こんにちは、くっかばらです。4月上旬、屋久島へひとり旅をしてきました。3泊4日、ひとりでゆったり島をめぐる旅です。
屋久島、人生で一度は行きたいな。どんなプランで行こう?
と言う方に少しでも参考になれば。
屋久島は言わずと知れた日本を代表する観光地。世界自然遺産の森を有し、亜熱帯に属しながらも独特な植生を見せてくれる島ですね。
登山好きにとっては、最南端の日本百名山である九州最高峰、宮之浦岳をはじめ、キャラクターの立った他の山たちに登頂するのも楽しみな島。
もっと若い時に行っていたら移住したくなっていたかも。それくらいの鮮やかな感動でした。
(私の)屋久島3泊4日プラン
1日目:東京から移動、午後は白谷雲水峡トレッキング
2日目:縄文杉トレッキング
3日目:宮之浦岳登山
4日目:夕方の帰京まで、登山または観光。
と言うプランを立てました。最終日は、モッチョム岳か愛子岳を登るか最後まで迷っていたのですが、さすがに疲れたので、無理せずのんびり観光して帰りました。
ちなみに、日帰りの縄文杉トレッキングと宮之浦岳登山を連続ですることを、「デスロード」と言うらしい?(笑)。あまり推奨されない行程です。
行く前には、田口ランディ著「ひかりのあめふるしま屋久島」を読みました。ガイドブックではないけれど、屋久島のことを知るにはとても良い本だと思います。口調に好き嫌いはあるかもしれません。中古しかないのが残念。
屋久島のベストシーズン?
いつ屋久島を訪れるべきか、悩みますね。「月のうち35日は雨」と言うなんとも文学的なフレーズがよく使われるように、雨の多い土地柄。特に梅雨時は降水量がとても多いので避けるべきでしょう。
ただ、いつ行っても雨を避けるのは難しそう。実際私が訪れた2日前には1日に150mm雨が降ったそうです。一方、私の滞在中は4日ともぴかぴかの晴れ。運がよかったです。
とはいえ、苔の森は雨がよく似合います。
屋久島で本当に感動したのが、木々の緑の色。モスグリーン、ミントグリーン、さまざまな緑の色が目に沁みます。なので新緑が楽しめる3月末から6月の梅雨入りまでが、私的にはベストシーズン。特に、白谷雲水峡の太鼓岩から山桜と新緑ビューが楽しめる3月末〜4月初めは、島の方にも人気の季節。今回の旅はまさにこれを狙っています!
目的によっても変わります。沢登りをしたい人は真夏でしょうし、登山でヤクシマシャクナゲが見たいなら見頃は5月中旬から6月。縄文杉だと明確なベストシーズンはないものの、やはり春から初夏が気持ち良いと思います。
屋久島へのアクセス
自分の車で行きたいとか、あえてフェリーで行きたいなどのこだわりがあれば別ですが、普通は飛行機で羽田→鹿児島→屋久島と乗り継いで行くことになります。伊丹からだと直行便があるのは羨ましい。
鹿児島から屋久島は日本エアコミューター(JAC)が運行していて、これはプロペラ機です。ですので座席は少なく、機内持ち込み手荷物のサイズも通常より小さくなります。
私のザックは40L。当然無理でした。
私は適当にD席を指定していたのですが、離陸直後に開聞岳が見えて感動。アプローチ時には屋久島の姿がばっちり見えました。「洋上アルプス」と呼ばれるとおり、海からむくっと恐竜の背びれのような山々が盛り上がっていて、壮観でした。
しかし!もし桜島を見たいならばA席です。D席からは桜島は全く見れなかったです。
東京の自宅を早朝に出発し、屋久島空港に降り立ったのは11時過ぎ。
屋久島空港の中はとても狭いです。預けた荷物をピックアップするのにぎゅうぎゅうして待ちます。一回外に出ると戻って来れないので我慢しましょう(笑)。すぐ出てきます。
屋久島での移動手段
レンタカーを借りるのが機動性という意味では一番。空港近くには主だったレンタカー会社の店舗があります。私は車の運転が好きではないので、バスに頼ることにしました。本数があまりないので事前の計画が必要。
屋久島のバス会社は、屋久島交通バスとまつばんだ交通バスの2社です。時刻表が別々なので両方入手して確認する方がいいです。例えば荒川登山口への始発バスを運行しているのはまつばんだ交通。
私は屋久島交通バスしかチェックしておらず、危うく始発を逃すところでした。
屋久島交通バスの方はフリー切符を発行しているので、空港の観光案内所でまずこの切符を買いました。4日間で4000円。荒川登山口(縄文杉)への登山バスはフリー切符では乗れないので、こちらも別途買います。往復1400円+環境保全金1000円。
まつばんだ交通バスはフリー切符はないので、毎回小銭で支払いました。
