北関東

初夏の尾瀬を縦断ソロトレッキング1泊2日【水芭蕉2022】

スポンサーリンク
北関東

こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は尾瀬トレッキングです。

尾瀬のベストシーズンは?どのコースが良い?アクセスは?

尾瀬は、5月中旬の山開きから10月中旬までがグリーンシーズン。特に6月初旬の水芭蕉、7月のニッコウキスゲ、9月末の草もみじが人気です。尾瀬は燧ヶ岳・至仏山というふたつの百名山に囲まれているので登山も楽しみたいところ。ただ6月初旬は燧ヶ岳には残雪が残り、至仏山は植生保護のため6月末まで閉鎖されるので、登山もする場合の一般的なベストシーズンは7月から10月初めでしょう。燧ヶ岳は雪山登山もできますが難易度は高めだと思います。

くっかばら
くっかばら

至仏山は植生保護のため特殊なルールがあります。

・通常4月末からゴールデンウィーク期間中は残雪期利用ができます。これは主にスキーヤーのための措置ですが雪山装備の登山客もOK。至仏山から山の鼻へ下って行ける唯一の時期となります。残雪期利用については尾瀬保護財団のサイトで注意事項を確認しましょう。

ゴールデンウィーク後6月末までは登山道が閉鎖されます。

・7月以降開山されますが、山の鼻から至仏山へは登り一方通行です。

尾瀬のルートは様々ですが、もし初めての尾瀬で日帰りであれば無難に鳩待峠からの尾瀬ヶ原散策がよいと思います。何回も来ていたり、泊まることができるなら、御池から入って田代湿原や三条の滝を見たり、沼山峠から入って尾瀬沼を回ったり、鳩待峠からアヤメ平経由で尾瀬ヶ原へ行ったり、色々組み合わせることが出来ます。

私は今回、水芭蕉と朝靄を見たくて6月初旬、1泊2日の行程で出かけました。沼山峠から入って尾瀬沼を回り、見晴の小屋で1泊、翌日は東電小屋側から尾瀬ヶ原へ戻って鳩待峠へ抜ける、というルートを取りました。

くっかばら
くっかばら

6月初旬でも沼山峠・尾瀬沼には残雪が多く歩きにくかったです。美しさという点では尾瀬ヶ原で十分だったので、この時期の尾瀬沼はあまりおすすめできない感じでした。

尾瀬の特徴はその圧倒的なアクセスの良さ。関越バス「尾瀬号」でバスタ新宿から尾瀬戸倉まで4時間半。夜行もあります。尾瀬戸倉から鳩待峠へは乗合バスですが、人数が集まり次第乗合タクシーも出るので、ほとんど待ち時間がありません。費用も同じ1000円。私は帰路の利用ですがシステマチックすぎて感動しました。

電車なら上毛高原駅と沼田駅から路線バスが出ています。東京から一番早く行けるのは新幹線+路線バスです。

私は尾瀬沼から尾瀬ヶ原へ縦断するルートを取ったので、行きは福島県側から沼山峠へのアクセスでした。東武鉄道で会津高原尾瀬口駅、会津バスに乗り換えて昼前に沼山峠に到着。帰りは鳩待峠から乗合タクシーに乗り、尾瀬戸倉から高速バスで帰りました。

スポンサーリンク

東京から沼山峠へ

6:36浅草発「リバティ会津」に乗車。特急券は東武のチケットレスサービスで事前購入しておきました。コーヒーが飲みたいけど、東武の構内のタリーズや近くのスタバの営業は7時から。向かいのセブンイレブンで購入しました。

くっかばら
くっかばら

乗車券はSuicaで入場したのですが、野岩鉄道区間は(新藤原→会津高原尾瀬口駅)別途現金で支払いが必要です。Suicaの精算処理が必要になって面倒なので、最初から紙の切符を購入する方がいいかも。野岩鉄道+会津バスのお得な切符もあるので、時間のある人は東武ツアーズなどで事前購入しておくといいです。野岩鉄道の車掌さんからも買えるという事ですが乗車券を買ったときに教えてもらえたら嬉しい。求めすぎかな?(笑)

会津バスから、「尾瀬横断バス乗車券」も出ています。新幹線利用する人にはお得です。

3時間近くかけて会津高原尾瀬口駅に到着。トイレや売店があります。売店でバスの切符が買えるので高額紙幣しかない人はここで買っておいた方がいいです。

会津高原尾瀬口駅に到着
売店。バスの切符も買えます

9:40発の会津バスに乗車。平日なので半分くらいしか乗客がいません。バスは山間部を走り会津駒ヶ岳登山口や檜枝岐村を通過していきます。尾瀬の登山口のひとつ、御池に到着。ここで降りる人は数人でした。5分ほど停車するのでトイレへ行っておけます。

