(その1から続く)
こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は冬の北八ヶ岳縦走、この記事では根石岳と天狗岳をレポートします。

根石岳と天狗岳、冬山初級者でも登れるかな。
根石岳から東天狗岳へ向かう稜線は強風地帯として有名で、低体温症で行動不能になった事例もあるようです。まず、ここを通過できる天候であることが第一。個人的には天気予報が風速20mをゆうに超えていればやめると思います。
根石岳の直下と東天狗岳の直下は急な岩場。アイゼンをつけたまま岩と雪のミックスをうまく歩く必要があります。アイゼンの爪をひっかけて転んだら大事故につながる危険を感じました。
それを除けば楽しく歩いていけるルートだと思います。天候によるところが大きくて、2年前に西尾根から西天狗岳→東天狗岳と縦走した時は予報は風速20m、雪混じりの強風+低気温だったので楽しいどころではありませんでした。人生で一番寒い日だった笑。

今回はコンディションもよく快適な歩きを楽しめました。私の顔も、2年前の上の写真ではひぃーー、今回の下の写真ではにこにこです。


天狗岳の西尾根は岩まじりで強風を受けながらの歩きです。全くの冬山未経験で突っ込むのは危険かも。
天候に恵まれて、南八ヶ岳から北八ヶ岳の全貌が眺められる素晴らしい稜線歩きでした。
オーレン小屋から箕冠山へ
夏沢鉱泉を朝食後に出発。2日目も天候は良さそうです。昨日と同じもふもふロードを登っていきます。朝いちで、オーレン小屋前の急登が苦しい。
根石岳へはオーレン小屋から北へ折れる道と、その上の夏沢峠からの道があり、どちらもコースタイムはあまり変わりません。今日はオーレン小屋から折れ、樹林帯を登っていきます。この日はトレースもばっちり。緩やかに標高をあげていく快適な道でした。

この樹林帯は箕冠山(みかぶりやま)を通過していくのですが、山頂標識を見つけられず。気づいたら下りに入っていて、左手に根石岳が見えてきました。

この後強風地帯に入るので、樹林帯を出る前にハードシェルを着込んだり準備するといいです。標識のあるところがベスト。

箕冠山から根石岳へ
樹林帯を抜けると風が段違いに強くなりました。根石岳山荘を左手に見ながら根石岳へ登っていきます。

根石岳山荘から根石岳は目と鼻の先。足元は岩と雪のミックスですが歩きやすいです。夏沢鉱泉を出て2時間弱、根石岳山頂に到着しました。東天狗岳と西天狗岳がきれいにみえています。振り返れば赤岳と阿弥陀岳がかっこいい。


根石岳から東天狗岳へ
根石岳から東天狗岳へは、まずいったん大きく下ります。岩が露出しているので、アイゼンにひっかけて転ばないよう慎重に歩きました。

本沢温泉との分岐がある鞍部に出ると風をもろに受けつつ、東天狗岳へ登り返していきます。途中、スノーモンスターが成長していました。


登りの最後の部分は岩場で、ワイヤーの階段がかけてあります。危険というほどではないですが、とにかくアイゼンの爪をひっかけないように慎重に歩きました。

根石岳から1時間もかからず東天狗岳に到着!眺めは素晴らしく、西天狗岳がまるで生クリームをぬりたくったようです。


東天狗岳から黒百合平へ(天狗の奥庭経由)
東天狗岳から中山峠へ向けて下っていきます。山頂直下は岩場なのでかなり慎重になります。ルート中の核心部で、すれ違いの渋滞も発生。雪が深いところもあります。



前回来たときは東天狗岳からまっすぐ中山峠へ下りました。ルートはもうひとつあって、天狗の奥庭経由でも黒百合平へ下りられます。冬期の遭難が多数発生しているので避けていたルートですが、この日は視界もよく、トライしてみることにしました。
結果、岩混じりの歩きにくい道でした・・・。雪が降ればルートファインディングも難しくなりそう。夏ならすりばち池の眺めがきれいなのかもしれません。特別な理由がない限り、まっすぐ中山峠へ下りるのがシンプルだと思います。




東天狗岳を出てゆうに1時間以上、岩だらけの道をアイゼンで歩いてかなり疲れてきました。中山峠から行かなかったことを後悔しつつさらに進むと、やっと眼下に黒百合ヒュッテが見えました。


3日間で一番きつかったのは、この天狗の奥庭ルートでした。時間は正午過ぎ、黒百合ヒュッテでおいしいビーフシチューを食べて元気を取り戻すことに。コケモモのマフィンも食べたかったけど売り切れでした泣。



黒百合ヒュッテは靴のまま喫茶やトイレを利用できて大好きです!
黒百合平から白駒池へ(中山展望台・高見石経由)
黒百合ヒュッテでゆっくり休憩し、今夜の宿泊地、白駒池へ向かいます。まず中山峠へ登り返して高見石へ。
このルート中、中山展望台付近は強風で雪が吹き溜まりやすい、隠れた難所です。前年は天候が悪く、ここを通過できませんでした。トレースはもちろんなく視界はほぼゼロ、さまよったうえに胸まで踏み抜いたりして怖すぎたので撤退した苦い思い出のあるルートです。
今回は12500の地形図を準備しルートファインディングに備えていたのですが、トレースはばっちりであっさり通過してしまいました笑。


にゅう分岐から中山へ向かう道は、かなりの急登。わっせわっせ登っていきます(下の写真は登って上から撮影)。


中山山頂から中山展望台はすぐ。だだ広くて強い風を受けます。前年の記憶が嘘のようにルートは明瞭で、あっけなく通過。長い下りの後、高見石小屋へ出ました。


高見石小屋はさっと通過し、15:00、白駒池に到着しました。2日目は行動時間約6時間、距離は約9km。累積標高は上下とも約900mでした。今夜の宿は白駒荘。ゆっくり休もうと思います。

揚げパンがおいしい高見石小屋は、靴を脱いで中に入らなければなりません。
その3へ
白駒荘の宿泊レポートはこちら↓

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