タクシーは基本的に予約が必要です。1日目の午後は白谷雲水峡にタクシーで行ったのですが(時間節約のため)、空港ではつかまえられるだろうと踏んで予約していませんでした。結局だめで、電話して配車してもらいました。とはいえ最初に電話をかけた2社には断られましたので、本当に予約しておく方がいいです。
屋久島の観光
屋久島に行くなら縄文杉はまず外せないですね。私の場合は宮之浦岳登山も。この季節は白谷雲水峡の太鼓岩からの山桜も見逃せない。
この3つでほぼ日程が埋まってしまいましたが、屋久島にはもちろんこれ以外にも多彩な見どころがあります。
個人的に行きたいと思っていたのは滝。屋久島には面白い滝があります。特に千尋の滝の、巨大な一枚岩の風景に憧れていました。
あと、時間があったら行きたかったのが永田のいなか浜。日本一のウミガメの産卵地で、5月から7月までウミガメの産卵、7月以降は子ガメが海へ戻る様子を観察することができるんです。今回は時期ではないけれどいつか絶対に見てみたい。ウミガメが見れなくてもとても美しい浜です。夕日の撮影にも良さそう。
ウミガメの観察をしたい場合は永田連絡協議会のルールに従いましょう。
西部林道も歩いてみたいです。無人のエリアでバスも通っていません。でも亜熱帯の森が残されていて、「垂直分布」が海岸から山頂まで続いているのは厳密にはここだけらしい。亜熱帯の植生は人の住む他の海岸沿いではほとんど失われてしまったからです。ちなみに「垂直分布」というのは、本来南から北へ移り変わる植生が、海岸から山頂まで垂直に分布していること。亜熱帯の植物→照葉樹林→屋久杉→ヤクザサと、海岸から山頂へ垂直に分布していて、屋久島の森が世界自然遺産に登録された大きな理由になったそうです。
山頂は札幌と同じ気候とか。本州の気候がぎゅっと島に詰まっているのですね。
その他、カヤックやダイビングも盛んですが、門外漢で全く調べていません。
1日目:白谷雲水峡
1日目、空港からタクシーで白谷雲水峡へ。40分、5500円でした(少しおまけしてくれました)。
バスで行くことももちろんできます。空港からだとまつばんだ交通バスで、空港11:24発白谷雲水峡12:55着です(小原町で乗換)。
太鼓岩まで往復3〜4時間かかるので、これだと最終16:10に間に合うか微妙です。
白谷雲水峡の入口に受付があるので環境保全金を払い(500円。バスのフリーチケットをもっていると400円)、スタート!太鼓岩まで往復します。
清流の音を聞きながら楠川歩道を快調に歩きます。楠川歩道という昔は杉の切り出しに使っていた道。白谷雲水峡にはもう一つもっとワイルドに歩ける「奉行杉コース」がありますが時間がかかるので、今日は楠川歩道コースで。よく整備されているものの、渡渉ポイントもあるし木の根が張り出しているので注意です。
1時間強で「苔むす森」に着きました。「もののけ姫」でシシガミやコダマがいる森のモデルになったことで有名ですね。大きな石や木が苔に覆われてさすがに神秘的。
結構人が多くて、大学生さんのグループが目立ちました。縄文杉や宮之浦岳より、白谷雲水峡が一番混んでいました。
さらに30分ほどで辻峠。太鼓岩へはここから登っていきます。登り・下りの一方通行で歩きやすいですが10分ほど急登です。
そして太鼓岩!ものすごい眺めが広がっています。奥岳の山並みの下には、山桜と新緑が点在してパッチワークのよう。山桜が終わりかかっていましたがまだまだきれい。
太鼓岩でしばらく眺めを楽しんで下山開始。
帰りは印象的な苔の森を存分に撮影して歩きました。苔をこんなに楽しんだのって初めてかも。
16:10の屋久島交通バス(最終)に乗って、今夜の宿のある安房へ向かいました。
2日目:縄文杉
2日目は縄文杉トレッキング。詳しくはこちらをどうぞ↓
3日目:宮之浦岳登山
3日目は宮之浦岳登山。詳しくはこちらをどうぞ↓
4日目:滝めぐり
屋久島には有名な滝が3つあります。千尋(せんぴろ)の滝、大川(おおこ)の滝、それからトローキの滝。4日目は滝めぐりをしました。
このうち、千尋の滝はバスで行きにくい場所にあります。車道歩き1時間は辛いので今回はやめ。でも巨大な花崗岩の一枚岩を川がV字に刻んでできた壮大な眺めの滝なのです。
朝一番でまず大川の滝へ。有名なパワースポットらしいです。10:22にバスが着き、帰りのバスが11:00なので見学時間は少ししかありません。
バス停から進行方向に向かってすぐ右へ降りる車道があります。5分ほど歩いて行くと・・・これです!
