こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。
今回は、立山の室堂に黒部平から歩いて登るルートのご紹介です。

黒部平から室堂へ歩いて登るのは大変?
立山は何回も訪れていますが、扇沢から入ることが多いです。黒部ダム建設の苦難をしのびつつ乗り物を乗り継ぎ室堂へ。

「高熱隧道」(吉村昭著)は必読です!
大観峰のロープウェイに乗ると、山肌に登山道が伸びているのが見えます。黒部平から東一ノ越へ登る道です。道はそのあと、一ノ越、室堂へと続きます。
以前、一ノ越から黒部平に下山したことがあって、今度は登ってみようと思っていた道です。
きつい登りに加えてルートの半分近くは藪こぎ。でも藪こぎが終われば東一ノ越から一ノ越へのトラバースがなんとも楽しいです。この季節は紅葉もきれい。
下りの人には結構すれ違いましたが、登りの人はほとんどおらず、前にはゼロ、後ろから1人でした。
文明に背を向けて敢えて歩きたい、変わった人向けのルートなのは間違いないです(笑)。
黒部平へのアクセス
東京から扇沢へは大糸線信濃大町駅からバスに乗ります。東京を朝発つと信濃大町駅に到着するのは最早で10:45。
アルペンルートを利用していくなら午後2時頃に室堂に到着できます。でも黒部平から登るにはそれでは遅いので、今回は信濃大町に前泊しました。

宿は駅前のルートイン。新しくて快適なので定宿にしています。
無料でついてくる朝食を涙をのんでパスし、始発6:15のバスに乗り込みました。

連休中は、始発が繰り上がるので要チェックです。
7時前、扇沢に着きました。黒部ダムへの電気バスは7:30が始発で、チケット販売は10分前から。チケット売り場には長い列が出来ていました。

電気バスは通常数台が一緒に出ます。係員に振り分けられますが、運良く前方のバスに乗れるとその後のケーブル→ロープウェイの始発に乗れる可能性が高いです。

この日は混雑していて、ケーブル乗車時にロープウェイの整理券を配っていました。整理券が1だと始発です。
もしくは、黒部ダムからダッシュ!ですね笑。黒部湖のケーブル乗り場へは結構距離があります(徒歩15分くらい)。

このケーブルはかなり狭く、4人がけの席だと前の人と膝がふれあいます。特等席は一番下の席だと思いますが、座れたことはまだないです。
黒部平駅に着いたら、売店を通り抜けて外の園地へ。ここから東一ノ越へ向けて登っていきます。

真剣に熊がいるようなので、騒がしく登りましょう!

登山レポート〜黒部平から東一ノ越へ
東一ノ越まではほとんど、背丈ほどの藪が生えた道になります。最初は手で払っていたのですが、そのうちに体全体でわしわし歩いていくほうが楽なことに気づきました。




加えて木が雪の重みで曲がって横に生えているので、頭を打ちまくりました・・・。
とはいえ快晴の青空がきれいで、ロープウェイが時折見えて気が紛れます。やっほーと手を振ってみました。

途中、3回ほど枯れた沢を渡ります。この時ルートを見失いやすいので慎重に探しましょう。特に1回目の沢は、方向的に沢を上っていってしまいそうになりますが、間違いです。
沢へ降りる時、はしごやロープが出てきます。はしごは崩れかかっているので注意。




沢を渡る時、藪が開けて目指す東一ノ越が左手に見えました。紅葉もきれいでテンションアップ!

黙々と藪こぎをこなすと、とうとう開けた場所に出ました。大観峰駅とほぼ同じ高度です。ここからは藪もないはず!

このあたりで、一ノ越から下山してきたと思われる数人とすれ違いました。登ってくる人がいる〜すごい〜と言われてちょっと嬉しい(笑)。

私は始発に乗り、前に人はいなかったので、この日の先発だったと思います。登りの人はこの後もお一人しか見ませんでした。
ここからは、立山や黒部湖はもちろん、遠く後立山連峰も見渡せて壮観!


大観峰の紅葉はまだ色づき始め。見頃まで2週間くらいかかりそうです。
東一ノ越へは、最後につづら折れの急登です。道は小石でざれて歩きにくく、滑ったらまずい箇所もありました。

黒部平を出て3時間、東一ノ越に到着しました!730mをテント泊装備を背負って3時間、まあまあですね。

東一ノ越は開けた岩場になっていて休憩によく、眼前には龍王岳・鬼岳・獅子岳が連なり壮観です。去年、五色ヶ原へソロ縦走したときに通った山たち。あんなところを歩いていたのかと感動します。

登山レポート〜東一ノ越から一ノ越へ
東一ノ越から一ノ越へのルートは、高低差がほとんどないトラバースです。
剱岳に登った帰りにここから下山したのですが、そのときの紅葉のきれいさが忘れられず、次回はここを登ろうと思っていたのでした。
今回、紅葉には少し早すぎました。でも本当に気持ちのよい横引きの道。登山道のナナカマドなどは色づいていて目にも鮮やかです。



道は狭く、すれ違うとき気を使います。でも所々、座れるくらいのスペースがあるので、コーヒーを沸かして天空のカフェタイムを楽しみました。
1時間近く歩くと、一ノ越山荘が見えてきました。山荘への最後の登りはきついです。

登山レポート〜一ノ越から雷鳥沢野営場へ
一ノ越は風が通り抜けるので寒いです。ベンチで少し休憩したらすぐに雷鳥沢へ向けて出発。
最初は、室堂へ続く石畳の道を行きます。途中で雷鳥沢への分岐があります。

室堂近辺の石畳の道には、水を逃がすための溝が多数あります。よそみしていると転倒するので注意してください(私は以前、足を取られて転倒、血みどろになりました泣)。

ちなみに、この分岐には雷鳥荘へのマーキングもあります。雷鳥荘へは雷鳥沢へいったん下り、そこから罰ゲームのような階段地獄を登っていくのですがそれでも近いということでしょうか??私だったら室堂から雷鳥荘へ下りていきたい感じがします。
一ノ越から雷鳥沢キャンプ場への道は、最初は大きな岩がごろごろで歩きにくく、急な下りが続きます。テント泊装備の重みが一歩一歩、片足にかかります。
でも眼下に剱御前や奥大日岳、振り返れば立山の素晴らしい眺め。そして雷鳥沢キャンプ場がどんどん近づいてきて、何とかがんばれました。この間の紅葉も素晴らしかったです。




後半は整備された緩やかな道になりました。でもザックが重い・・・。沢にかかる橋を渡って、やっと着きました。


くたくたになりましたが達成感が大きいです。黒部平から歩く人はあまりいないと思いますが、藪こぎが気にならなければおすすめしたい絶景ルートです。
データ
難易度 | △ | 黒部平から東一ノ越はほとんどが藪こぎ ルートは概ね明瞭だが所々コースアウトしやすい |
トイレ | △ | 黒部平に水洗トイレ 一ノ越に公衆トイレ(有料100円) |
データ | 総距離:7.7km 行動時間:6h 累積標高:(上)1033m(下)569m |
雷鳥沢キャンプ場でのテント泊レポートはこちら↓

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