八ヶ岳

小雨の硫黄岳・横岳・赤岳・阿弥陀岳縦走1泊2日【↑北沢↓御小屋尾根】

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八ヶ岳

こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、八ヶ岳の硫黄岳から横岳・赤岳・阿弥陀岳までの縦走です。

横岳・赤岳の縦走の難易度は?阿弥陀岳はどんな感じ?

海の日の3連休は槍・奥穂縦走を予定していたのですが、あいにくの雨模様。雨では歩きたくないルートなので残念ながらキャンセルしました。

岩陵歩きが好きな同行者のため代替として、硫黄岳から赤岳を縦走することにしました。このルートは岩場が続くものの危険な核心部は短いので、雨でも歩けると判断。初めて挑戦した本格岩陵ルートで、なつかしさもあります。

難易度のグレードはCで、全くの初心者でない限り普通に通過できると思います。ただし滑落事故も多く落ちればただではすまないので慎重にいきましょう。

2日目は赤岳から阿弥陀岳へ縦走、御小屋尾根で下山しました。阿弥陀岳の難易度グレードもCですが、実は初めてのときは撤退した苦い思い出のある山。滑りやすいざれた急登で、一歩進むたびにずるずる足をとられて怖かった記憶があったのですが、今回はあっけなく登頂できました。

赤岳には何回も来ていますが、何回来ても飽きることがありません。

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毎日あるぺん号で美濃戸口へ、北沢から登る

今回は美濃戸口まで、毎日あるぺん号を利用しました。尾白渓谷や観音平を廻って早朝4:30に美濃戸口に到着予定の便です。強い雨の中、出発。

3連休ですが天気がいまいちなのですいているかと思いきや、バスはぎっしり。3分の1の人は尾白渓谷、3分の1は観音平で降りて行きました。

初めて夜行で美濃戸口に来たのですが、八ヶ岳山荘がありがたすぎて感動しました。早朝に到着した登山者のために一部開放されていて、自由に入って準備したりトイレを使ったりできます(チップ制、100円)。ここで朝ごはんを食べたり洗面や身繕いして、ゆっくり準備できました。

八ケ岳山荘の休憩所
くっかばら
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美濃戸口もその上の美濃戸も、この時間ですでに満車。八ヶ岳人気すごいです。

5:30に美濃戸口を出発です。まずは美濃戸へ林道歩き。45分ほどでやまのこ村を通過。美濃戸山荘をすぎると、南沢と北沢の分岐に出ます。今日はまず硫黄岳へ向かうので北沢を選択。

南沢と北沢の分岐
くっかばら
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人気の「ホテイラン」は南沢のほうに咲いているらしいです(八ケ岳山荘での情報)。

北沢は最初は林道、しばらくすると沢沿いの道に。橋がたくさんあります。赤岳鉱泉までは登山装備でなくても行けそうなくらい整備された道です。苔がきれいでお花も咲いていて楽しく歩けました。時折青空がのぞいてテンションもアップ!

最初は林道をゆく

8:00、美濃戸口から約2時間半で赤岳鉱泉に到着しました。テーブルがたくさんあります。いつもながら赤岳鉱泉のメニューは魅力的で、特にジェラートがおいしそう〜。信州そばの実ジェラートとか、八ヶ岳ジャージーミルクジェラートとか。結局、ドリップコーヒー(500円)だけ頼んだのですが、素敵なコーヒーカップとソーサーの淹れたてコーヒーでカフェのようでした。

赤岳鉱泉
くっかばら
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すでにテントもたくさん張ってありました。

赤岩の頭から硫黄岳、小雨が降り出す

ゆっくり休憩を楽しんだら、硫黄岳へ登っていきます。樹林帯の道でけっこう急な道。汗をかきながら登ります。登山道には結構お花が咲いていました。苔もきれい。

9:30、赤岳鉱泉から約1時間で赤岩の頭に着きました。広場のような場所です。この頃には天気が崩れて霧が濃くかかり何も見えない状態になってしまいました。

赤岩の頭から硫黄岳へは15分くらいなのですが、岩混じりのざれた道です。落石しそうな感じなので気をつけていきます。

10:00、硫黄岳山頂に到着。ガスが濃くかかって爆裂火口はまったく見えず残念でした。山頂は風が強くてちょっと寒かったですが、ここでランチにすることにしました。ガスバーナーでお湯をわかしてスープを作って、あとは持参のおにぎり。