滝つぼには岩がごろごろしていて、近くまで行くことができます。水しぶきをたくさん浴びたのでパワースポットの効果があることを期待します。
ここ数日晴れが続いており、滝は枯れ気味なのが少し残念。本来、大きな流れは2本あるのですが1本は消えてしまっていました。大雨の後が狙い目です。
11:00のバスに乗り、次に目指すのはトローキの滝。鯛之川バス停で下車し、「ぽん・たん館」の看板の横を下っていきます。途中山道のようになるので注意です。展望台に出るとこの眺め!
トローキの滝は海に注ぐ珍しい滝です。後ろの山はモッチョム岳。この日は海がエメラルドブルーでとてもきれいでした。
一人で眺めを堪能して戻ったら、入れ替わりに団体さんが。タイミング良かった!
バスを待っている間にふと横を見たら、なんと「吉備真備上陸の地」という碑が。吉備真備といえば奈良時代の学者で遣唐使になった人。調べたら鑑真と共に屋久島に漂着したんですね。
観光は終わり。この後は屋久島グルメを楽しみ、お土産をショッピング。最後まで満喫して帰京しました。
屋久島の宿泊事情
屋久島には民宿がたくさんあります。2食付きでお値段もリーズナブル。一方、いわゆるリゾートホテルのような施設はあまりたくさんありません。
色々考えて、今回チョイスしたのはホテル。バス停に近く快適そうなことを重視しました。
エコホテルソラ宿泊記
1泊目・2泊目は、安房という島の東側の地区にあるエコホテルソラに宿泊しました。安房は縄文杉や宮之浦岳への登山口に比較的近いです。素泊まりのエコノミーホテルですが部屋はベッドの個室で、バス・トイレ付き。テレビやポット、冷蔵庫もあって快適に過ごせました。
フロントではカップラーメンその他お菓子を売っています。自販機もあります。
エコホテルソラで特に嬉しかったのが、お隣のグリーンホテル屋久島の大浴場を割安で利用できること。日帰り入浴時間外でもOKです。大浴場は温泉ではないですが、広々としていて快適。歩いて疲れた足を癒せました。
私のプランは入浴券付きだったので、さらに便利でした。
ホテルにはランドリーもあり、部屋にはハンガーや小物干しもあるので、滞在が長くなっても大丈夫そう。スタッフさんも親切です。
安房の中心部に少し遠いので晩ごはんはどうするか考えておく方がいいです。ホテルの近くには屋久島で有名なお寿司やさん「いそのかおり」があって行きたかったのですが、休業日でだめでした。
「いそのかおり」に行くなら予約必須です。
ホテルから5分歩いたところにある「かたぎりさん」はおすすめ。実際の訪問記はあとで書きますが、メニューが豊富でおいしいです。
朝ごはんはホテルでおにぎり弁当を注文することもできます。私はパンが食べたかったので、安房の「ヒロベーカリー」で惣菜パンやマフィンなどを調達しました。全部美味しかったけど特に気に入ったのは明太子フランス!バス停からかなり歩きます。
部屋の壁は割と薄く、隣の人のいびきが聞こえてきました。屋久島でもいびきラーに悩まされるとは・・・耳栓は必須かも。あと、女性向きホテルの印象があったのですが、男性の宿泊者しか見かけませんでした。
JRホテル宿泊記
最後の夜3泊目は、島の南側、尾之間地区にあるJRホテルに宿を取りました。ここは高級ホテルに属しますが、平日でそこまで高くなく、4日目の観光にも都合の良い場所です。海の近くなので夕日や朝日の撮影にもよし。バス停もホテルに直付けで便利です。
何より、泉質の評判が高いJRホテルの温泉に入ってみたかったのです。晩ごはんの前に早速入浴しましたが、こんな温泉初めて!色は無色透明、かすかに硫黄臭がし、とろとろのお湯です。片栗粉を溶かしたようなとろとろさ。お風呂を出ても肌がしっとりしていました。
素晴らしい温泉のため、日帰り入浴はとても混むようです。部屋にも注意書きが・・・笑
露天風呂からは大海原が見え、海風を感じながら浸かれます。2日間、ロングルートを歩き切った疲れが溶けていきました。
部屋はとても広くきれい。山側・海側と選べますが私は山側にしました。モッチョム岳が部屋から見えて最高〜!
