北アルプス

不帰キレットから唐松岳を縦走【栂池→八方縦走2泊3日】

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北アルプス

こんにちは、くっかばらです。このブログでは、自分の経験からおすすめの山などを紹介しています。今回は、不帰キレットから唐松岳の縦走です。

不帰キレットの難易度は?初心者も行ける?

不帰キレットから唐松岳の間には難所である不帰ノ嶮(かえらずのけん)があり、山のグレーディングDとなっています。岩場や高度感に慣れていないと難しく、山の初心者さんは避けるべきルートでしょう。

一方、核心部は長く続かないので(II峰北峰だけ)、北アルプスの岩稜帯を不帰キレットから始めるというのはありかも。

私は前年に剱岳別山尾根を登っていて、関東の岩場も随分行っている状態でトライしました。高度感のすさまじさは、大キレットの飛騨泣きと匹敵するくらいだと思いました。

くっかばら
くっかばら

2021年7月中旬に行きました。

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不帰キレットのルート

不帰ノ嶮の日帰りは厳しく、近くの山小屋に前泊するのが普通です。核心部のII峰北峰を登りに使いたいなら天狗山荘、下りでもよいなら唐松岳山荘になります。

エキスパートな感じの人だったら、前泊が白馬山荘、またはキレット小屋にできるのかも。

私は、栂池から白馬乗鞍岳、白馬三山と縦走し天狗山荘に1泊。早朝発で不帰ノ嶮を通過、唐松岳から八方尾根で下山しました。

不帰キレット→唐松岳縦走レポート

天狗山荘から天狗の大下り〜剱岳を望む素晴らしい縦走路

天狗山荘を日の出前に出発。山荘の東側は夜明けと雲海が本当にきれいでした。先行のパーティーは今日のうちにキレット小屋まで行くそうです。不帰ノ嶮のあと五竜岳G5・・・すごいです。

天狗山荘からの夜明けと雲海

山荘を出発、縦走路へ少し登り返します。これから行く縦走路が朝日に照らされ、遠くに目をやると右に剱岳、南に槍・穂高まで見える大展望に感動。

右に剱岳、彼方に槍・穂高。素晴らしい眺めの縦走路

1時間ほど歩くと、「天狗の頭」と呼ばれる小ピークに出ます。広場のように開けていて、剱岳が望める素敵な場所。ここで休憩しても良さそうなのですが、まだ朝で元気いっぱいなので先へ進みます。

行手に目をやれば、不帰ノ嶮の全貌が見え、唐松岳・八方尾根が続きます。ここからでも分かる垂直な岩肌に武者震い。

天狗の大下りから見る不帰ノ嶮の全貌

天狗の大下りから不帰ノ嶮I峰

天狗の大下りから、不帰キレットまで300mを一気に下っていきます。ほとんど垂直に感じる急傾斜の岩場。とにかく長いです。浮き石がとても多いので、落石や捻挫にも注意。

下りきれば、不帰キレットです。これからの険しい道への心の準備をしました。

Ⅰ峰から、天狗の大下りを振り返って。上からずっと下りて来ました

I峰からスタート。難しくはありません。むしろ楽しいくらいの岩場です。

最初はハイマツの気持ち良い道
I峰

不帰ノ嶮Ⅱ峰北峰

II峰の基部に出ると、岩に斜めの筋がついていて、人の登り下りでそこが登山道だとわかりました。登っている人が岩に貼り付いているように見える・・・。

ここからは写真を撮る心の余裕がありませんでした。毛が逆立つような緊張感とぴんと張った集中力を感じます。仕事でもこれくらい出せるといいのに笑。

登山道は、垂直にそそりたつ岩のそばに人ひとり通れる幅でつけられています。岩に貼り付くように進みます。

II峰北峰、いよいよ登っていきます

個人の感覚ですが、剱岳の別山尾根より怖かったです。鎖はあるのですが、高度感がものすごい。ふと下を見ると自分がとんでもない所に存在しているのがわかります。写真を撮ってみましたが恐怖でぶれまくりました(笑)。苦手な人はII峰北峰では絶対下を見ないほうがいいです。

