八ヶ岳

白駒荘に宿泊【冬季アクセス詳細つき】

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八ヶ岳

こんにちは、くっかばらです。このブログでは、実際に宿泊した山小屋やテント場などをレポートしています。今回は八ヶ岳の白駒荘です。

2022年12月末に再訪、記事を更新しました。

冬季の北八ヶ岳を1泊2日でスノーハイクしたいけど、どこに泊まろうかな。

北八ヶ岳のスノーハイクは私の年末年始の恒例行事。ゆっくり1泊2日で歩くのが好きです。厳冬期のテント泊の自信がないので山小屋やスキー場のペンションに泊まったり色々なのですが、今回は初めて白駒荘にお世話になることにしました。お風呂にも入れるし個室もあるし、ゆっくり年末年始を過ごせそう!

冬の白駒荘へのアクセスは、他の山小屋に比べて少しだけ大変かもしれません。例えば黒百合ヒュッテなら渋の湯か唐沢鉱泉から樹林帯歩きで1時間30分くらいだし、縞枯山荘は吹きっさらしを歩きますがロープウェイ駅から15分程度。そこへ行くと白駒荘はもうひと頑張りかふた頑張りしなければ着けません。それだけに着いた時の喜びもひとしお。今回は記事の最後に白駒荘のアクセスルート詳細を書きましたので、よかったら参考にしてください。

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白駒荘の予約・受付

予約はHPか電話でできます。私は新館・個室・2食付きを予約、ひとり15000円でした(今年は500円値上げ)。キャンセル料は1週間前から発生するので注意ですが、予約の取り直しをするなら基本キャンセル料はかからないそうです。今年から、宿泊日が近くなるとお知らせメールが届くようになっていて便利でした。

玄関の引き戸から入ると土間で、暖かく保たれています。椅子があるのでゆっくり靴を脱げます。靴は靴箱へ(鍵はなし)。アイゼンなどのギア類は、かごのなかへ置いておくシステムです。間違え防止に名札が用意されています。

くっかばら
くっかばら

かごの中のアイゼンは見事にグリベルばかりでした!

さらに引き戸から中へ入ると受付です。にこにこ顔のご主人に迎えられて寒さが緩みます。記帳して簡単に説明を受け部屋へ案内してもらいました。支払いは後払いです。

靴を脱ぐ土間にグッズがたくさん置いてあって目移りします。なかでも可愛かったのがキーホルダー。山ガールのが欲しかったけど私には痛すぎるかと思い買えませんでした笑。本物の山ガールさんがこんなのつけてたらかわいいです。

白駒荘のグッズ。キーホルダーが特にかわいかったです

白駒荘の部屋

新館の個室はとてもきれいなお部屋でした。入口は引き戸で鍵付き。窓は白駒池に面していて眺めもすてきです。部屋は池側と反対側にもあるのでラッキーでした。お部屋には小さなテーブルと座布団がおいてあるのでくつろげます。お布団はふかふかで、敷布団と枕には新しい布シーツがかけてありました。掛け布団には不織布をかけて使うスタイルでした。布シーツと不織布はチェックアウト時に指定の場所に戻しておきます。部屋の中にはヒーターがあってとても暖かく快適。館内に乾燥室はないのですがお部屋にハンガーが数個あったので大丈夫でした。

新館の個室。白駒池が望めました

白駒荘の食事

白駒荘のお食事は質・量ともに評判が良いのは知っていましたが、全く裏切られませんでした。夕食は5時30分からで、準備が出来たらスタッフさんが声をかけてくれます。ダイニングは1Fの白駒池に面した場所にあり、床に座るスタイルです。夏だったら夕日に染まる白駒池を見ながら夕食を食べれそう。夕食はとってもボリューミー!人によっては食べきれないくらいかも。メインが牛肉のしゃぶしゃぶで、地元産のとても美味しいお肉でした。大きめのお肉がひとり4枚はありました。小鍋に入れて調理するのですが牛肉の量に比してお鍋がかなり小さいので、野菜を片付けつつ牛肉を定期的に入れていく作戦を取らないと火が消えてしまいます。他にはワンプレートにおつまみ的なおかずが盛り付けられていて、こちらもとても良いお味です。野菜サラダなど野菜がたくさんなのも嬉しい。夕食中のご主人のお話によれば、自家栽培の野菜を使っているとのこと。渦巻きビーツ(サラダの所にある赤い野菜)がおいしかったです。デザートの「渋柿フローズン」はご主人のお家でとれた渋柿を凍らせたものだそうで、縁起ものだそうです(理由が思い出せない・・・)。冷たい渋柿の中からまったりした果肉が出てきてゼリーのようでした。

