こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、南八ヶ岳縦走です。

南八ヶ岳縦走、難易度は?
10月の連休で、南八ヶ岳を縦走してきました。
観音平から入り、編笠山・権現岳・赤岳・横岳・硫黄岳を縦走するルートです。アクセスの関係で2泊3日としました。

健脚かつ自家用車があるなら1泊で行けると思います。
難易度としては、全体的に注意が必要なルートであることは間違いありません。
特に、キレット小屋から赤岳までの急峻なザレ場は核心部。長野県のグレードではDになっている箇所です。
初心者さんは避けるべきルートだと思いますが、岩場・ザレ場の経験があり、体力も問題ないなら大丈夫。

私は、登山を始めた頃ザレ場が苦手でした。阿弥陀岳の斜面が登れなかった苦い記憶が。
一番怖いと思ったのは落石。ザレ場では歩きに注意しないと、簡単に落石を引き起こしてしまいます。
落とされることもあるので、ヘルメットは必携かと思います。
今回、赤岳を南側から登り、これで東西南北から赤岳を登ったことになりました。赤岳コンプリートです!
秋の快適な気候の中、快適な縦走を楽しみました。
南八ヶ岳縦走のルート
一般的には、南から北上するほうがよいと思います。逆向きだと赤岳手前のザレ場を下ることとなり、危険度が増します。
私は電車バスの時間の関係で2泊3日にしましたが、1泊2日で歩き切れるルートだと思います。
その場合、観音平を早朝出発(自前でタクシー予約など)のうえ赤岳頂上山荘か赤岳展望荘に宿泊し翌日は美濃戸口からバス、または青年小屋に宿泊(またはテント泊)し、翌日は美濃戸口にタクシーを予約、などの手配が必要でしょう。

自家用車があれば、船山十字路に置いて周回してもいいかも。
南八ヶ岳のみならず、いつか全山縦走もしてみたいです!

今回の山旅、レンズの不調(AFするとぶるぶる震える事象発生)で、ピントがずれた写真があります。お許し下さい・・・。
南八ヶ岳縦走レポート
観音平から編笠山へ、青年小屋泊
小淵沢駅9時発のマウンテンタクシーを予約してありました。今日は満席です。

小淵沢駅にはコンビニはありませんが、お菓子の自販機あり。
30分ほどで観音平に着きました。連休ですでに満車、路上駐車もしてありました。
準備運動などして、9:30、出発です!

最初は熊笹の茂る樹林帯の道を行きます。木立がきれい。

1時間ほどで、雲海展望所というポイントに出ました。眺めはそれほどでしたが、休憩によいです。

さらに30分ほどで、押手川というポイントに出ます。水がちょろちょろ流れるエリアで、ちょっと薄暗いですがここでランチ休憩にしました。


座るのによい丸太や岩があります。
押手川付近は、青年小屋へ続く巻き道ルートと、編笠山への直登ルートに分かれています。私はまず編笠山へ。
このあたり、ルートが見つけにくいです。少しうろうろしたら標識がありました。

ここからは、岩がごろごろの急登になりました。1時間余り続いて、なかなか苦しいです。

だんだん視界が開けてきました。後少し!

12:30、編笠山に到着しました!山頂は広く、岩がごろごろ。南八ヶ岳の山々がきれいに見えるので記念撮影にいいですね。

今日はこの後、青年小屋へ行くだけ。時間が有り余っているので、山頂でのんびり過ごしました。
明日行く権現岳の手前のザレ場が見えるのですが、ここから見ると本当に登れるか不安なくらい。

山頂から青年小屋へ向かう道は、かなり急です。しかも狭いので、下から登って来る人とのすれ違いが大変でした。
樹林帯を抜けると、一面岩だらけに。マーキングを見つけながら渡っていきます。


まだ14:00だけど、青年小屋にチェックインして、晩ごはんまでゆっくり過ごしました。
権現岳へ
2日目。天候は問題なし。小屋前から、朝焼けの富士山が望めました。

6:30、出発です。最初は樹林帯。霜が降りていて、山では確実に冬が近づいています。

振り返ると、編笠山が朝日を受けてくっきり。なぜ下だけ岩ごろごろなのかな?

