九州

宮之浦岳をガイド付日帰り登山【淀川登山口往復】

スポンサーリンク
九州

こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、屋久島の宮之浦岳です。

宮之浦岳、縦走?日帰り?難易度は?

4月上旬、屋久島遠征3日目。九州最高峰の宮之浦岳を目指します。2022年グリーンシーズンのスタートが宮之浦岳とは幸先よし!

宮之浦岳に登る時、縦走にするか日帰りにするか迷うところです。縦走だと縄文杉や白谷雲水峡を一度に回れて効率が良いです。それには山中でのテント泊装備(現地調達が可能なのは水だけ)を背負って歩けることが条件。ちなみに無人小屋に泊まることもできるのですが、現在はコロナ禍で利用を極力控えるよう要請されているはず。

日帰りだと、コースタイム的に縄文杉を絡めるのは無理で、淀川登山口からの往復プラン一択です。

淀川登山口の問題点はアクセスが悪いところ。バスは1日2便で早朝便はありません。それに登山口の手前の紀元杉までしか行かないので、30分ほど車道歩きが加わります。これを回避するにはレンタカーを借りるかタクシーを利用するかです。

くっかばら
くっかばら

食糧から何から背負うテント泊は厳しそう。山道を運転する自信もない・・・。

それに、本州に比べて明らかに登山者が少なそう。行ったことのない屋久島で、山の真ん中で一人ぼっちはなあ・・・。

くっかばら
くっかばら

実際会った人は、登山中に5人、山頂に6人程(平日、晴れ)

考えた末、今回初めてガイドをお願いすることにしました。

屋久島にはたくさんのガイド会社があって迷いましたが、ソロでもOKで、他のグループと混合にならないガイド会社はそう多くありません。問い合わせをしたら良い感触だったグリーンメッセンジャー屋久島さんにお願いすることにしました。

結果的にこれが大正解で、道中はとても安全かつ楽ちん!ソロ山行ではいかにひとりでたくさんのことを処理しているか実感しました。ルートファインディングや危険物の発見はガイドさんに任せて、いつもより数倍味わって登山できた感じです。今回のガイドさんが普通に良い人だったのも大きい。

屋久島遠征3泊4日の記事はこちらをどうぞ↓

屋久島ひとり旅3泊4日【屋久島遠征2022】
4月上旬、屋久島をひとり旅しました。白谷雲水峡や縄文杉などの有名な観光地はおさえつつ、宮之浦岳の登頂を目的とする山の旅です。3泊4日というゆったりした行程なので、このほかにも見学したりお土産を買ったりする時間も取れて大満足。行って絶対に後悔しないと思います。
スポンサーリンク

宮之浦岳ルート詳細① 淀川登山口から投石平へ

淀川登山口から展望所〜杉と苔の森を歩く、展望所は寄り道必須

朝4:30、ガイドさんが宿にお迎えにきてくれました。まだ真っ暗な中、淀川登山口まで1時間ほど、くねくね山道のドライブです。

くっかばら
くっかばら

レンタカー借りていたら自分で運転無理だったな・・・

淀川登山口には駐車スペースが数台分くらいしかなく、残りは山道に路駐です。車の中で朝ごはんを食べ、準備をして6時に出発しました。

まだ薄暗いですが、大きな杉や苔についてガイドさんの説明を楽しみながら歩いて行きます。ソロだと何も考えずにすっ飛ばしていくところでした。ヤクシカもいました!

立派な杉
苔に着地した別の花(名前を失念)
淀川小屋
倒木に着地した杉の若芽たち
このあたりから世界自然遺産地域に入っていく
ヤクシカのお尻だけ見えた

淀川小屋を過ぎると、川に橋がかかっています。これが淀川ですね。河原に降りて行けるので休憩にも良さそうです。水が澄み切っていました。

澄んだ淀川の流れ

昨日、立派な杉をたくさん見てきましたが、この辺りの杉もかなり大きいです。他の木に絡みつかれていたり、台風で倒されたり、かわいそうな杉もあります。ガイドさんに教えてもらってひとつひとつ味わいながら歩きます。こんな登山の楽しみ方もあるんだな〜と新鮮。