白駒荘の夕食。量・味ともにとても満足でした

朝食は6:30から。白駒池が白んでくるのを眺めながらの朝食です。新鮮なサラダが嬉しい。

白駒荘の朝食

夕食・朝食とも、食べ終わった食器をキッチンまで下げます。

白駒荘ではランチやケーキセットもありますのでお昼に来たらぜひ。私は到着時間が間に合わず食べられなくて残念です。謎なのですがメルヘン街道が閉鎖されているのにこれだけの新鮮な食材をどうやって毎日確保されているのだろう?→再訪時に、食材を歩荷されていることを知りました。外気温マイナス10度を超えているので大変な労力だと思います。

2022年12月の年越しに再訪したのですが、大晦日から元旦のふるまいに感動しました。夕食時には年越しそば、朝食時にはフルセットのおせちとお雑煮。普通の食事に加えてなので量ははんぱなく、本当に限界まで食べても完食できず悔しかったです。おせちは美しくて、残りを詰めて持って帰りたかった・・・。

元旦のおせちとお雑煮(ひとり分です!)

再訪時のうれしい発見。飲み物メニューに「モクテル」が加わっていました。モクテルとはお酒抜きのカクテル。とても凝ったものが2種類用意されています。私は「白駒のシンデレラ」をオーダー、感動のおいしさでした。東京のおしゃれなバーで飲むものよりおいしいと思いました。

白駒荘の施設・サービス

白駒荘にはお風呂があります。入浴時間は15:00から20:00。コロナ対応で3人に人数制限されています。浴室の前のボードの磁石で確認して、入るときに磁石を動かし、出たら外しておきます。

石鹸やシャンプーは利用できないので、お湯で体を流します。女性の脱衣所には、メイク落としシートがありました。

洗面所。奥がお風呂で、自分が入浴する時はボードの磁石を動かします

トイレは浴室の前にあります。個室は3つ、うちひとつがウォシュレットです。2Fにもトイレがあるのですが、冬期は使用不可です。ペーパーは箱に入れます。

洗面は4つ、ひとつはお湯が出ます(朝は出なかった)。歯磨き粉・石鹸の利用は禁止です。ハンドソープは備えつけのものがあります。

大晦日には夕食後に旧館でお神酒のふるまいがありました。ご主人から過去の火事や冬期営業小屋の責任などのお話があり少ししんみりしたり感動したり。その後、宿泊者全員でじゃんけん大会が始まりました。ご主人が景品を用意してくださっていて、ご主人側と何回かじゃんけんして最後に残った人が賞品授与されます。豪華賞品がどんどん出てきてヒートアップ笑。私はスタッフバッグを頂きました。素晴らしい年越しでした!

白駒荘の電波状況

ドコモは圏外で全く電波を受信することはありませんでした。館内にはテレビもなく、天気予報のチェックもできなくて心配だったのですが、朝食時にご主人が天気予報と登山道の積雪状況など説明してくださいます。

白駒荘の特色〜旅館と呼べる施設と食事内容ながら、登山者向けサービスも残す快適なお宿。デジタルデトックスにもよし!

白駒荘ではとても美味しくてボリュームいっぱい、地産地消の食事を楽しみ、お風呂に入ってリラックスできます。もはや旅館ですね。それなのにお湯の提供があったり登山道の状況を教えてくださったり、登山者としても泊まって安心なお宿です。来年は創立100周年で、記念の手ぬぐいを配られるそうです。私もまた伺おうっと!

私が今回個人的に強調したいのが、デジタルデトックス効果です。携帯は圏外でテレビもなく、夜に本当〜っに何もすることがありません。天気の良い日なら星空鑑賞に出かければ良いのでしょうがこの日はそれも無理。手持ち無沙汰になることが想像できたので、それならばと夕食を腹12分目まで食べ消灯21時を待たずさっさと寝てしまいました。チェックインしてから全く携帯画面を見ていない状態で入眠。そうしたら!今年1番の眠りが訪れたのです。私は睡眠の質に悩んでいる方なのですが、この日はもう朝まで爆睡!デジタルデトックスの効果を体感しました。このためだけにでもまた白駒荘に絶対泊りに来たい。

ご主人達の登山者や宿泊者に対する思いがありがたく、リピーターになってしまうこと請け合いです!

