こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、紅葉時期の那須岳(茶臼岳)と朝日岳です。
那須岳・朝日岳の難易度は?注意すべきことは?
那須岳(茶臼岳)は東京からのアクセスもよく人気の百名山。深田久弥の「日本百名山」では、隣の朝日岳・三本槍岳の三山と合わせて那須岳とされています。
大好きな山のひとつで、過去にも何度も訪れています。積雪期も好天時なら私のレベルでも登れます。
必要な体力度・技術度は高くなく、普通に歩いていける山だと思います。
ただ地形的に強風の通り道となっていて、天候が崩れると大変シビアな状況になります。天気予報は大丈夫そうでも、もし天候の急変があれば即ピンチに陥りそうなので、普段より念入りな装備が必要な山だと思います。
私が登った前日、低体温症で4名の方が犠牲になりました。とても辛いニュースです。
私の場合は普段の装備に加えて、湯たんぽ代わりにできるナルゲン、ココアやおしるこなどの甘い飲み物をたくさん持っていきます。ダウンなどの防寒具も。
普段の装備として、ツェルト・銀シート・カイロは常に持っています。使ったことはないけど・・・。
秋冬の登山、ご安全に楽しみましょう。
那須岳のアクセス
東京からアクセスがよい那須岳。東北新幹線の那須塩原駅から、関東自動車バスを利用して登山口へ行けます(1640円)。本数は1時間に1・2本あります。
車の場合は、ロープウェイ駅を過ぎ、峠の茶屋駐車場まで上がれるので楽です。広い駐車場でトイレもあります。
しかし!紅葉時期には車中泊の人で朝から満車となります。下の大丸温泉駐車場にも停められますが、混雑時にはここも早朝には満車に。最後の駐車場は休暇村近くにあります。
今回、三本槍岳までの往復+姥ヶ平の紅葉という欲張ったプランを立てたので、最終バスを逃した場合に備えて那須塩原駅でレンタカーしました。
紅葉シーズンの連休中だったので、那須岳に向かう道は渋滞、駐車場はどこも満車。休暇村前の駐車場にかろうじてみつけた隙間に駐車しました。危なかったです。
休暇村からロープウェイ山麓駅までは徒歩30分くらい。車道歩きがつらいです。
那須岳のルート
登山道は四方から伸びていますが、ポピュラーなのはロープウェイ利用で東側から登るルートか、峠の茶屋・峰の茶屋を経由して北側から登るルートです。
その他、那須三山を縦走したり、三斗小屋温泉に泊まったり、南側の湿原を回ったりと、自分なりのルートを組んで楽しめます。
茶臼岳と朝日岳を一緒に登るパターンが一番多いように思います。朝日岳はごつごつの岩で歩きにくいですが、気をつければ難しくはないです。天候が良ければ、ですが。
朝日岳へは、夏は剣ヶ峰をトラバースして行きます。冬は剣ヶ峰を直登できます(冬にトライしたけど怖くなってやめました笑)。朝日岳東南稜ルートはバリエーションになります。
那須岳登山レポート
ロープウェイ山頂駅から茶臼岳山頂へ
那須塩原駅でレンタカーし、登山口へ。ツイッター(現X)の那須高原渋滞情報がとても便利でした。早朝の時点で峠の茶屋駐車場は満車、大丸もほどなく満車に。その下の休暇村に停めれそうでしたが、運転している間に満車に!
この時期、車で向かう方は要注意です・・・。
小さな車だったのが幸いして、なんとか休暇村前のスペースに隙間を見つけて駐車しました。ここから車道を徒歩でロープウェイ山麓駅へ向かおうとしていたら、ちょうど路線バスが来たので飛び乗りました。310円。
山麓駅もすごい列!でもロープウェイは100人乗りで、臨時便を10分間隔で運行していて、どんどん進むので大丈夫です。往復1800円。
乗車時間は4分ほど、山頂駅に到着しました。今日はいい天気で風も穏やかですが、寒いです。
山頂駅の中には、軽食の売店(おでんがおいしそうでした!)、トイレ、自販機があります。
那須岳山頂へ向けて出発。このあたりはハイキング気分で歩けます。
たくさんの人が点々と山頂へ向かっています。
分岐を左へ行くと、姥ヶ平方面。紅葉目当ての人たちで、軽装の人も多いです。
岩がごろごろして歩きにくい道をどんどん登っていきます。たった200m程度の登りですが、苦しく感じます。
北側には、朝日岳と中之大倉尾根の紅葉がきれい。
望遠で。この後曇ってしまったので、ここで撮影しておいて良かったです。
お鉢周りをしたら山頂に到着。山頂標識の記念撮影は行列ができていました。
山頂は広く、こんな穏やかな日には休憩によいです。
茶臼岳から朝日岳へ
次の朝日岳へ向け、まずは鞍部にある峰の茶屋避難小屋を目指します。足元はざらついて気を抜くと滑りそう。
峰の茶屋前は休憩スポットになっています。積雪期に中に入ったことがありますが、居心地の良い空間でした。
10:30、天気予報は午後から曇り。朝日岳から眺める茶臼岳は本当に「茶臼」という感じで是非見たいところですが、ガスが出ることが多いです。今日はどうだろう?
