北アルプス

剱岳を1泊2日登山、カニのよこばいは怖かった【別山尾根往復】

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こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、2020年10月に登った剱岳です。3月は花粉症が辛いので家で過去の登山を思い出しています。核心部の写真はあまりないです(撮れなかった・・・)。

憧れの剱岳、難易度は?初心者でも大丈夫?

剱岳は山のグレーディングEで、大キレットなどと並んで一般登山道の中では最高難易度となっています。核心部のカニのタテバイとヨコバイの他にも、浮石があるような岩場の上り下り、下が切れ落ちた岩場のトラバースといった危険箇所のオンパレード。明らかに普通の山とは一線を画し初心者の方には向かない山です。もし初心者として行くなら少なくとも経験者の人と一緒に行くべきでしょう。

とはいえ、本当に危ないところには頑丈な鎖がついているので安心感はあります。事故は意外と鎖のないところで起こります。私が登頂した日も、普通の所から足を滑らせて何十メートルか滑落した人がいました。

セルフビレイの準備をしていくかどうか、悩む人もいると思います。私も考えましたが持っていきませんでした。登った後で考えると、大人ならセルフビレイを取るような場所ではないかな、と。足腰を鍛えて確実に登って行く方がいいです。あと腕がとても疲れるので鎖に頼るのは本当に必要な時だけにする方がいいと思います。

危険さを強調してしまいましたが、本当に素晴らしい山でした。私は登山歴5年くらいで登り、岩場はある程度こなしている状態でした(重太郎新道や、関東付近の岩山)。剱岳を目標にしてトレーニングし、満を持して登るのは感動もひとしおだと思います。ぜひ準備万端で登ってみて欲しいです。関東周辺の岩場トレーニングに良い場所をまとめた記事がありますので、良かったらどうぞ↓

剱岳やキレットが待っている!岩場の練習におすすめの関東の山たち【日帰り】
剱岳や3大キレットに挑戦するのに、練習しておくことは大切。実際に登った山の中から岩場の練習に良かった関東の山々をまとめました。電車・バスで行けて日帰りが出来る山が中心です。岩場初心者向けのやさしい岩場から、危険度の高い岩場まで、難易度別にまとめました。

剱岳へのルートは全方位的にあって、一般登山道の別山尾根・早月尾根、バリエーションの源次郎尾根・八ツ峰・北方稜線があります。バリエーションの方は完全にクライミングの世界。山頂から見たルートがとてもかっこよかったです。憧れるなあ・・・。

剱岳を日帰りで登ったという話もたまに聞きます。別山尾根からでも早月尾根からでも、片道8時間はかかるロングルート。雷鳥沢か剱澤にテント泊をするか、剣山荘・剱澤小屋に泊まるのが普通だと思います。私は室堂から入り剣山荘で一泊、翌朝早朝出発で剱岳に登頂、その日のうちに室堂まで下山する行程でした。2日目は行動時間10時間、累積標高が上下とも1500m近くになりました。

くっかばら
くっかばら

2日目はかなり疲れました。朝に核心部を通るプランにして良かったです。

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剱岳のルート詳細① 室堂から剣山荘

室堂から別山乗越〜雷鳥沢から別山乗越は急登

朝に東京を立ち、富山側から室堂入りしました。10月だったのでアルペンルートの混雑はありませんでした。

室堂から雷鳥沢までは、美しい立山を眺めながらのんびり歩けます。道は完璧に整備されています。ただこの日はお天気がいまいちで霧が濃く出ていてテンションは低め。明日の天気予報は晴れ、信じて進みます。

雷鳥沢キャンプ場が下に見えてきました

雷鳥沢から別山乗越へは、雷鳥坂を登るか、新室堂乗越から回るかになります。どちらも時間的にはあまり変わりません。結構な急登のため雷鳥坂では直登になるので、新室堂乗越から回っていきました。

