こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、厳冬期の日光白根山を見るための、前白根山への登山です。

冬の日光白根山に登りたいけど、難易度は?
日光白根山は標高2,578m、関東以北の最高峰です。丸沼高原からロープウェイを利用すれば、比較的楽に登頂できます。
冬も運行していて、群馬側からのほうが技術的に易しいと思います。強風とラッセルは覚悟のうえ、ですが。
一方、栃木の湯元温泉側からは相当難易度が高く、ラッセルに加え山頂直下の急登を確実にこなすアイゼンワークと滑落制御のスキルが必要。

栃木側のもうひとつの登山口は金精峠ですが、冬期は道路が閉鎖されています。
冬山初級者の私は自信がなく、今回、前白根山をゴールとする計画としました。
湯元温泉から稜線へ出るまでの急登に加え、登るタイミングによってはフルラッセルとなり、相当の体力は必要となるルートです。
でも前白根の直下までは樹林帯に守られて歩け、途中に滑落の危険箇所もないので、自信のない方にはおすすめ。奥白根山を一望できて最高です。
冬の前白根山レポート、ご参考になれば嬉しいです。
前白根山へのルート
湯元温泉スキー場を経由して、外山の尾根を登るルートを取りました。最初の急登で体力が削られ、人があまり入っていないのでタイミングによってはフルラッセルとなります。
実は今回、少々トラブルがあり、前白根山の山頂は時間切れで踏んでいません。夏に登ったことがあるので、時間を優先して下山しました。
普通に歩けば朝着いて、前白根を踏んで往復することは全然余裕だと思います。

奥白根山まで行きたい場合は、バスで朝着く計画では遅いかと。
前白根山の登山レポート
湯元温泉スキー場から登山口へ
始発に乗るため東京の自宅を出発したのは5:30。4時間以上かけ、10:00過ぎに湯元温泉に着きました。

バスは混んでいましたが、2本目が出ました。
駐車場にある公衆トイレ(水洗・ペーパーあり・きれい)に寄り、雪山歩きの支度を整えて歩き出しました。

スキー場へ向かって車道を歩きます。すぐに大きな看板が目に入りました。地図上ではここが登山口です。
時刻は10:30、抜けるような青空で最高の天気にうきうき。

スキー場歩きは結構長く(リフト2本分)、30分弱かかりました。私はリフトに乗ってラクしたかったのですが、リフト券売り場が少し離れていたので、歩いて行くことになりました。邪魔にならないようコース左端を歩きます。単調でちょっとだるかったです笑。
斜面は緩く、これなら私でもスキーできそう。雪質も良いです。


時間が足りなくなった原因その1です。次に行くなら絶対リフトに乗ります。
外山鞍部へ向け登る
スキー場から左へ大きくそれ、いよいよ急登が始まります。ここでアイゼンを装着しようと取り出すと、なんと夏仕様で持ってきてしまったことが判明。前のベイルを替えてしまっていて、前コバが合わず入りません。
なんとか無理矢理入れましたが、時間をかなり使ってしまいました。ちょっと落ち込んだので、あんぱんを食べて血糖値を上げてみました。


時間が足りなくなった原因その2です。アイゼン含め、装備の確認は本当に大切。
では出発です。もう11:00をゆうに回っているので、そこそこ人は入っているみたい。とはいえトレースと呼べるほどではなく、ズボズボ埋まりながら登っていきます。

樹林帯が始まり、よい感じに日光が遮られて体温調節が楽です。それに、雪質がさらさらのパウダーで、きゅっきゅっと締まっています。

すごい急登を登って行きます。夏に登ったことがある道なので知ってはいましたが、重い靴とアイゼンが加わって苦行度がアップ笑。さらにフルサイズ機も首からぶらさげているし。

振り返って、登ってきた道。写真だとあまり急に見えない・・・。

道は雪に完全に覆われていますが、急な箇所では木の根や岩が露出していて注意です。


私は、こういう所で一度ひっくりかえってしまいました・・・。
スキー場から1時間半ほど、ずーっと急登です。疲れ始めたころ、前白根山の標識が見え、外山鞍部へ出ました。

外山鞍部から前白根山へ
鞍部に出たら南側が開けました。時刻は13:00近く。ここでランチがてら大休憩とします。もふもふなので、雪を踏み固めて整地しました。

前白根山に14:00に着く計画だったのですが、色々遅れてすでに13:15を回っています。ここから前白根までは1時間はかかるはず。
外山までの急登にかなり疲れたし、天候が良いとはいえ薄暗くなる前に下山したかったので、ここでやめようか迷いました。
しかし、奥白根山のお姿を見にきたのではなかったか、と奮い立たせ、視界の良い所まで行くことに。進路は西へ変わります。

急登というわけではないけど、延々と続く登り。歩いても視界は開けず、足元は軽いラッセル状態が続き、少し嫌になってきてしまいました。


天狗平という平たい場所に出ました。ここだけ雪がついていないのはどうしてだろう。地熱かな?

天狗平からは夏道とは異なり、藪の上を直登するトレースがついていました。迷いましたがトレースをたどりました。

まだ樹林帯が続き、奥白根や前白根は見えません。でも、目の前に見える丘を越えたら多分見えそう。あと少しなので、荷物をデポして最後は空身で行くことにしました。


途中、振り返ったら中禅寺湖と男体山がきれいに見え、これだけでも嬉しくなってしまいました。

前白根まであと5分くらいのところで、ルートを外れてフルラッセルで小高い丘へ。奥白根と前白根が一緒に見えそうな場所です。

上がってみたら、やはり素晴らしい眺め!外山鞍部から帰らなくて本当によかったです。



奥白根山へ登るには、左側の急登(のっぺりしている所)を登っていかねばなりません。白毛門より急に見えるから自信ないです。
前白根山には、登山者が数人いるのが見えました。
奥白根山の眺めを楽しみ、下山
景色を堪能し、久しぶりにフルサイズ機での撮影も楽しんで、もう満足です!
時間も気になるので、前白根山は踏まずに下山することに。時刻は14:30。遅すぎるけど、天気が安定しているので今日はよしとします。
外山鞍部からの急な下りを滑るようにこなして、15:30、あっという間にスキー場へ戻ってきました。

雪道の下山って楽!
今シーズン初の雪山、トラブルもありましたが最高の天気に恵まれ、大成功でした。湯元温泉から登るのは体力的にきついけど、人が少なくておすすめです!
今度は、五色山から周回して湯元温泉へ戻るコースを取ってみたいと思います。
アクセスとデータ
アクセス | ◯ | 東武日光駅から路線バス利用、約1時間 ※バスは観光客も多く混雑しますが臨時便が出ます ※帰りのバスは渋滞に巻き込まれるので、電車の予約時間は注意 |
難易度 | △ | 急登が数時間続く 時間帯によってはフルラッセルとなる |
トイレ | △ | 湯元温泉の駐車場にあり |
装備 | わかん、12本爪アイゼン、ストック、バラクラバ、 オーバーグローブ ※奥白根山まで行かないならピッケルは不要 | |
データ | 総距離:6.6km 行動時間:5h 累積標高:(上)866m(下)848m |
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