こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、北アルプスの乗鞍岳です。
乗鞍岳は手軽に登れそうだけど、もう少しハードにしたい。
乗鞍岳は主峰の剣ヶ峰が3026mある、れっきとした3000m峰でありながら、とても簡単に登れる山の代表格ですね。バスを利用すれば片道1.5時間程度で登頂できます。電車・バスを使っても東京から日帰りできてしまいます。
登山だけではなく自転車(8月のヒルクライムレースは有名)、ふもとの高原、温泉など様々な楽しみがある山。なのにお隣の上高地に比べて静かな雰囲気です。
今回、もう少しハードにするため位ヶ原山荘から登ってみました。
乗鞍岳へのアクセス
乗鞍岳へは長野側と岐阜側からアクセスできます。
東京から行く場合は松本→新島々→バスで乗鞍高原→バスで畳平、という方法が一般的ですね。バスはアルピコ交通が運行していて、予約は不要です。この方法だと東京から畳平まで約6時間、およそ10000円かかります。
岐阜側から入る場合は、平湯温泉から畳平まで濃飛バスが出ています(約60分、1450円)。東京から平湯温泉までは高速バスが便利(約5時間、5400円)。時間はかかりますが、長野側より少し安くなります。平湯温泉からは新穂高温泉や高山へのバスも出ていて、観光と組み合わせることもできます。
注意すべきは長野側も岐阜側も、時期と天気によってダイヤが変わることです。特に「雨の日ダイヤ」になっていないかどうか、事前にHPで調べておくほうが安全です。
夏期には「ご来迎バス」も出ます。麓に宿泊してご来迎だけ見に行くというスタイルは年を取った時にいいかも。
この日、「あずさ」が鹿と衝突して30分停まってしまい、松本電鉄に乗り遅れそうで焦りました・・・。こんなこともあるのですね。
乗鞍岳の登山ルート
バスで簡単に登れるのが魅力の乗鞍岳ですが、ハードにすることもできます。乗鞍高原、平湯温泉、白骨温泉から登山道があります。平湯温泉から登ることを考えたのですが、藪こぎがあるらしいのでパス(笑)。白骨温泉からは相当の健脚者向けルートなので今回はやめました。
乗鞍高原から直接登る道は、調べたところ樹林帯が続く道でしかも真剣に熊がいます。そこで、バスで終点の畳平までは行かずに位ヶ原山荘で降り、そこから歩いて登ることにしました。
バス料金は変わらないので、費用の節約にはならないです。
下山は畳平へ。バスの最終は16:30で、このルートで十分日帰り圏内でした。ただ私は星空とライチョウが見たかったので、畳平の白雲荘に宿泊しました。白雲荘の宿泊レポートはこちらをどうぞ↓
登山レポート〜位ヶ原山荘から剣ヶ峰山頂、畳平へ下山
訪れたのは9月初旬です。紅葉前の平日なのでバスは空いていました。
位ヶ原山荘でバスを降りたのは私ひとり。まずは山荘で腹ごしらえのおでん(600円)を頂きました。作業の手を止めて対応して下さったのは多分オーナーさん。テレビで見たことがあります!
山荘からまずは車道を歩きます。
しばらくすると右手に登山道の標識があります。入っていくと、わりと暗めの樹林帯。沢沿いなので足元は岩がごろごろしています。
道はとてもよく整備されているのですが、樹林帯のためか虫がたくさん。熊がいそうな感じなので、盛大に熊鈴を鳴らしながら歩きました。
時々車道に出ては、また登山道に入ります。だんだんと視界が開けてきて気分もアップ。
正直ここまでは少し辛かったのですが、お花がまだきれいに咲いていて癒やされました。チングルマは綿毛になってしまっていましたが、光があたってきれい。
50分ほどで、肩の小屋口へ出ました。バス停やトイレがあります。ここからは開けた場所を歩いて行けるのでテンションアップ!
樹林帯歩きをしたくない人は、肩の小屋口でバスを降りると楽しい道だけを歩けます。
火山であることの証明のような岩がごろごろした道を登っていきます。途中、左手に雪渓が残っていて、スキーをしている人たちがいました。
山肌は草紅葉が始まっていました。
山頂へ道がついているように見えますが登山道ではないです。
14:10、位ヶ原山荘から1時間10分で肩の小屋に着きました。この間の標高は400mあるのですが、1時間で登るというトレーニング目標をほぼ達成できました!