振り返ると、茶臼岳の山腹に横引かれた登山道が見えます。峠の茶屋駐車場に続く道です。
朝日岳へは、剣ヶ峰の東側をトラバースして行きます。冬は直登できるのですが、夏はざれすぎていて厳しいです。
トラバースを終わると、恵比寿大黒というポイントに出ます。ここから朝日岳は岩だらけ。火星に来たかのような風景に変わります。
この後、急な登りに差し掛かります。滑りやすく注意です。登り切って上から見るとこんな感じ。
今度は、杭がたくさん打たれた岩の道を上っていきます。これも上から見たところ。
そして朝日岳へ向かうルート中、恐らく一番注意すべきところに出ます。岩の道のトラバースで、左側は崖。鎖が整備されているので、慎重に歩いて行けば大丈夫です。
トラバースが終わると、朝日の肩へ向けて最後の急登。今日はすごい人出ですね。
肩についたらガスが立ち込めて来ました。やっぱりこうなるか笑。
肩から山頂まではほんの10分ほどですが、急登できついです。
茶臼岳の眺めもガスに遮られ。でも朝日岳の東南稜ルートがはっきり見え、憧れが高まります。
朝日岳から清水平へ
山頂の岩陰でランチを食べていたら、どんどん霧が濃くなり寒くなってきました。これで強風だったら即下山するところですが、風はほとんどないコンディション。
予定どおり、三本槍岳へ向かうことにしました。まず、熊見曽根へ向け登っていきます。
途中、紅葉がきれいです。
清水平へ向けて下っていくと、胸くらいの高さの樹木が生えていて、ハイマツと紅葉のコラボが現れました。霧が出ているのも雰囲気があります。
こんな道を30分ほど楽しんだら、清水平に出ました。
時間はちょうど12時。三本槍岳を往復すると1時間半かかります。時間的に行けそうだけど、この天気で迷っていたら・・・。
三本槍岳方面から帰ってくる人達の靴が、ありえないくらいドロドロになっているのを見て、即撤収を決意しました笑。
実は、三本槍岳は以前登った時も道がドロドロで、2回めはいいや、と思っていたので迷わず撤収できました笑。
この余った時間で、帰りに大好きな鹿の湯に寄れそう。うきうき引き返していきました。
紅葉を楽しみながら朝日岳方面へ戻る
朝日岳へ引き返していくと、朝日岳の北面に素晴らしい紅葉が広がっているのが見えました。清水平側からしか見えないから、こっちに来て良かった!
西側に目をやれば、三斗小屋温泉へ続く稜線と紅葉が広がります。
三斗小屋温泉はいつか泊まってみたい温泉です。
さっき通ってきた朝日岳へのトラバース。反対から見るとくっきり。なんだか不安定に見えてしまいます。
トラバースは朝よりも空いていました。
トラバースを抜けたら・・・茶臼岳がどん!いつのまにか霧が晴れていました。やっと全容が見れました。
茶臼岳の横引きの道に、人が行列して歩いています。今日はなかなかの混雑だったみたい。
姥ヶ平へ
峰の茶屋へ戻ってきました。ここでおやつ休憩したら、今日の真打ちと言える姥ヶ平へ。茶臼岳を西側から巻いていきます。
横引きで歩きやすい道です。
右手には、ひょうたん池が眼下に見えました。こちら側の紅葉も素晴らしいです。
しばらく歩いたら、無間地獄というポイントに出ました。勢いよく蒸気が上がっていて、かなり強い硫黄臭がしました。
行く手には牛ヶ首が見えました。あの手前から、姥ヶ平へ向かって下りていきます。
姥ヶ平は、広い砂地のようになっていて分かりやすいです。
30分ほど、紅葉のトンネルを激下りしていきます。ここは熊が出そうな雰囲気なので、平日にひとりで歩くのは嫌かも。
ぱっと目の前が開け、姥ヶ平に出ました。さすが撮影の定番スポット、茶臼岳と噴煙、紅葉のコラボが素晴らしいです。これで青空だったら!
角度を替えて。
裏から見ると、茶臼岳の西側がふっとんでいるのがよく分かります。激下りの価値がある絶景スポットです。
テーブルとベンチがいくつかあるので、ランチや休憩にぴったりです。
牛ヶ首へ黙々と登り返し、ロープウェイ駅へ戻ります。姥ヶ平からは1時間はかかります。
ほぼ横引きの道を歩いていきます。岩が飛び散っているのは、噴火時に飛んだのでしょうか。
ロープウェイは下山時も混雑していましたが、1便待ってすぐに乗れました。
山麓駅から大丸温泉までバスに乗り、残りは歩いて休暇村へ戻りました。帰りのバスは、休暇村を通らないそうです。
山麓駅で、前日の遭難事故についてのインタビューを受けました。初心者向けの山なのかどうか、とか。
時間があるので鹿の湯に立ち寄り湯しました。ものすごい混雑で芋洗い状態!44度の浴槽が好きだけどまったく入る余地がありませんでした(泣)。
帰りの道路も大渋滞で、紅葉時期の那須の人気を思い知りました。それも仕方ないと思える紅葉の美しさでした。
アクセスとデータ
アクセス | ◯ | 那須塩原駅から関東自動車バス、1時間強 車なら紅葉時の駐車場を確保するため早めに到着したい |
難易度 | ◯ | 朝日岳へのトラバースは慎重に |
トイレ | △ | 山頂駅にあり |
装備 | 天候悪化に備えた装備が特に必要な山域 防寒具、甘い飲み物など | |
データ | 総距離:8.7km 行動時間:4h20m 累積標高:(上)767m(下)734m | |
立ち寄り湯 | 鹿の湯(湯本温泉) |
コメント