終点の沼山峠に到着。平日ですが水芭蕉シーズンだけあって、団体ツアーさんが数組いました。沼山峠には休憩所がありますが、食事の提供などはしていなさそうです。自販機とトイレはあります。準備運動をして、11:40、いざ出発。1日目は沼山峠を下り大江湿原に出て、三平下から尾瀬沼南岸を回って沼尻平、見晴へ歩く計画です。

【1日目】沼山峠から尾瀬沼を回って見晴へ

沼山峠は残雪が多く特に下りは歩きにくかったです。ストックを持ってきてよかった。盛大に踏み抜いた後があって怖い。

基本的に下り基調で、30分強歩くと大江湿原に出ました。広い湿原で、木道の歩きやすい道です。ここで水芭蕉にご対面。水芭蕉って近くで撮影するのがとても難しい・・・泥や枯れ草から出ていることが多いので、背景がいまいちなのです。

大江湿原は水芭蕉がたくさん咲いていて、燧ヶ岳も望めて楽しかったです。途中ベンチもありますが数は少ないです。

20分ほど歩くと尾瀬沼の北岸を歩く道との分岐に出ました。私は南岸を歩く予定だったので通過します。このあたりはシカの「ヌタ場」があって、すごく獣くさい臭いが漂っていてちょっとウッとなりました。シカが寄生虫を落とすために体を擦り付けるらしいのですが湿原が掘り起こされて水芭蕉が無惨に倒れていて・・・

12:30、長蔵小屋に着きました。ここでランチを食べることに。うどん・そば・カレーなどがあって私は山菜そば(700円)を頂きました。外のベンチで食べることになっています。LOが12:50だったのでぎりぎりセーフでした。長蔵小屋には別棟のきれいなカフェもありましたがランチは提供していません。

ランチ後、三平下へ向けて出発。この間も残雪が所々ありましたが水芭蕉がきれいです。

程なく三平下の尾瀬沼山荘に到着。きのこ汁やジェラートがおいしそうで、お昼はここでもよかったかも。三平下から尾瀬沼南岸道を通って沼尻平へ行く計画だったのですが、向こうから来た男性たちがこの先は行かない方がいいと・・・。南岸は倒木がすごくて足の踏み場もないそうです。この人たちも歩いてきたのだし・・・と迷ったのですが、ひとりで大変な思いをするよりはと北岸へ戻ることにしました。30分のロス・・・くぅ。でも教えてもらえて助かりました。登山者同士の助け合いがあるから安全に山に登れるのですよね。

長蔵小屋を通過して先ほどの北岸への分岐に戻り、ここから尾瀬沼北岸を回っていきます。所々残雪はありますが、木道の歩きやすい道。尾瀬沼の眺めもきれいだし、水芭蕉もあちこちに咲いていて癒されます。ただ人通りは明らかに減りました。私の進む方向(尾瀬ヶ原へ)は前に年配の男性がひとり、足が速い!何人かとすれ違いましたが基本ひとりで歩いていきました。熊の目撃情報があるのでびくびくしながら進みます。

燧ヶ岳への登山口は南側に3つありますが、そのうちのひとつ、長英新道との分岐に出ました。俎嵓(まないたぐら)まで4.5km、登山道は結構荒れているように見えます。アイゼンを持っていない登山者は登らないよう警告がありました。

長英新道への分岐を過ぎると、浅湖湿原に出ました。歩くはずだった尾瀬沼南岸が見えます。前週の大雨の影響か木道が浸水しかかっているところもありました。ちょっと天気も悪くなってきた・・・。

14:30、北岸への分岐から1時間足らずで沼尻平に出ました。ここには立派な沼尻休憩所があるのですが、トイレは使用不可のようでした。ここからは燧ヶ岳への登山道、「ナデッ窪」が分岐しています。ナデッ窪は雪崩が起きやすいことが名の由来。長英新道との合流まで570mを2.5kmで上げるきつめの直登ルートです。燧ヶ岳に登る時はこのルートで行こうかなと考えていましたが、見上げるとすごい急登!