しかし肩の小屋についたとたん、いきなり霧が立ち込めて剣ヶ峰方面がまったく見えなくなりました。風も強くなってきて水滴も感じます。迷いましたが、ナウキャストをチェックしたら雨雲はかかっていなさそうなので、山頂をめざすことにしました。
肩の小屋から剣ヶ峰まではコースタイムで50分ほど。足元は岩だらけですが道は広く歩きやすいです。しばらく歩くと、剣ヶ峰へ向かう稜線に出ます。ここは風が強く吹くので注意です。
神社と山頂への分岐に出ますが、どちらへ行っても山頂へ出ます。とりあえず山頂というほうへ行ってみると、頂上小屋があって飲み物やグッズの販売をしていました。
頂上小屋をくるっと回り込むと神社に出ます。その奥が剣ヶ峰山頂。何も見えないのが残念ですがいつものように雷鳥さんとパチリ。
風が強いのですぐに下山開始です。肩の小屋まで戻ったら畳平への整備された道を行きます。
途中、不消ケ池(きえずがいけ)という火口湖があり、「お花畑」のほうへ降りていく分岐があります。畳平のバスセンターや宿には、ここを下りていくのが近道です。
「お花畑」は1周の木道になっていて、初夏にはハクサンイチゲが群生してきれいなようです。現在は木道を修理中で、途中までしか回れません。
乗鞍岳にはたくさんの火口湖や堰止湖があることでも有名。一番よく見るのは、畳平の近くの鶴ヶ池ですね。
16:00前に畳平バスターミナルへ戻ってこれました。最終に余裕で間に合う時間です。
手軽に登れる乗鞍岳ですが、やはり3000m峰。ジーンズやスニーカー姿の人もいましたが、強風やガスに巻かれることもあるのでしっかりした服装と靴で登るのがベターです。
ふもとの高原や近隣の観光と合わせるともっと人気が出てもよいと思える、素晴らしい山でした。
剣ヶ峰以外の山
乗鞍岳は23もの峰の総称ですが、主峰の剣ヶ峰以外にも畳平から登れる山があります。
まず、富士見岳(2818m)。剣ヶ峰側から上って畳平側へ降りることができるので、時間があったら帰り道に寄ってみるといいですね。道はごつごつしているので注意してください。
次は、大黒岳(2771m)。富士見岳の北側にあります。大黒岳ではライチョウの目撃情報が多いので、期待して登ってみました。
が、台風の影響を受けて25mくらいの風が吹いていたせいか、出てきてくれませんでした。
最後に、魔王岳(2764m)。畳平から一番近く、山頂付近まで階段が続いていて20分程度で登れます。階段の途中で、向かいの恵比寿岳の火口湖の亀ヶ池がきれいに見えます。
下山後の楽しみ
乗鞍ではなんといっても温泉です!硫黄泉好きなら外せない。ただ、かなり硫黄臭が残ります。帰りの電車でゆで卵のような臭いがするのはちょっと・・・笑。
外来入浴ができる施設のうち、観光センターに近い「湯けむり館」に行こうと思っていたのですが、あいにく休館日。ここは乗鞍らしい強い硫黄泉が楽しめます。
観光センター近くには「せせらぎの湯」という無料の温泉があって、地元の有志の方が維持してくださっているようです。こちらも強い硫黄泉。ただ洗い場がなく、私は髪を洗いたかったので今回はパス。
結局、休暇村の外来入浴を利用しました(11:00 – 16:00、700円)。とても広くてきれいな施設だったのですが、硫黄泉ではなかった・・・。少しだけ赤みのあるお湯ですが透明無色でした。
せせらぎの湯に行ってもよかったかも。
休暇村からは松本行きのバスが出るので便利です(観光センターも経由していきます)。
登山データ
難易度 | ◯ | 3000m峰だが道は整備されており歩行時間は短い |
トイレ | ○ | 乗鞍高原の観光センター、スカイライン途中の肩の小屋口バス停、 畳平にトイレあり ※畳平のトイレは旧式。水洗を使いたい場合はレストハウスで有料 |
データ | 行動時間:2h50m 総距離:6.1km 累積標高:(上)680m(下)333m ※富士見岳・大黒岳などは含まれていません |
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