30分ほどで樹林帯を抜けると、ノロシバという見晴らしの良い場所に出ました。
南アルプス、御岳、乗鞍、槍穂高、後立山と、オールスターがぐるり。


ノロシバから少し樹林帯を歩くと、いよいよ急なザレ場の始まりです。

落石しないよう足の置き方に注意して歩きます。足元はこんな感じ。

マーキングなどはないので、自分で歩きやすい道を見つけるのですが、私は少しルートを外してしまいました。
最初、左側キープです。鎖が岩と同化していて見えず、私は右へ進んでしまいました。
下の写真は右側のザレ場を登っているところから正しいルートを撮影したもの。鎖が見えます。


なんとか右側を登り切りましたが、滑ったら谷に滑落しそうで焦りました。絶対左側に行く方が安全です!
トラバースもあります。鎖がなかったら厳しいところ。

トラバースに必死な私(同行者撮影)↓

稜線が見えてきた!最後の急登をがんばります。

稜線に出ました。少しルートを外れ、ギボシというピークに登ってみます。

ギボシからは、権現小屋と権現岳を見下ろせます。岩がちょんちょんしているのが、権現岳の山頂です。

赤岳への分岐にザックをデポして、権現岳へ寄っていきます。

権現小屋は閉鎖中。そのうち廃墟になってしまわないか、といった風情でした。

権現小屋から横引きの道を歩いていきます。


岩へ登っていけます。鎖などはないので自力で。

てっぺんに立ってみました!後ろは切り立っていて、バランスを崩したら終わり。

岩の上からは、ザレ場を登っていく人たちが見えました。私も歩いてきたのに、遠くから見ると一層怖いです。

赤岳へ
時刻は8:15。先程の分岐へ戻り、いよいよ赤岳へ向かいます。
分岐からは、これから歩いて行く道が全部見えています。


ここから赤岳までが、今回の行程で一番長く辛かった。景色は最高なんですけどね。
すぐに、有名な長梯子に出ます。61段あるらしいです。
ひとりひとり降りるので、少し渋滞しました。

よくこんな所にこんな長さのものを、と驚きつつ、慎重に降りました。
途中、旭岳へは少しだけルートを外れて登ってみます。標識が読めない・・・。


旭岳の山頂は、あまり人も来ず景色もよく、休憩によいです。
旭岳から、どんどん降っていきます。道は険しめで、灌木が生い茂っているところもありました。

だんだん赤岳が近づいてきて、核心部の様子がわかるようになってきました。登山道は、正面の割れたところ。ここから見ると、急すぎてとても登れそうにないように感じます。


調べてはいたのですが、思っていたより、急峻でザレ場だらけのルートでした。
ツルネという平たい場所に出ました。ここで少し休憩、最後の登りに備えて栄養補給します。振り返ると、権現岳からものすごく降りてきたのが分かります。

次のポイントはキレット小屋。まだ新しそうなのに閉鎖中なのがもったいないですね。

八ヶ岳らしい森の中をしばらく歩きます。

ここで前の団体さんを抜かせてもらえて良かったです。青年小屋で一緒だった方たちだった。

核心部では、大きな団体と一緒はできれば避けたいです。
すぐに風景が一変し、まるで火星のような光景になりました。ここからは核心部、急なザレ場を登っていきます。

上から落石がいつあってもおかしくない。自分も落とさないように気を使います。

かなり急です。足元はざらざら。苦労している人もいました。

ザレ場が続いたのは、30分もなかったかもしれませんが、もっと長く感じました。
時々上から降りてくる人がいたのですが、このルートを下るのは大変そう。
ザレ場はいったん終わり、赤岳山頂が見えてきました。あともう少し!


真教寺尾根との分岐では、文三郎道のほうへ行かないように注意です。まわり道になってしまいます。


連休中のためか観光客っぽいハイカーさんもたくさん。文三郎道との合流地点では渋滞して大変でした。スニーカーで来れるなんて逆にスキル高すぎる笑。
11:00、赤岳に到着です!


赤岳の山頂は狭めですが、頂上山荘前の岩場は広く休憩によいです。
赤岳頂上山荘でカレーライス(1000円)とコーラ(500円)を注文してランチ休憩。ラーメンが食べたかったけど売り切れでした泣。
オーダーした人は小屋内へ入って食事できます。

オーダーした人でも、トイレは外トイレになります。県界尾根を少し下りたところにある旧式トイレです(チップ制)。
横岳へ、硫黄岳山荘泊
ランチを終えて、時刻はちょうど12:00。硫黄岳山荘へ向けて縦走再開です。
赤岳からの下りは、傾斜が強くざれているので歩きにくいです。すれ違いも多発。
下は振り返って頂上山荘を見上げたところ。最後に来た2年前はこんなに整備されていなかったような?

