こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、上信越の平標山です。ついでに仙ノ倉山も往復してきたので一緒に紹介します。

平標山の難易度は?日帰りで仙ノ倉山まで行ける?
平標山は谷川連峰の西側に位置する標高1,983mの山。花の百名山として有名ですね。6月中旬、ハクサンイチゲのお花畑を目的に日帰り登山し、ついでに仙ノ倉山まで足を伸ばしてみました。

田中澄江氏の元祖本ではなく、NHK版花の百名山で選定し直した時にランクインしたようです。
登山口から松手山を経由して時計回りに周回するのが人気のルート。危険箇所は特にないので初心者さんでも問題なく登れると思います。ただし人気ルートを取った場合、登山口から4.4kmで1100m上げるのでかなりの急登です。これは燕岳の合戦尾根に少し足りないくらい(合戦尾根は4kmで1300m)。
では反時計回りにすれば楽かというと、そうでもないのです。その場合、松手山を下って行くことになりますが、ものすごいぬかるみがずっと続くので下山に使うのはためらいます。
今回私は仙ノ倉山まで足を伸ばしました。バスの時間を考えると日帰りで仙ノ倉山まで行ってくるのはぎりぎりです。ゆっくりお花を楽しみたい人や、帰りのバスで座りたい人はやめておいた方がいいかも。私は、行けるところは早めに歩き、昼休憩のほかは休憩しないという作戦で仙ノ倉山まで足を伸ばしてみました。結果、帰りのバスの時間の50分前に余裕で帰還でき、ちゃんと座って帰れました。
平標山・仙ノ倉山のルート詳細
登山口から松手山を経て山頂へ〜ぬかるみに苦しむ
越後湯沢駅は大きな駅で、西口と東口があります。路線バスは東口へ。
西武クリスタル前行きのバスはすでに着いていて、登山者でいっぱい(平日です)。トイレにもたもた行っていたら遅れをとってしまいました。なんとか入れてもらって立場を確保。
平標山登山口までは40分ほどバスに揺られます。途中で苗場の祓川ルート登山口を通りますが、さすがに降りる人はまだいませんでした。

平標山登山口まで片道610円。大型ザックはプラス100円です。


平日だったのですが、梅雨の貴重な晴れ間だったので考えることが皆同じだったようです。バスも駐車場も週末のような状態に。
ちなみに駐車場から回らなくても、もっと手前に右に折れる道があります。そちらの方が近道(私は見逃してヤマレコの警告が鳴りました笑)。
登山口には公衆トイレと登山届けボックスがあります。このトイレが激混み!バス停で荷物をもたもた整理していた自分が悔しい。バスを降りたらさっさと歩いて先にトイレに到着、用を済ませてから荷物を整理する方が賢いです・・・(皆さん賢いわ!)。前の女性は男性トイレへ。私にも行こうよというので私はイイデス・・・でも見ててあげますよと言ってしまい。男性が来て謝り倒しましたがあほか私(笑)!
色々どんくさくて結局ここで30分ロスしてしまいました。健脚で取り戻すぞ!と気を取り直し、9:25に出発です。

歩き始めてすぐに心が折れそうに・・・樹林帯の急登に加え道がかなりどろどろ。というか、泥で道が出来ている感じ。うまくよけれる時と避けれなくて突っ込まざるを得ない時がありました。丹沢の大山や九重連山の平治岳を彷彿とさせるぬかるみの道。山なんだから仕様がないのですが、早く終われ〜と願いながら歩いて行きます。シーズンを通してぬかるんでいるのかは分かりません。前日の雨と雪解けでこうなっていただけなのかも。この道を下山にしなくてよかったと思いました。



登山道には2合目、3合目など標識が立っています。大きな鉄塔がある4合目では数人休憩していました。このあたりから後に上信越の山々や苗場プリンス、前方には目標の稜線が見えはじめて、少し楽しくなってきました。


10:40、登りのランドマークである松手山に到着。ベンチはないけど座るのにちょうどいい岩があって、たくさんの人がここで休憩していました。眺めもとても良いです。苗場をはじめ上信越の山々、遠く八ヶ岳(多分)も見えていました。

松手山からは樹林帯が終わって稜線歩きの雰囲気になります。道は相変わらずぬかるんでいるけど、少しはましになったような。7合目を過ぎて振り返ると、雲が切れて歩いてきた道の向こうに苗場がきれいです。遠く浅間山や南アルプス(多分)も見えてテンションアップ!