沼尻平を過ぎると、急激に残雪が多くなりました。白砂峠へ向けてまずは登り、その後は見晴まで延々と下りが続きます。残雪で滑るのでストックを出しました。しばらくすると沢沿いの道になり、登山道にも雪解け水が溢れています。下りと岩と水という滑る3点セットを、慎重に降りていきました。沼尻平から見晴までは1時間半ほどですが、この間に休憩に良い場所はありません

燧ヶ岳への3つ目の登山道、見晴新道への分岐を過ぎると、残雪や雪解け水はなくなり快適な木道歩きになりました。16:00、今夜の宿がある見晴へ到着です。時間ロスというアクシデントもあったけど滑らず歩けたのでよし!ただ北岸へ別れてから見晴まではあまり「尾瀬」感もなく悪路に耐える歩きで、この時期お手軽に歩きたい人は尾瀬ヶ原だけにしておくほうが無難だと思いました。

【メインイベント】見晴に宿泊して尾瀬ヶ原の夕焼けや朝靄を楽しむ

見晴(下田代十字路)には山小屋が数軒あって賑やかです。各小屋にはそれぞれテラスや外テーブルがあって、カフェや生ビールを楽しむ人たちが楽しそうでした。私の今夜の宿は「原の小屋」。この小屋は「山と渓谷社」の子会社なんですね。正直、他の小屋が混んでいて直前の予約はここしか取れなかったゆえの選択だったのですが、お風呂もあるし素敵な小屋でした。レポートを書いていますのでよかったらどうぞ↓

原の小屋(尾瀬)に宿泊
6月初旬、水芭蕉が見頃の尾瀬トレッキングの際に原の小屋に宿泊しました。「山と渓谷社」が経営する山小屋です。尾瀬の小屋は皆そうですが、お風呂で汗を流せて食事も美味しい快適な小屋でした。

見晴の西側には至仏山の優美な姿。広大な尾瀬ヶ原の中を木道がすっと伸びています。やっと「尾瀬」に来た感じ!至仏山方面へ歩いて色々撮影して遊びました。

そのうち、「下の大堀川」へ今日中に行きたい気持ちが。「下の大堀川」はザ・尾瀬とも言える景観で、水芭蕉の群生地。誰しも一度は見たことがある構図で撮影できます。見晴から片道40分かかるので翌日行こうと思っていたのですが、日没が遅いので夕食後に思い切って歩いていきました。着いてみると、思った通りの美しさ!夕焼けがあまりきれいではなかったので、今日はロケハンにとどめて翌朝もう一度行くことにしました。

真夜中に外に出てみたら星空がとてもきれいでした。撮影してみたのですがいまいち・・・まだまだ練習が必要です。

翌朝3:30に起き出して、昨日チェックしておいた「下の大堀川」までまた歩いていきました。すでにほのかに明るくなっていてヘッドランプはいらないくらい。広大な尾瀬ヶ原の一面にもやが出ていて、本当に幻想的な風景でした。これが見たかった!

もう起き出している人もいました。竜宮小屋を過ぎるとカメラマン(全員男性)が多くなりました。正直、竜宮小屋に泊まった方が楽でよかったなと思いました。

くっかばら
くっかばら

竜宮小屋はカメラマンに人気の小屋です。

下の大堀川にはまだ誰もいません。三脚を立てて朝もやの至仏山と水芭蕉を撮影しました。

6:00の朝ごはんに間に合うよう、見晴へ戻る途中で日の出でした。

【2日目】見晴から東電小屋を回って鳩待峠へ

7:00、原の小屋を出発。今日は北側から東電小屋・ヨッピ橋を回って牛首へ合流、逆さ燧を撮影しながら鳩待峠へ戻る計画です。

見晴から東電小屋分岐の間は、水芭蕉の群生が素晴らしかったです。ここが一番咲いていたかも。

東電小屋分岐を西へ折れます。ここをまっすぐ北へ行けば、有名な「三条の滝」に行けますが往復2時間かかるので今回はパス。

すぐに東電尾瀬橋に出ました。このあたりはザゼンソウが咲いているらしいのですが見つけられませんでした。水芭蕉は相変わらずの群生が続きます。すごい数。

7:40、東電小屋に着きました。とてもきれいな小屋。東京電力は尾瀬の水を発電に利用していたことから、現在は尾瀬の保護活動をしているようです。色々問題もあった企業ですが尾瀬を守る活動は評価したい。東電小屋からの至仏山方面の眺めは素晴らしく、なぜか大量のツバメが飛んでいました。東電小屋から10分程度で「ヨッピ橋」に出ました。結構揺れる吊り橋です。冬には板を外してしまうのが風物詩ですね。

ヨッピ橋を過ぎたところから振り返ると、池塘に燧ヶ岳が映ってきれいでした。ここから牛首までは、7月にニッコウキスゲの大群落が見られるところらしいです。

8:30、牛首分岐に着きました。ベンチがたくさんあるので休憩に良いポイントです。このままでは早く山の鼻に着いてしまうので、もう一度「下の大堀川」へ行ってみました。牛首から片道10分くらい。朝方とは違いたくさんの人がいて、青空の至仏山と水芭蕉をバックに記念撮影していました。