JRホテルの1Fには、海にひらけた広いテラスがあります。ここからの夕日や朝日がきれいで、対岸には遠く九州の山々が見えました。
夕食は和洋折衷の会席料理で、とてもおいしかったです。鹿児島の食材が随所に使われているし、お酒も土地のものがたくさん。焼酎の利き酒プレートなんかもありました。レストランは海に面していて雰囲気も抜群。朝食はブッフェですが、おかずもお米もとてもおいしかった。デザートに「たんかん」があったので初めて食べました。
屋久島のごはん事情
屋久島には意外とたくさんのお店があって困ることはありませんでした。安房にはモスバーガーまでありました!お昼はホテルでおにぎり弁当を頼めるし、これがまたおいしいです。
夜ご飯
1泊目・2泊目は素泊まりだったので、夜ごはんは街に食べに出ました。
1日目の夜は、安房の中心部にある「シリウス」に伺いました。洋風居酒屋のような感じで、屋久島の食材を使ったメニューが豊富。屋久島パッションフルーツジュース・屋久島産鯖節のサラダ・下調べで人気のあった四川麻婆豆腐丼・永田の塩を使った杏仁豆腐、をオーダー。全部で3000円もかからず、スタッフさんに話しかけてもらったりして楽しく美味しい晩ごはんでした。
もうバスが終わっていたので、ホテルまでバス停3こ分たっぷり歩いて帰りました。
2日目の夜は、ホテルから徒歩5分の「かたぎりさん」へ。こちらも屋久島産食材を使ったメニューが豊富なレストランで、特に「飛び魚のひつまぶし」が有名。うなぎのひつまぶしのように、薬味や出汁をかけていただきます。
飛び魚のひつまぶしセットにはデザートも付いています。これでも全部で3000円以下でした。飛び魚のひつまぶしは強くおすすめ。あごだしが美味しくて、私はほとんど出汁で食べました。
ランチ、デザート
4日目のランチは、トローキの滝近くにある「屋久島オリオン」のあごだしラーメンを食べに行きました。あまりラーメンは食べない派なのですが、あごだしは気になる。
食べた感じはさっぱりした塩ラーメン。でも出汁が上品で全く脂ぽくなく、好みです。トッピングの鶏チャーシューももっちりしていておいしい。他のお客さんは「屋久島ブラック」なるラーメンを注文していましたので、多分そちらが一番人気。店内は席数があまりなく、終了次第閉店みたいな雰囲気なので、電話して行く方が確実です。
ランチの後は、空港近くの「お茶工房 八万寿園」へ。屋久島はお茶栽培も盛んなんですね。
お目当ては抹茶ソフトクリーム!ほろ苦くて牛乳の味もしっかり。すごい人気で人が次から次へと来ていました。
屋久島のお土産と買い物
お土産を買うところは結構限られていると感じました。大きなホテルなら販売コーナーがありますが、そうでなければ幹線道路沿いに数軒あるくらいでしょうか。空港にも販売コーナーがありますが小さいです。
私はアロマが好きなので、おしゃれなグッズを販売しているという空港近くの「ぷかり堂」に行きました。ここで、「眠れる森のおまじない」というオイルを購入、2500円。屋久島地杉と鹿児島芳樟(ほうしょう)の精油で、少し甘くてとてもリラックスできる香りです。
もう一つ買いたかったのは、宮之浦岳ガイドさんに教えてもらった飛び魚の燻製。「けい水産」という会社が作っています。調べたら工房がバス路線沿いにあったので、寄ってみることにしました。
工房には燻製に使う桜の丸太がたくさんあって、良い匂いもします。ご主人から、燻製の食べ方や保存方法など教えてもらった上に、試食までさせて頂いて恐縮。2Lサイズを1枚買って帰りました。上に書いた「ぷかり堂」にもこの燻製があったので、大きなお土産屋には売っているのかも。
買い物をするところとしては安房と宮之浦にAコープがありました。コンビニの類は私は見かけなかったです。
屋久島遠征2022 まとめ
冒頭にも書きましたが、人生を変えかねない力を持った素晴らしい島でした。特に自然を愛する人は一発でノックアウトされるでしょうね。森の癒しパワーの中にひとりでいられることを、最高の贅沢に感じました。
4日島を旅していて、島の人たちがとても温かかったのも印象的でした。タクシーの運転手さん。写真を撮っていたら寄ってきたおばあさん。道で30分も色々教えてくれた屋久島愛の強いおじいさん。
空港、ホテル、お店、どこへ行ってもサービスの人たちが素朴で温かい。独特の柔らかいアクセントも耳に心地よいです。
帰ってきたばかりなのにまたすぐに行きたい、という気持ちになりました。
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