別山乗越から剣山荘〜下り基調の道、剣山荘への近道は岩がごろごろ

別山乗越にはきれいな外トイレがあります(協力金要)。剱岳へ登る人、下山する人、たくさんの人がいました。ここからは剱岳が目の前にどーん!と見えるはずなんですが、霧が立ち込めて見えません。

別山乗越からは剱澤へ向かう道がメインルートですが、剣山荘へ向かう近道もあります。私はその近道で行ったのですが、ごろごろの岩の上を歩くところが長くてちょっと疲れました。これなら剱澤へ下りてそこから剣山荘へ向かった方がいいかもしれません。

右手に剱澤のテント場が見えてきました

この日は剣山荘に宿泊。とても快適な山小屋で、剱岳登頂前夜をゆっくり過ごせました。みなさん緊張感が漂っていて静かな雰囲気でした。剣山荘については良かったら「アクセスとデータ」欄もご覧ください。

剱岳のルート詳細② 剣山荘から山頂

剣山荘から前剱〜頭は真っ白、夢中で鎖場をこなしていく

朝の5時。荷物は剣山荘にデポし、アタックザックにはハードシェルと行動食、飲み物など。ヘルメットとヘッドランプを装着して、いよいよ出発です。最初は真っ暗でしたがすぐに空が白み始めました。天気予報は晴れ、最高の1日になりそうです!

西側には月が沈んでいくところでした
出発してすぐご来迎

まずは前衛の一服剱へ向かいます。別山尾根の鎖場には1から順番に番号がついていて、合計13個あります。初めの方の鎖場は特に鎖の補助がなくても登れます。

ピントが合ってませんが、1番鎖場
2番鎖場

一服剱に出ると、前剱が眼前に。この風貌だけでアドレナリンMax! 浮石のたくさんありそうなざれた岩場を、落石しないように慎重に歩いていきます。このあたりから足元が悪くなり難易度が上がったのを感じました。何番の鎖場か忘れてしまったのですが、登りと下りが一方通行になっている所があります。ちょっとわかりにくくて登り専用を下りてしまって、先行者さんが教えてくださったり。

そういえば剱岳の登山者さんはみなさんとても嬉しそうだったのが印象的でした。やっぱりみんなのスペシャルな山なのですね。

一服剱から見る前剱

前剱についたら、やっと剱岳のお姿を拝することができました。かっこいいという言葉しか出てこないです。威風堂々、人を寄せ付けない雰囲気の高貴な山容。なんだか涙が出そうでした。

前剱から見る剱岳

前剱から剱岳山頂〜カニのタテバイは特に難なくクリア

前剱からの下りの後、天空の梯子があります。結構細いです。もちろん手すりなどなし。バランスを保ってさっさと渡るのがいいと思います。で、梯子の後は切れ落ちた岩場のトラバース!視覚的にものすごいインパクトです。下を見ない方がいいです。個人的には、カニのタテバイよりここの方が断然怖かった。私には1番の難所でした。

梯子に向かって激下り、梯子を渡り、右にトラバース

平蔵のコルへ向かって下っていきます。この間も両側が切れ落ちてすごい景観。真剣に見ると怖いのでちらっと見ながら進みます。

切れ落ちた谷間の横を通過

そして、とうとう来ましたカニのタテバイ!この日は10月の平日だったのですがそれでも数人は待っています。ハイシーズンだとすごく待ちそうですね。

取り付きは左側からがいいと思います。ぐっと足を上げれば岩に乗れます。乗った後、ホールドやスタンスは結構ありますが、高度があるので鎖を持っている方がいいです。私は足が届かずに鎖に頼って足を上げる所もありました。下の写真では赤がタテバイ青が帰りのヨコバイです。

平蔵のコル付近から見たカニのタテバイとヨコバイ

タテバイとヨコバイは見た通り一方通行です。しかしタテバイの矢印の終点付近からは狭い岩に挟まれた道で、両側通行になります。ここは譲り合いで結構混みました。抜けて上に出ると、登ってきた一服剱、前剱、平蔵の頭がよく見えました。

カニのタテバイを抜けて、振り返ると通ってきた岩場を一望

山頂へのビクトリーロード!はガレ場で、20分くらい歩くので辛く感じました。登頂は8時半、休憩を除いて約3時間の道のり。とても嬉しいので珍しく山頂で自分を撮影してもらいました。

 

剱岳、登頂!

