも運行(最安) 【私の往路】 東京駅6:08発、高崎駅6:57着 上越線乗換、沼田着8:01 沼田から尾瀬戸倉まで路線バス(2400円) 尾瀬戸倉から鳩待峠まで乗合(1300円) |
難易度 | ◯ | 残雪期でも難しい箇所はほとんどない トラバースで斜面へ滑落しないように注意 |
トイレ | ◯ | 鳩待峠、山の鼻に公衆トイレあり(ペーパーあり・きれい) |
装備 | 12本爪アイゼン、ダブルストック ピッケル、ハードシェル(使わず) | |
データ | 総距離:13.6km 行動時間:5h30m 累積標高:(上)620m(下)810m ※尾瀬ヶ原を含む距離と時間 | |
参考 | 立ち寄り湯:ぷらり館戸倉の湯 戸倉行きの路線バス:途中の鎌田でトイレ休憩あり |
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