8合目を過ぎると、木道の階段になりました。登っていくと、とうとう目的地、平標山をとらえました!まだだいぶあるけど、目的地が見えてくるとずいぶん気持ちが楽になります。



そしてとうとう出会えました!ハクサンイチゲです。8合目から9合目の間、平標山へ続く斜面に群生しています。後から思ったのですが、群生という意味ではここのハクサンイチゲが一番でした。山頂付近はお花畑だけど間が空いていてここまで密になっていません。


ところでこのルートには、道沿いにたくさんお花が咲いていてなぐさめられました。名前が分かったものは少ないのですが。










ちなみに私はこの本を使ってお花を調べています。持ち運びやすいし似ている花の見分け方もわかりやすくて愛用しています。のっていない花があるのがちょっと残念かな。
平標山山頂へ続く最後の登りを歩いて行きます。ここまでちょっと辛かったー。

山頂直下〜お花畑がすごい
12:00、歩き始めて2時間30分で平標山山頂に到着。その名の通り、山頂は平たくなっていて周りを見渡せます。この日は苗場が完全に見えていました。


山頂で買ってきたBeck’s Coffeeのチキンシーザーサンドイッチを食べました。なかなかおいしい。

山頂にベンチはないですが、少し下りたところにあります。空いていれば素敵なお花見ランチになります!
山頂を少し下りたところはまさに天空のお花畑!ハクサンコザクラのピンク、ミヤマキンポウゲの黄色、ハクサンイチゲの白と色とりどりの美しさです。中でもハクサンイチゲは本当にかわいらしい。今のところ山のお花で一番好きです。咲き始めなので少し小さめですが、純白で生き生きしてなんとも可憐な姿。みなさんしゃがみ込んで撮影してました。







平標山から仙ノ倉山へ〜美しい稜線をゆく
ランチを食べて撮影していたらもう12:30。平標山からは、仙ノ倉山への美しい稜線が見えていて、計画通り行ってみたい気持ちとお花畑でゆっくり撮影したい気持ちがせめぎ合います。所要時間は片道1時間弱。16:40のバスを逃すと18時台のバスしかないので、16:40は譲れない。さあどうしよう?
少し迷いましたが行ってみることにしました。谷川連峰主脈縦走(谷川岳→万太郎山→仙ノ倉山)をしないなら、仙ノ倉山に行ける滅多にない機会。14:15までに平標山に帰るため少し急ぎめに歩きます。



仙ノ倉山までの道はアズマシャクナゲがたくさん咲いていました。ピンク色が初々しくきれいですが、シャクナゲって完全な形でみたことがありません。同じ株でも花のうちどこか枯れていたり。開花が少しずつずれる花なんでしょうか。この時もなんとなく終盤な感じがする株が多かったです。

平標山を出て正面に見えるピークは偽で、仙ノ倉山へは3つピークを超えていかねばなりません。最初はそうと知らず楽勝だ〜と歩いていたのですが、次々と現れるピークにがっくりきました。1時間弱の歩きとはいえアップダウンを繰り返して消耗しました。
2つ目のピークあたりでもうやめようかと逡巡。そこへ向こうから主脈縦走をしている感じの男性が現れたので、お疲れのところ声をかけてしまいました。山頂にもお花畑があるか聞いてみたら、山頂から5分ほど向こう側にシラネアオイがあると教えてくれました。頑張るか・・・。仙ノ倉山への最後の登りは丹沢の大倉尾根を思わせる階段。植生が痛んでしまっている感じです。