硫黄岳山頂

硫黄岳から横岳へ縦走、お花畑がきれいだがよそみ禁物

1時間近く山頂でランチしたあと、寒くなってきたので硫黄岳山荘に寄ってココアを注文(400円)。温かくて沁みる甘さ。硫黄岳山荘は泊まったことはないのですがとても好きな山小屋です。タイミング良く雨が本降りになり、ココアを飲みながらしばらく中で休ませてもらいました。

くっかばら
くっかばら

硫黄岳山荘のトイレは感動のきれいさ。靴をはいたまま行けるのも嬉しいです。

気象庁ナウキャストではしばらく降り続きそうな予報なので、雨が弱まったのを機に出発。ハードシェルを上下とも着込みました。ヘルメットも装着。危ないのでカメラはしまって、ここからはiPhone撮影です。

くっかばら
くっかばら

ヘルメットの着用率は、見た感じ7割くらい。

硫黄岳山荘の周辺にはコマクサが群生していて、とてもかわいらしかったです。燕岳のコマクサよりピンク色が濃いような気がしました。

しばらくはなだらかな稜線を歩きます。この間も右に左にコマクサがいっぱい。硫黄岳にコマクサがこんなに群生しているなんて知りませんでした。

しばらく歩くと西側に大同心というにょきっとした大きな岩が見えます。この岩はクライミングルートなのですがさすがにこの天気ではクライマーさんはいませんでした。このあたりから核心へ。まず東側へトラバースすると、赤いはしごがあります。これを登ると今度は西側をトラバース。この西側トラバースが一番の難所ではないかと思います。狭いし高度感が大きいです。眼下には素晴らしいお花畑が広がっているのでつい眼を奪われてしまうので注意です!

東側トラバースを終えたところ。はしごを上がれば今度は西側をトラバース
くっかばら
くっかばら

以前来たときには、このあたりでツクモグサを見ました!

雨はぽつぽつ降り続いていましたが、岩のコンディションは悪くなかったです。ひっかかりが良くて簡単には滑らない感じ。ただ視界はほとんどなくて足元や眼下のお花畑が癒やしです。ここを終えたらすぐに横岳に到着。休憩によい岩場です。

無名峰と呼ばれる岩は、越えていくことも巻くこともできます。私は越えてみましたが特段難しくはないです。ただ右側の切れ落ち方がすごくて視界的に怖いです。杣添尾根への分岐を過ぎていくつかピークを超えると、長いルンゼに出ます。硫黄岳方面からは下り。雨で濡れて滑るので気をつかって下りました。

無名峰。左側から巻くこともできます
長いルンゼ
ルンゼの後、二十三夜峰

13:30頃、地蔵尾根分岐に到着。ここで岩場はいったん終わりです。赤いよだれかけのお地蔵様はなんだかシュール。地蔵尾根の直前にとてもきれいにミヤマオダマキが咲いていて、今回のお花のベストショットが撮れました(iPhoneだけど)。

14:00過ぎ、赤岳天望荘にチェックイン。夕方になって雨があがってきましたが風が強くて、夕日や星空を楽しむこともできず、さっさと寝ることにしました。

赤岳天望荘の宿泊レポートはこちらをどうぞ↓

赤岳天望荘に宿泊
赤岳には頂上山荘と天望荘、ふたつの山小屋があります。どちらも評判が良いですが天望荘には個室があることが特徴。頂上山荘は赤岳山頂にあるので眺めを重視したい方向けです。天望荘は清潔で食事も美味しく快適に過ごせるので、初めての山小屋としてもおすすめです。

赤岳から中岳、阿弥陀岳へ縦走

2日目も朝から濃い霧。でも時折光が差したり遠くに富士山が見えたりしていました。6:45、出発です。

出発時の赤岳

赤岳天望荘から山頂までは30分くらいですが、けっこう険しい岩場です。外国人の女性が腰がひけひけで下りていて見ているこちらが怖い。

赤岳の山頂はとても狭く、何回来ても私は苦手。さっさと次へ移動していきます。いったん山頂を東側に下り、分岐を間違えないように文三郎道方面へ。ここから中岳のコルへの下りは険しい岩の道ですれ違いにも注意が必要です。落石もありそう。もちろんヘルメット装着で臨みます。お花畑も素晴らしく、特にミヤマオダマキが群生していてきれいでした。