他の木に絡みつかれた杉
葉を上へ伸ばす習性
立ち枯れてしまった杉

東の空がだいぶ明るくなってきました。雲が厚くかかっていますが、これからの予報は晴れ。海辺から見える山並みを「前岳」、見えない山並みを「奥岳」と呼ぶのですが、水平線と前岳がきれいに見えました。

東側の海と前岳

登山道から、高盤岳(こうばんだけ)のトーフ岩が見えました。本当にお豆腐を切ったみたいです。トーフ岩の撮影ポイントは、小花之江河を通過した後にもあります。

トーフ岩

宮之浦岳は5月〜6月のヤクシマシャクナゲで有名です。屋久島の花でもあるのですね。最初ピンクの花を咲かせ、白に変わっていくそうです。登山道にはたくさん生えていましたが、まだまだ固い蕾でした。見頃にはさぞきれいだろうな。

石楠花がたくさん
蕾はまだまだ固く

「展望所」という標識を入っていくと、これから歩いてゆく山々がよく見える大きな岩に出ます。ガイドさんがこれから行く道を示してくれました。いったん森に下降して、稜線に登り返して行きます。一番左側の山は黒味岳で、こちらも面白い山のようですが今日は登りません。

ここからいったん森に降りて、あの稜線へ登り返して行きます

展望所から花之江河〜冷んやりした森の中を下り、日本最南端の高層湿原へ

森をいったん下って行くと、湿原に出ました。小花之江河という場所です。

小花之江河
往路のちょうど半分まできました

すぐにもっと大きな湿原に出ます。日本最南端の高層湿原、「花之江河(はなのえごう)」です。このとき、遠くでオスのヤクシカが1頭、食事中でした。ツノがありますが体はやや小さめ。ガイドさん曰く、屋久島の動物や植物は本州に比べ小さくなってしまうとか。「島嶼化」というそうです。

花之江河から投石平〜宮之浦岳が姿を現す

花之江河の後は、また森の中を登って行きます。泥層湿原だけあって泥が目立ちます。ガイドさんがシカの足跡を見つけてくれました。人間の足跡に混じって、かわいい!

黒味岳への分岐、黒味分かれに出ます。ここから黒味岳へは往復1時間程度で行けますが、今日のツアーでは寄りません。ロープが出てくるワイルドな登山道とのことで面白そうですが、次回にとっておきます。

黒味分かれ
黒味岳への道

ロープ補助のある岩場に出ました。ロープを頼りに岩を下りて行きます。難しくはないですが、大きなカメラを抱えたままだったので少し気を使いました。

上から下りて来ました(帰りはここを登ります)

大きな白い花崗岩にロープがもう1本。ガイドさんによればこの花崗岩はかなり削れているので、これを避けて、岩の間の窪みから右側の岩によじ登って行きました。どちらから行っても大丈夫ではあるそうです。

この岩は削れが激しいので →
右側の岩に乗り上げていく

投石平と呼ばれるポイントに出ました。大きな岩がたくさんある開けた場所です。360度ぐるりで、周りの山々がよく観察できます。とうとう宮之浦岳も小さく見え出しました!

 

投石平は休憩にちょうどよい場所
黒味岳
永田岳が奥に見える
宮之浦岳(重なった山の左側のピーク)

宮之浦岳ルート詳細② 投石平から宮之浦岳山頂へ

投石平から栗生岳〜登りはきついが展望が良い道

投石平からの登りに備えて上着を脱ぎ、出発。どんどん展望が良くなり、宮之浦岳が近づいてくるのを見ながら歩きます。途中、大きな一枚岩を渡ったり、飛び越えたりして行きます。

一枚岩を渡っていく
崩れかかった箇所も
宮之浦岳に近づいて行きます
宮之浦岳の山頂に人が立っています
栗生岳。だるまのような岩が特徴

宮之浦岳の手前にある栗生岳という小ピークへ向かいながら振り返ると、歩いてきた道が一望できました。左手に見える岩が2本乗った山は翁岳。その岩の上にはさらに岩が乗っていて面白いです。

 

翁岳。岩がさらにちょこんと乗っているのが見えますか?
振り返って。真ん中の道を歩いて来ました
東側、尖った山は(確か)愛子岳

だるまのような岩の乗った栗生岳に到着。

栗生岳へ向かう
栗生岳

宮之浦岳山頂〜全方位に絶景が広がる

山頂へのビクトリーロード!とうとう来ましたよ。

10:25、スタートから休憩含めて4時間30分をかけ、ついに宮之浦岳に到着です。

今回、ある意味山頂を踏むより楽しみだった永田岳の眺望。緑の絨毯に砂利を投げつけたようなこの眺め。隆起した花崗岩が激しい侵食と風化を繰り返した産物なんですね。ガスで見えない日も多いそうなので最高にラッキーです!