仙ノ倉山は平標山とは雰囲気が一変。そこそこ人はいましたがソロの人が多いです。主脈縦走中の方々でしょうか?
先程の男性が教えてくれたシラネアオイを探しに行こうかと思いましたが、結構疲れ始めていたので帰ることにしました。同じ道を辿って帰ります。平標山への稜線もとてもきれい。こちらは植生が保護されて痛んでいないのが一目瞭然。

13:50、予定より早く平標山に帰ってきました。平標山の家方面へすぐに下山開始。時間がありそうなので山の家についたらゆっくり休もうと思います。
平標山の家を経て下山
山の家までの道は、階段が多いですがとてもよく整備されていて歩きやすいです。1箇所だけ雪渓がありますが問題ありません。お花はあまり咲いていないです。



14:15、平標山の家に着きました。歩きやすいので早くついてしまいました。ゆっくりしていくことにして、売店で「自家製夏みかんジュース」を購入(400円)。他に梅とゆずがありました。ガラスの容器が涼しげ。外のベンチに座って、今日初めてと言って良いまともな休憩を取りました。つかれたー。


平標山の家は過ごしやすそうな山小屋。外にテント場があり数帳のテントが張ってありました。ここでテント泊も楽しそう。前泊すれば谷川連峰主脈縦走ができるかも。
先ほど追い越させてもらった男性2人が追いついて、隣のベンチに。私のカメラをほめてくれました(単に新しい機種というだけですが)。聞けば有名なカメラの先生なのだとか。もう1人の男性が写真見てもらいなよ、と言ってくれましたがいやいやとんでもない。普段はかなり内向きな私ですが、山に行くと思いがけなく色々な人とお話ができるのが楽しいです。
ここからバス停まではコースタイム2時間20分くらい。14:30、念のためにコースタイム通りかかると仮定して出発しました。しかし平標山の家からの下山道は素晴らしい整備ぶりで、どんどん足が進んでしまいます。所々ぬかるみはありますが登りと比べれば天と地ほどの差!あっという間にゲートまで来てしまいました。ゲートからバス停までは林道歩きなのでさらに足が進みます。ということであっという間に15:50、コースタイムの半分でバス停に帰ってきました。



バス停にはすでに数人。ザックを置いて順番をとるシステムが構築されていました(笑)。待っている間にお話していて仙ノ倉山へ行ってきたと言ったらみなさん盛大に驚いてくれてなんだか嬉しかったです。
時間通りに来たバスに乗って越後湯沢駅へ。今回はぽんしゅ館で利き酒する元気は残っていなかったけど、カフェで甘いココアを買って新幹線に乗り込みました。前回きた時に買った日本酒が美味しかったので、同じものをお土産に購入。
ぬかるみに苦しみながらもハクサンイチゲに会うために頑張った山旅でした。素晴らしいハクサンイチゲのお花畑、今度はコーヒーセットなど持っていてゆっくりお茶をしたいです。平標山から仙ノ倉山への稜線は思った通りきれいでやはり行ってよかった。普通に歩けば大丈夫なので、もし迷ったら行ってみることをお勧めします。
アクセスとデータ
アクセス | ◯ | 【行き】 東京から新幹線で越後湯沢へ バスは東口から発車 南越後観光バス西武クリスタル線8:20発、8:55着 【帰り】 同じバス停から16:40発のバスで越後湯沢へ バスの本数は2時間に1本なので注意 交通系ICは使えません |
難易度 | ◯ | 危険箇所なし 急登とぬかるみの心構えを 仙ノ倉山まで足を伸ばす場合は計画的な歩きが必要 |
トイレ | △ | 越後湯沢駅東口(バス乗り場)近くにもトイレあり 登山口のトイレは大変混雑(女性2個) 平標山の家にトイレあり(チップ制) |
データ | 距離:13.9km 行動時間:6時間 累積標高:(上)1267m(下)1265m | |
その他 | 越後湯沢駅にはお寿司やラーメン、カフェが充実 ぽんしゅ館で利き酒も楽しい 入浴施設もある |
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