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剱岳やキレットが待っている!岩場の練習におすすめの関東の山たち【日帰り】

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※2023年2月更新。2022年に両神山を再訪し写真をアップしました。

こんにちは、くっかばらです。毎日寒いですが、秋から冬はトレーニングに最適なシーズン。今回は、岩場のトレーニングについて考えてみます。

岩場に慣れるのに良い関東近郊の山は?アルプスの岩陵帯の通過の練習がしたい。

岩場での身のこなしを身につけるには、クライミングやボルダリングを習うのが一番手っ取り早いと思います。とはいえ、装備や時間もないし取りあえず岩場に慣れたいな、というとき(昔の私)。

そんな時にぴったりな岩場の練習におすすめの関東の山々を、実際に行った山の中から紹介します。日帰り圏内、電車・バスで行ける山がメインです。

私はもともと岩場が得意でもなかったのですが、岩場鎖場好きの同行者に付き合っているうちに慣れてきて、何となく楽しいと思えるようになりました。

おかげで、剱岳(別山尾根)では落ち着いて行動できたと思います。その後、3大キレットもこなし、今はクライミングを習得中です。いつかバリエーションルートへ・・・行けるかな?

くっかばら
くっかばら

クライミングはまだまだです・・・。

岩場での写真をあまり撮れず、写真少なめの記事なのですが、もしご参考になればうれしいです。

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岩場の練習におすすめの山々①〜難易度低

丹沢表尾根

ヤビツ峠から塔ノ岳へ抜ける丹沢の表尾根縦走では、三ノ塔の後、短く岩場鎖場が登場します。核心部は長い岩場をクライムダウンするところ。休日に行くと、核心部の通過には長い行列が出来ます。

勇気を出してえいっと行けばすぐ終わりますので大丈夫。はじめの一歩にぴったりです。

アクセスは良く、ヤビツ峠までは小田急線秦野駅から神奈川中央交通のバスが出ています。帰りは塔ノ岳から大倉尾根を下りれば、秦野ビジターセンターから神奈川中央交通のバスで小田急線渋沢駅まで帰れます。

2019年5月、ゴールデンウィーク中に行きました。

伊豆ヶ岳(秩父)

伊豆ヶ岳の男坂

西武池袋線の正丸駅から西吾野駅まで歩けるアクセスの良いコースです。伊豆ヶ岳山頂の手前には「男坂」と「女坂」があって、男坂の方には長い鎖場と岩場があります。男坂は以前に滑落事故があったらしく立ち入りを自粛するよう看板が立っていますが、登山者は入ってしまってますね・・・。岩は少し滑りやすく鎖場は長いものの、落ち着いて歩けば特に難しくはないと思います。

初めての長い鎖場の練習にもってこいです。

2021年1月に行きました。冬でも楽しめるコースです。

十二ヶ岳(河口湖)

吊り橋の向こうは急傾斜の岩場

御坂山塊の十二ヶ岳は面白い山。1から12まで小ピークに番号がついています(崩れかけて識別不明の番号もあり)。この小ピークは軽い岩場が連続するので歩いていて楽しいコース。核心部というほどの難所はありませんが、山頂直下に切れ落ちた谷があり、そこにかかる吊り橋が名物。吊り橋は結構揺れます。吊り橋を渡ると岩の急登が始まり、ロープの補助があります。

岩まじりのざれた急斜面を登っていく練習によいです。

アクセスは東京からバスか電車で河口湖まで行き、西湖周遊バス(グリーンライン)で毛無山登山口へ。帰りは十二ヶ岳登山口から同じバスで河口湖へ戻れます。

2020年12月に行きました。こちらも冬でも楽しめるコースです。

岩場の練習におすすめの山々②〜難易度中

三ツ岳(北八ヶ岳)

三ツ岳Ⅲ峰の岩場

北八ヶ岳ロープウェーを降りて坪庭から北横岳へ向かうと、三ツ岳への分岐があります。しばらく歩くと目の前に岩山がどーん!と現れます。これが核心部のⅢ峰で、大きな岩なので体全体を使ってよじ登って行きます。難しい人は右の方へ巻道がありますが、巻道も岩場歩きです。