【おまけ】白駒荘への冬季アクセス ルート詳細

冬季にはメルヘン街道が通行止めになるためバスの運行もなく、白駒荘へは徒歩で行くしかありません。考えうるルートは以下の3つかと思います(稲子湯旅館など東側からのアプローチは今回は考えていません)。マイカーがあれば唐沢鉱泉から黒百合ヒュッテ経由でのアクセスも考えられますし、渋の湯にも駐車可能ですね(駐車ルールにご注意を)。

  1. 茅野駅からバス → 北八ヶ岳ロープウェー → 縞枯山または五辻 → 麦草峠 → 白駒荘(CT約3時間
  2. 茅野駅からバス → 渋の湯 → 賽の河原 → 高見石小屋 → 白駒荘(CT約2時間30分
  3. 茅野駅からバス → 渋の湯 → 黒百合ヒュッテ → 中山またはにゅう → 白駒荘(CT約5時間

私の計画は、行きは上記1、帰りは上記3、だったのですが・・・前夜に積雪がどっさりとあり当日の天候もよくなかったため、にゅうは無理と判断。中山から黒百合ヒュッテへ行くルートを取ったのですが、中山展望台から中山の間がものすごい吹きさらしでホワイトアウト、胸まで踏み抜くなど怖いことが続き、撤退してしまいました。結果的に2で下山しました。

行き:北八ヶ岳ロープウェーから麦草峠へ

ロープウェー山頂駅を出てアイゼンなどの準備をしたら、東の縞枯山荘方面へ向かいます。五辻から行く場合は南へ向かう道を取りますが、五辻付近は雪の吹き溜まりがすごくトレースも不明瞭なことが多いです。急登がありますが縞枯山・茶臼山を縦走して向かう方がトレースの面では安心だと思います。

縞枯山への道は最初は樹林帯の急坂を登っていきます。上に出たらそのまま茶臼山へ縦走していきます。基本的に一面銀世界の樹林帯を楽しみながら歩けますが時々吹きさらしの場所がありますのでそこはさっさと通過しましょう。縞枯山も茶臼山も展望台への道が分岐しています。今回茶臼山の展望台へ行ってみたのですがものすごい爆風で一瞬で撤退しました。

縞枯山の(多分)山頂
茶臼山展望台。爆風で大荒れ。えびのしっぽも出来てました
一面銀世界のもふもふワールド。基本的に穏やかな樹林帯の道が続き楽しんで歩ける

茶臼山以降は若干トレースが薄くなりますが、ルートは簡単に見つかります。大石峠を経由して麦草峠に出ます。ここから白駒荘へはあと40分くらい。麦草ヒュッテの前から続く山道は完全にトレースが消えていたので、メルヘン街道を歩いていくことにしました。まだそちらの方が迷わないと思ったので。同じことを考えているパーティーが前の方に歩いていました。積雪がひどく所々ラッセルしなければならない状態だったのですが、前のパーティーがスノーシューだったのでかなり助かりました。前のパーティーの方、ラッセル泥棒すみません・・・。雪は横殴ってくるし風は受けるし足元は埋まるしで、全行程中、ここが一番辛かったです。

メルヘン街道の上を歩いて白駒荘へ
白駒池に着いた。完全に凍結しています

帰り:賽の河原から渋の湯へ

天気が良ければ帰りはにゅうへ登って下山する予定だったのですが、天気は回復せず早々にあきらめ、高見石小屋から中山、黒百合ヒュッテを経由して渋の湯へ下山することにしました。黒百合ヒュッテのビーフシチューをもう一度食べたいというよこしまな理由です。でも中山展望台の手前まで登ってくると、上から男性2人組のパーティーが顔面蒼白で降りてきて、「この先はひどい。自分たちも彷徨ってきた。」と言い残し下山していきました。どうしようか迷いましたが一応行ってみることに。トレースは完全に消えているので見当をつけて進むのですがものすごい強風に加えて完全にホワイトアウト。胸まで踏み抜いたりして怖すぎたので、高見石小屋まで撤退して賽の河原から下山することにしました。高見石小屋で念願の揚げパン400円)を食べれたのでよしとしよう・・・。でも怖かったです。

風と寒さ・・・視界も悪い
高見石小屋の揚げパン。これが食べれたのでヨシ!

高見石小屋から賽の河原へ向けて下山していきます。最初は樹林帯ですが賽の河原に出ると吹きさらしで風をもろに受けます。トレースも風で雪が飛んでしまっているのでルートファインディングしながら歩きます。岩まじりの道をアイゼンでうまく歩くことが必要な道です。

賽の河原。爆風でした

賽の河原を過ぎると再び樹林帯に入って安心です。ここからはどんどん下山するだけ。下から登ってくる結構な数のパーティーとすれ違いました。

渋の湯へ向かってひたすら下ります

なお現在、バスが渋の湯まで入れないので、一つ手前のバス停まで歩いていく必要があるのでご注意を。30分くらいの雪の車道歩きです。

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No Mountain, No Life.

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