これが見たくて頑張りました

この日はチリが少なく、北東方面は開聞岳まで見渡せました。西側には口永良部島、噴煙までくっきり。

開聞岳が見えました
永田岳の向こうには、口永良部島

北側には、縄文杉へ続くルートもくっきり。昨日の縄文杉の感動が蘇る・・・。

縄文杉は右の奥の方

屋久島には「岳参り」という風習があります。海岸の砂を山頂まで持っていって五穀豊穣などを願うものです。各集落で行うもので現在は取りやめたり簡素化されたりしているそうですが、宮之浦は最近復活させたとガイドさんの説明。山頂を永田岳方面へ少し下りて岩を回り込んだところに、ひっそりと祠が安置されていました。

岳参りの祠

宮之浦岳ルート詳細③ 下山

山頂で思う存分撮影した後、名残惜しいですが下山です。風を避けて、栗生岳を下りたところでランチになりました。

山頂まで1kmの所でランチ

屋久島では登山者のお弁当が非常にシステマチックに調達できます。宿泊施設から予約すると、朝4時には届いています。この日はおにぎり弁当+焼き魚でしたが、入っていたさつま揚げが美味しくて感動。ガイドさんがお味噌汁を振る舞ってくれました。

このポイント(栗生岳を下りてすぐ)近くの水場で、水を汲んで行きました。もっと下にも水場はありますが、ガイドさん曰くこちらの方がより軟水だとか。宿に帰ってこれでコーヒーを入れたら最高に美味しかったです。

同じ道を辿って帰りますが、アップダウンがあって最後まで足を使います。とはいえガイドさんの休憩タイミングが絶妙であまり苦もなく歩き通せました。

順調に淀川まで帰って来ました。河原で一休み。振る舞われた甘い飲み物が沁みる・・・。とそこへ、ヤクシカが現れました。近寄っても逃げずにバッチリ撮影させてくれました。

目のつぶらなヤクシカさん

ガイドさんは最後までネイチャートークを展開してくれて、苔に杉が着地していると教えてくれました。

苔に杉が着地している

午後3時、淀川登山口に帰還。今夜の宿まで送ってもらい、最後まで楽をしました。

宮之浦岳日帰り登山、天気に恵まれて、ネイチャートークを聞きながらあっという間の9時間でした。当たり前ですが山には自然が溢れていて、ゆっくり味わいながら歩くのも素敵な登山スタイルだと実感できました。

ガイドさんはこの週、3回宮之浦岳ツアーを案内されたとか。本当にお世話になりました!

次は黒味岳と永田岳にも寄って、屋久島三山縦走をして見たいです。

アクセスとデータ

アクセス×淀川登山口から日帰り登山の場合、車で行くしかない
縦走や淀川小屋泊のプランなら、紀元杉へのバスを利用可能
淀川登山口の駐車場は数台しかなく後は路駐する
難易度標準コースタイムは9〜10時間と長いが危険箇所はほぼなし
アップダウンを繰り返す道なので体力が削られる
花崗岩なので滑らず歩ける
春先までは登山道の湧水が凍結するためチェンスパ要
トイレ淀川登山口にきれいな簡易水洗トイレ
淀川小屋に汲み出しトイレ
以降は、携帯トイレブースを利用する
データ総距離:13.8km 時間:8時間54分(休憩含む)
累積標高:(上)(下)ともに907m
その他宮之浦岳の山頂では4Gが入る

スポンサーリンク
少しでも参考になりましたでしょうか?よかったらシェア頂けると嬉しいです。
No Mountain, No Life.

コメント

タイトルとURLをコピーしました