良い足場がない大きな岩(鎖なし)によじ登る練習ができます。腕の力がある程度いるかも。

アクセスは茅野駅からアルピコ交通のバスで北八ヶ岳ロープウェーまで。帰りも同様です。

2020年1月に行きました。岩が凍っていて、12本爪アイゼンで歩きました。岩場の練習だけなら夏のほうがいいです。

四阿屋山(秩父)

四阿屋山上級コースの核心部。高度感のある垂直の岩

四阿屋山(あずまやさん)の「つつじ新道」と呼ばれる上級コースには、岩場鎖場があります。鎖場は結構長く登場します。核心部は、垂直の岩登り(写真だと垂直に見えないですがほぼ垂直)。足をかけるところは結構あるのですが、体全体を使ってかなり苦労して登りました。

剱岳カニのタテバイの練習に良いと思います。

アクセスはちょっと不便で、西武秩父駅から小鹿野町営バスで終点の薬師の湯まで行きます。つつじ新道へは20分ほどの車道歩き。帰りはハイキングコースで下山すると薬師の湯に出ます。両神山へ向かう路線なので、バスの混みようがすごいです。

2021年4月に行きました。つつじ新道は休日でもひっそりしていて、やせ尾根を歩くので女性ソロはおすすめしないです。

乾徳山

乾徳山の山頂直下、有名な長い鎖場

乾徳山で有名なのは山頂直下の長い鎖場です。この岩は滑らかな一枚岩のような感じで、足をかけたり掴んだりするところがありません。そこで取り付きは鎖を握ってぐっと体を持ち上げます。その感じが剱岳カニのタテバイと似ています。

とても混んでいて、写真のような行列ができていました。みなさん上を見上げています。カニのタテバイも同じ状況になるので、衆人環視のなかで落ち着いて岩場を登る練習にもってこいです(笑)。

アクセスは、JR塩山駅から山梨交通のバスが出ています。

2021年6月に行きました。この鎖場の他にも岩場あり、富士山の眺め良しの楽しいコースです。

岩場の練習におすすめの山々③〜難易度高

両神山(八丁尾根)

長い鎖場
高度感ありますが、樹々であまり怖くない

両神山の八丁尾根は20個以上の鎖場があることで有名ですね。私は往復したので50個くらいこなすことになりました(笑)。鎖場は簡単なものから難しいものまで様々。とにかく数が多いです。

剱岳別山尾根の鎖場も数が多いので、最後までこなせる体力があるか確認できます。

個人的に核心部だと思ったのは、上の写真の岩のトラバース。初めて行ったときは小雨がぱらついていて滑りかけ、怖かったです。

切れ落ちた感じが大キレットの飛騨泣きに似ていて、雰囲気を味わえます。

両神山八丁尾根へは、上落合登山口から八丁峠に登ります。バスの便はなく、車で三峯側から落合橋に回ります。北側の八丁トンネル登山口は林道金山志賀坂線が通行止めになっているので利用できません。

2021年5月に行きました。八丁尾根は滑落事故が時々ありますので、行かれる場合は慎重に。ヘルメットは必須かと思います。

※2022年6月再訪。新しく写真をアップしました。

八海山

最後の大日岳からの長い長い下り

八海山も、両神山八丁尾根同様、鎖場が連続する山です。異なるのは八海山の方が鎖場へのアプローチがきつく長いこと。高度感も八海山のほうが断然あります。最後の大日岳からの下り、上から見て言葉を失いました・・・。足場はあるので落ち着いて降りました。

アプローチで体力を削られた後に、連続鎖場をこなしていく練習になります。高度感に負けずに落ち着いて登り下りする練習にも。

アクセスは越後湯沢まで新幹線を使い、JR上越線か北越急行ほくほく線で六日町駅まで、そこから南越後観光バスが出ています。

2021年9月に行きました。コースタイムがきつめですが焦るべきではないコースなので引き返す勇気を。

八海山の記事はこちらをどうぞ

八海山を日帰り登山【ロープウェーから鎖場往復(八ツ峰コース)】
越後の霊峰、八海山に登ってきました。コース後半部分の「八ツ峰」と呼ばれるギザギザの岩峰は経験者に限られますが、鎖場が続くスリリングな登山が楽しめます。東京からアクセスも容易で、新幹線を使えばなんとか日帰りが可能です。