山頂に立つと、東西南北からアプローチするルートが見えます。八ツ峰がとても格好良かったです。

八ツ峰、クライマーの世界です

剱岳のルート詳細③ 下山

剱岳山頂から室堂〜山頂直下のカニのヨコバイはタテバイより怖い

山頂でゆっくりしたら室堂へ向けて下山開始。こんなに下山したくないと思った山は初めてでした。すぐにカニのヨコバイに到着。

ヨコバイへ向かい急降下する

ヨコバイへは左のようにまず急降下します。ここで順番を待ちます。

緑色の服の人がいるあたりから、横にトラバース。それがカニのヨコバイです。下には何もない岩場に向かって足を下さなくてはならないので、その最初の一歩が怖いです。

先にやや半身になりながらスタンスを探します。鎖はしっかり持って。ちょうど良い所に絶対にありますので信じましょう(今だから言えることですが・笑)。靴先がすぽっとはまる穴が横に続いていますので、鎖を掴んだまま横に少しずつ移動します。

ヨコバイをクリアしたら、すぐに長い梯子があります。これはゆっくり行けば問題ないです。梯子が終わったら鎖でさらに下へ降りてゆきます。

梯子のあと、平蔵のコルへ向けて下る

ここで13の鎖場は終わり。後は同じ鎖場を辿って戻ります。剱岳に後髪を引かれて、振り返ってばかりで、なかなか進めません。

剱岳を振り返ってばかり

剣山荘に戻ったのは12時くらいで、ランチ休憩しました。ここから室堂へは4時間くらいの道のりです。別山乗越へは登り返しになるのでかなりきつい。黙々と登り、雷鳥坂の激坂を下り、雷鳥沢からまた室堂へ登り・・・といじめのような道のりでした。室堂に着いた時は足がもつれてました。でも天気がとても良くて、雷鳥坂の紅葉や立山の美しさが救いで最後まで歩ききれました。

雷鳥坂の紅葉と立山がきれいでした

このままバスで帰れる時間でしたが、せっかくなので私は雷鳥荘にもう一泊。翌日は一ノ越から雄山くらい登ってみようと思っていたからです。でも結局は、一ノ越から黒部湖まで徒歩で下りるという、鬼合宿のような行程になりました。なぜかというと、東一ノ越の紅葉がものすごくきれいだったから。お金も節約できるし行くか〜と軽い気持ちだったのですが、この道は最後が藪漕ぎで辛め。でも紅葉は絶品で、人もあまりいなくて最高でした。

東一ノ越からの紅葉、錦の絨毯のようでした

黒部ダムを見学した後、帰路につきました。剱岳に登った感動を思い出すと今だに胸熱になります。今度は早月尾根、できれば源次郎尾根を登ってみたいです。

アクセスとデータ

アクセス室堂までは富山側か長野側からアプローチ
早いのは新幹線で行ける富山側だが、長野側はダム見学ができる
難易度×別山尾根は鎖で整備されているものの危険箇所多数
トイレ別山乗越、剣澤小屋、剣山荘で利用可能
剣山荘の後はトイレはない
立ち寄り湯雷鳥荘、みくりが池温泉(感染症対策で中止のことも)
剣山荘相部屋だが仕切りがあって快適。人数も制限していました
トイレが完全な水洗
温水シャワーがある(シャンプーなどは不可)
早発ちの人のために味噌汁やスープが置いてある
雷鳥荘個室がある。部屋は大きくて快適、清潔なシーツ
温泉は白濁の硫黄臭、とても良い泉質
食事は山小屋寄り

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No Mountain, No Life.

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