中岳のコルへの下り
赤岳を下りきったところ

中岳へ登り返して行きます。見た感じはきつそうですが、登ってみるとそうでもないです。低木が生えていて軽く藪こぎになるところもありました。

中岳への登り

中岳を下りるといよいよ阿弥陀岳へ。行者小屋方面から中岳道を上ってくる人も結構いました。わたしも中岳道を登ったことがありますが、急登のざれた道でなかなかなかハードです。

阿弥陀岳へ

阿弥陀岳の登りは最初に大きなはしごがあって、ざれた岩場を登っていきます。前回(6年前)に初めて来たときは、乾燥した砂に足をとられて滑るので怖くなり、途中で撤退してしまいました。

今回は登頂できましたが、自分が成長したからなのかよくわかりません。前に来たときは山自体がもっとつんつるてんだったような記憶で、ルートも変わっているような?同じ時期なんですけどね。とはいえ途中、お子さんの岩場練習中の家族がいて大渋滞のうえに大きな落石されるというアクシデント付き😂私はこういうの黙っているほうですが、これはさすがにひどく、「ラク」ってコールしてください〜って言ってしまいました・・・。

阿弥陀岳への道でもお花が楽しませてくれました。ミネウスユキソウを見つけたのは収穫!

8:30、阿弥陀岳に登頂。山頂は開けていて、天気の良い日だったら南アルプスや富士山の展望が楽しめるはず。バリエーションルートである南陵ルートも一望でき、登っている人も見えました。いつか登ってみたいルートです。

南陵ルート

御小屋尾根で下山

少し休憩して下山を開始しました。御小屋尾根で美濃戸口に帰ります。このルートは初めて。山頂直下はロープのある険しい岩場なのでヘルメットはまだそのままで行きます。

山頂直下
険しい岩場を歩いていく
上から下ってきました

山頂直下の岩場を過ぎても、しばらくはかなり急な道。小石まじりの砂に足がとられて滑りやすいです。下から人が結構登ってきますが、休憩場所もあまりないしハードな登りになりそうです。

途中、不動清水という水場への分岐もあります。5分くらいなので水の補給したい人にはいいかも。このあたりから森林に入って針葉樹の森が美しいです。かわいい野鳥も見ることができました。

道は次第に森へ

単調な下りの後、御小屋山を経過。このあたりからアブの大群がとうとう出てきました。情報は仕入れていたので覚悟しており、様々な対策グッズを駆使して乗り切りました。特に蚊取り線香を腰にぶらさげたら襲撃がましになりました。

美濃戸口へ行く人は分岐を見逃さず右に折れましょう。別荘地の舗装路に出るので後は標識に従って進みます。ここに別荘があるのは知りませんでした。岳人にとっては最高のロケーションですね。

12:15、美濃戸口に帰ってきました。バスで帰るつもりでしたがかなり早く下山してしまったので、前から気になっていたJ&Nでパスタランチを楽しんだあと、ゴージャスにタクシー利用することにしました。J&Nは素敵なロッジでいつか泊まってみたいです。

原点回帰の縦走路は、今でも十分すぎるほど楽しめました。八ヶ岳は夏も冬も色々楽しめるので本当に貴重な山域です。これからも何回も来るのだろうな。

アクセスとデータ

アクセス毎日あるぺん号で美濃戸口へ(9000円
帰りは美濃戸口からタクシーで茅野駅へ(約5500円
茅野駅間のバスは1日4便ほどあります
難易度横岳の付近には岩稜のトラバースや岩場鎖場のアップダウンあり
赤岳天望荘から赤岳はざれた急な岩の道
赤岳から中岳へは急な岩の下り、すれ違い注意
阿弥陀岳直下はざれた急な岩場
トイレ美濃戸口、赤岳鉱泉、硫黄岳山荘、赤岳天望荘で利用可能
データ(2日間で)
行動時間:約9時間30分 総距離:18.2km
累積標高:(上)1760m(下)1470m
その他下山後、美濃戸口のJ&Nで入浴可能(だが混んでいる)
J&Nではおしゃれなランチやカフェもできる

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No Mountain, No Life.

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