ここで何枚写真撮ったか(笑)。3回も来てしまいました。さて、帰ることにしましょう。牛首へ戻ります。牛首の近くには「逆さ燧」がきれいに見えるポイントがあるのですが、この日は風があったのでいまいちでした。

ちなみに、「下の大堀川」や「逆さ燧」はどこにあるのだろう?と思いますよね。メインストリート沿いなのですが、人の少ない時間帯だと見落とすことも。木道にプレートが打ち付けてあるので、注意して見てみてください。

10:00、山の鼻に着きました。山の鼻周辺は人がぐっと増えました。有名な「花豆ソフトクリーム」が食べたく、1軒1軒山小屋をたずねましたが、結局売っていたのは至仏山荘のみでした。少しざらっとしていておいしい!国民宿舎尾瀬ロッジではソフトクリームはなかったけど素敵なカフェがあって、ランチのインドカレーもおいしそうでした。

残すは山の鼻から鳩待峠の登りだけ。後ろ髪を引かれながら帰ることにします。このルートには本当に熊が出るので鐘がたくさん。鳴らしながら歩いていきましょう。1時間ほどの登りで大したことはないですが、木の階段が丹沢を思わせる。途中ベンチもたくさんあるのでゆっくり行けます。

11:00、鳩待峠に到着しました。有名な尾瀬の看板の前でみなさん記念撮影していました。鳩待峠からは乗合バスで尾瀬戸倉へ向かいますが、乗合タクシーが順次出ているので、待ち時間はありませんでした。料金も同じ1000円で、鳩待山荘の前で共通チケットを買えます。乗合バス・タクシーの乗り場は少し下りたところにあります。荷上げのヘリコプターの発着の横にあるので土埃がすごいです。

おまけ〜尾瀬ぷらり館で日帰り入浴

尾瀬戸倉に着いたのは11:30。新宿行きのバスは13:30なのでかなり余裕があります。実は「ぷらり館」にある「戸倉の湯」の評判が高そうなので、帰りに寄って行こうと思っていたのでした。

料金は600円入浴制限をしていて6人しか入れません。私は15分ほど待ちましたが、グループの人で帰ってしまう人もいました。ロッカーの鍵をもらえたら入ってOKです。私が行ったらちょうどグループ5人が一緒に出て行ったので、しばしの間湯船を独り占め!

この温泉の泉質はとても良いです。少しトロッとしていて、微かな硫黄臭。色は無色透明です。湯船は外に一つと内湯が一つ。外のお湯は少しぬるいですが、風が気持ちよくてずっと外にいました。

脱衣所には鍵付きのロッカーがあります(鍵をもらったら順番が来る仕組み)。ドライヤーは2台ありました。なおタオルのレンタルはなく買い上げになります。大きいザックは玄関横のザック置き場に置いておけます。

すっかり良い気持ちで新宿行きのバスに乗りました。お昼を食べていなくて、バスターミナルの前に1軒だけある食事亭に入ろうと思ったのですが満席ぽくてあきらめ。そのままバスに乗り込みましたが、赤城高原SAと三芳SAで休憩があり、どちらもおいしい食べ物が調達できたので助かりました。

アクセスとデータ

アクセス【往路】
浅草6:36発リバティ会津101号で会津高原尾瀬口駅(計約4500円
9:40発会津バスで沼山峠へ、11:40着(2450円
※新藤原から会津高原尾瀬口の間はSuicaなど使えない(野岩鉄道)
精算が面倒な人は最初から切符を買っておく方が良い
野岩鉄道・会津バスがセットのお得な切符あり。事前購入か車掌にきく
【復路】
鳩待峠から尾瀬戸倉まで乗合タクシー(1000円
尾瀬戸倉から新宿まで高速バス(4000円
難易度沼山峠から大江湿原、沼尻平から見晴は残雪が多く歩きにくい道
尾瀬ヶ原は完全に夏道
朝方や雨天時の濡れた木道は滑りやすい
トイレ各要所に公衆トイレあり
データ行動時間:7h35m 総距離:25.6km
累積標高:(上)333m (下)446m
装備チェーンスパイク(未使用)
ダブルストック(沼山峠・白砂峠の下りで使用)
冬用ハードシェル(未使用)
ユニクロダウン・毛糸手袋(星空撮影・早朝撮影で使用)

スポンサーリンク
少しでも参考になりましたでしょうか?よかったらシェア頂けると嬉しいです。
No Mountain, No Life.

コメント

タイトルとURLをコピーしました