岩場の練習におすすめの山々④〜危険

二子山(秩父)

二子山西岳

二子山西岳の「上級コース」は危険と言ってよいレベルです。鎖の補助なしで垂直に感じる岩場を登っていきます。上の写真は西岳ですが、中央から少し右よりに上級コースがあります。20分くらいは核心部の岩場に取り付いているので疲れてくるし、高度感がすごくて心が負けそうになります。反面ホールドはたくさんあるので、落ち着いて行けばこなせると思います。その後、中央峰から西峰へ歩く尾根道はやせた岩場歩き。ここもまた、心が負けそうになるほどの高度感です。

二子山上級コースでは、圧倒的な高度感に負けそうな心に耐える練習になりますね・・・。

アクセスはあまり良くなく、西武秩父駅から西武バスがあるのですが、小鹿野役場で坂本行きのバスに乗り換える必要があります。本数も少ないし接続も良くないので私はレンタカーを借りました。

2021年5月に行きました。二子山上級コースとやせ尾根は滑落事故がたびたび起きています。行かれる場合はくれぐれも慎重に。ヘルメット必須、ロープワークの心得がある方はあると安心です。

※2022年秋頃、二子山を登っている途中の登山者が熊とかち会った動画が拡散されました。やせ尾根を熊が歩いていたということですよね・・・(怖)。

二子山の記事はこちらをどうぞ

二子山(小鹿野町)を上級コースで日帰り登山
秩父小鹿野町の二子山に登ってきました。「クレイジーマウンテン」とも呼ばれる二子山は難易度も高く滑落事故が多い危険な山。特に上級コースからナイフリッジの西岳稜線を歩くコースは、鎖などの補助がなく自らの力が頼りです。スパイシーな山ですが達成感はすごいです。

表妙義(鷹戻し除く)

高度感がすごいです

表妙義縦走は、鎖場が連続し高度感もものすごく、そしてとても長いです。おそらくここに挙げた山の中で最も過酷だと思います。妙義神社からスタートする場合、まず「奥の院」と呼ばれる垂直な岩登り。ここは剱岳のカニのタテバイといい勝負で、下にギャラリーがいるのも同じ(笑)。次の「びびり岩」は巨大な1枚岩をトラバースするのですが、この岩の下は本当〜に何もなく、鎖を離したら真っ逆さまです。

妙義神社から、白雲山・相馬岳を縦走しました。この後、「鷹戻し」という核心部に行く予定でしたが、時間切れでした。再訪を予定していますが、できればロープ確保術を習得してから行きたい所です。

表妙義は、岩場の総仕上げといったところでしょうか。丸腰でなんとか行ける最後の岩場かも。別山尾根よりもっと危険度を感じました。

アクセスは高崎まで新幹線、信越本線で松井田駅まで行き、そこからはタクシー利用しました。

2020年11月に行きました。ヒルがいるので寒い季節に行くべきでしょう。ロープ装備の方もいるくらいの場所です。慎重にいきましょう。

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No Mountain, No Life.

コメント

  1. ナルホイヤ より:

    昨年から登山を始めた初心者です。
    10月に西穂山荘から西穂高岳までの岩稜帯縦走を試みるも、降雪もあり独標にも辿り着けずに引き返して以来、今夏の再挑戦を期しています。
    それまでに関東エリアで岩場登りの練習ができる所はないかと探していた折、くっかばらさんのページを見つけました。大いに参考にさせていただきます! ^^)

    • ナルホイヤ様
      コメントありがとうございます!
      西穂は残念でしたが、独標手前も険しいですし、悪天候では撤退一択ですよね。
      私もあのルートは天気で何度も悔しい思いをしています。
      再挑戦、お天気に恵まれ楽しめますように!

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