II峰北峰を登っている途中、下を見ると高度感がすごい。向こう側の道はI峰から下りてくる道

有名な「空中はしご」や「チョックストーン」も、実物は写真に如かず、とんでもないしろものでした。

チョックストーンとは崖のすきまに挟まっている落石。そのビジュアルだけでぞーっとするのに、チョックストーンの上で体を反転させ、ぐっと手を伸ばして鎖をつかんで進むようになっています。しかも鎖は女性には高い所にあります。ここで止まるわけにはいかないという一心で恐怖心をねじふせ、クリアしました。

いったん草の生えたまき道に出てほっとしますが、まだ終わりではありません。II峰北峰の東側から山頂直下に回り込んで岩場を登って行きます。気は抜けません。

登り詰めたら、やっとII峰北峰の山頂に着きました!ここまで来ればもう大丈夫。山頂の直下には座れるような岩もあるので、ここでランチタイムにしました。今日は尾西のチキンライス。

最後まで気が抜けません
やった!

不帰ノ嶮Ⅱ峰南峰・Ⅲ峰から唐松岳

ランチをとって心を落ち着け、II峰南峰、III峰へ。

II峰北峰と比べると心穏やかに歩けます。岩場は3点支持で慎重に登っていけばよく、ハイマツの平坦な道もあり楽しいです。

唐松岳に着いたら、八方からの登山者の方々がたくさんいて、なんとも平和な雰囲気にほっとしました。

唐松岳の山頂。剱岳を背景に

唐松岳から八方尾根で下山

唐松岳の山頂は広くなっていて休憩にぴったりです。連休中のせいか、登山者で大賑わいの山頂。

唐松岳山荘に寄って、ポカリスエットで乾杯しました。唐松岳山荘は今年は宿泊営業はしていないのですが、売店は利用できました。水場はなくペットボトルの販売のみです。

八方尾根で下山して行きます。途中には所々雪渓があって冷たい風が気持ち良かったです。お花もたくさん咲いていました。八方池あたりからは観光客と登山客で道はかなりの混雑。木道なので飛ばしにくいです。

八方池山荘に着いたらすぐリフトとゴンドラを乗り継いで、八方の湯へ。縦走の汗を流してさっぱりしました。不帰ノ嶮、無事に通過して帰ってこれて、心底ほっとしました!

サンカヨウ
マツムシソウ

アクセスとデータ

下山口
アクセス
八方池山荘からリフトとゴンドラを乗り継ぐ(1700円
ゴンドラ乗り場からバスターミナルは15分程歩く
バスターミナルからJR八方駅への便はよい
難易度×核心部はかなりの高度感、岩壁に張り付く鎖場をこなす
不帰ノ嶮は登山者は多くない(連休中)
唐松岳から八方尾根はかなり混雑
トイレ×唐松岳山荘で借用可能
八方尾根第二ケルンまでトイレなし
データ合計距離:10.23km 合計時間:7時間51分 
累積標高:(上り)414m(下り)347m
温泉八方の湯(バスターミナル近く)
※ザックは玄関に。ドライヤーあり。
お湯は少しとろっとして透明、熱め

白馬三山縦走の記事はこちらをどうぞ

白馬岳・杓子岳・鑓ヶ岳を縦走登山【栂池→八方縦走2泊3日】
白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳の白馬三山縦走をしました。栂池→八方の2泊3日のうち2日目の縦走です。危険箇所もなく難易度は高くないですが、ざれていて歩きにくい箇所もありそれなりに体力は必要になります。ウルップソウなどのお花が素晴らしいコースです。

天狗山荘の記事はこちらをどうぞ

天狗山荘(白馬)に宿泊
白馬岳大縦走の山旅で、不帰ノ嶮の前夜に天狗山荘に宿泊しました。サイトから予約できます。小屋泊でも快適でしたが、テント場やテント泊のための設備が充実していました。水場も豊富で自由に採って良いスタイルでした。
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No Mountain, No Life.

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