地蔵尾根の分岐へ向かって歩いていきます。

横岳は、その名のとおり横に広がっていて、小さなピークがぎざぎざと続きます。

多くの人は赤岳だけ登るのか、縦走路に人はあまりいません。13:00、三叉峰というポイントに到着。


杣添尾根は使ったことがないけど、冬に行ってみたいです。
三叉峰から10分程度で、横岳に到着しました。山頂部分は広く、ここで座って休憩することに。


横岳の「岳」プレートが割れてしまってる・・・。
横岳からは、大同心がにょきっと見えました。マルチピッチしている人がいる!

横岳の縦走路のなかで、核心部は山頂直下のトラバースだと思います。鎖に手を添え慎重に。


初めてここを縦走したのは7年前ですが、その時はなんて怖いところだと震えました。
でも、今は注意しつつも怖いという感じは全くなく、自分の体を信頼できる感覚があります。山歴を積んだのもあるけど、クライミングの成果もあるかも。

何歳からでも体は変われるんですね!
最後の岩場を終えると、なだらかな赤土の道になりました。ここから硫黄岳山荘はもうすぐ。

14:00、硫黄岳山荘に到着しました。素敵な小屋なのでゆっくり休もうと思います!
硫黄岳を踏み、下山
最終日3日目、今日も良い天気です!
6:00前、硫黄岳へ向けて出発。

振り返ると、歩いてきた道が全部見えます。遠くに権現岳、赤岳、横岳。

硫黄岳への登りは、だだ広い道で悪天候時には迷いそう。そのためかケルンがたくさんあります。
6:15、硫黄岳に到着しました。

名残惜しいですが下山を開始します。6:45、赤岩の頭に出ると赤と白の土が火星に来たみたい。

ここからは1時間くらい、ひたすら樹林帯の下りです。早くも登ってくる人たちもたくさんですが、皆さん辛そう。
途中、大同心への道がありました。ヨーロッパ人ぽい3人組クライマーさんとすれ違い、かっこいいーって見とれてしまいました。

7:45、赤岳鉱泉に到着。


きれいな外トイレをお借りしました(100円)。赤岳鉱泉のジェラートが食べたかったけど、もう秋だからか、なかった泣。
朝いちのバスに乗るため、北沢ルートをどんどん下山します。沢沿いの道になるので、ぬかるんでいるところも。

こういう木道や木の橋がたくさん出てきますが、朝いちは滑りますので注意です。

林道に出ると、マムートの車が。赤岳鉱泉の業務用車両でした。かっこいいです!

秋めいた道を行きます。

この林道は正直ちょっとだるいです。途中、ショートカットできる箇所があるのですが見落としてしまいました。
美濃戸から登ってくる場合、左側の林に入っていきます。

8:45、美濃戸に着きました!ここで南沢ルートと合流します。

さらに40分歩いて、バスが発着する美濃戸口へ。時間があるので、J&Nさんに寄りました。
休日は朝9時から営業されています。



バスの出発まで1時間あったのですが、ザックを置いて場所取りできるようになっていました。
ずっと後回しになっていた南八ヶ岳縦走ができたし、赤岳も東西南北から全て登りコンプリートできました。
赤岳は、山登りを始めてから最初に登った3000m級の山です。その頃の自分と比べて、今はしっかり歩けるようになったことが感じられ、少し嬉しかった山旅でした!
アクセスとデータ
アクセス | ◯ | JR小淵沢駅から観音平へはマウンテンタクシー(要予約、1800円) 美濃戸口からJR茅野駅へはアルピコ交通路線バス(1700円) |
難易度 | △ | 体力が必要 危険箇所あり。特に以下 ・権現岳手前、赤岳手前の急なザレ場 ・権現岳近くの長梯子 ・横岳奥の院近くの鎖場 |
トイレ | ◯ | 観音平:簡易トイレ2つ 青年小屋(100円)外トイレ 赤岳頂上山荘(100円)外トイレ ※県界尾根を少し下ったところにあります 硫黄岳山荘(100円)中トイレ・きれい 赤岳鉱泉(100円)外トイレ・きれい |
装備 | ヘルメット ストック(使わず) サーモス フリース、ダウン | |
データ | 総距離:21.2km 行動時間:12h45m 累積標高:(上)2144m(下)2244m |
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